心霊スポット巡り
ここは客の寝たばこが原因で数名の死者を出した旅館だ
更地にする費用も無いのか、燃え残っている部分も多い
「ここが、幽霊が出るという旅館か」
俺は大学の休みを利用して、心霊スポット巡りをしている
敷地は当然立ち入り禁止とロープが張ってあったが、気にせずに中に入る
今は昼間だが、本物の幽霊なら夜しか出ないなんてことは無いだろう?
まあ、昼間に星が見えないように、夜の方が見やすいのならば夜まで待つが
俺はいろいろな物が詰まったリュックを床に降ろした
「ここから、焼け落ちているな」
廊下の途中から、炭のようになった柱のところまで歩いていく
「なして」
すると、焼け落ちて分からないが、客室だったと思われる場所から声が聞こえた気がした
「なして」
俺はその声がする方へ向かった
「なして、きただ?」
「君に会いに」
俺は、幽霊に会いに来たのだから、そう答えた
その幽霊は、20歳くらいの、キャミソールを着た美少女だった
「わたしに、あいにきたのけ?」
「ああ、そうだ」
「うれしぃ」
幽霊は、俺に抱きつくように近づいてくると、消えた
「成仏、してしまったのか・・・」
俺は残念に思ってリュックの中から水と花を取り出すと、焼け跡に供えた
いつになったら、俺と一緒に居てくれる幽霊が見つかるんだろう




