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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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山道で

この暑さが悪い


俺達は大学のサークル仲間で、気分的に涼もうと、肝試しをしに山道を走っている


「いつになったらつくんだ?」


カーナビを見るが、目的地周辺となっていて、ナビされない状態だ


「あれ?この道、さっきも通らなかったか?」


「怖いこと言うなよ、一本道でどうやったら同じ道を通るんだよ」


「一旦、休憩しようぜ」


「確かに、俺も酔ってきたわ」


そう言って車を寄せて駐車して、皆で降りてみた


周りは木で囲まれているため、いまが山のどのあたりなのかも分からない


「で、本当にこんなところに廃村なんてあるのか?」


「さあな、ネットで調べただけだから真偽は知らん。でも、住所があるから、村はあるはずだろ?」


俺は煙草に火をつけると、「ふぅ」と煙を吐き出した


すると、「こっち」という声が聞こえた気がした


「誰か何か言ったか?」


「普通に雑談していただけだが?」


「そうか」


俺は気のせいかと思ってもう一度煙を吐き出すと、その煙は塊のまま動き出した


「おい! なんだこれ!」


「え?煙が浮いて・・いや、煙が浮くのは当然だけど、動いて?」


俺達が茫然とする中、煙は少しずつ木々の中を進んでいった


「追いかけてみるか?」


思考停止に陥っていた俺達は、ふらふらと煙について行った


しばらくついていくと、ため池の様な物が見えてきた


「あんまり近づくなよ、危ないぞ」


「煙は、どこまで行くんだろうな」


そう言っていると、煙は、ため池に吸い込まれるように消えた


「消えたか。なんだったんだろうな」


すると、ため池がボコボコと泡立ち始め、人型の泥の様な物がビシャリと池から出てきた


「うわぁ!」


俺達は慌てて車まで逃げると、エンジンをかける。エンジンがかかった瞬間、窓にバンッと泥の手形がついた


「早く出せ!」


車はキュキュキュと急発進すると、泥人形を振り切った


一本道を走ると、いつの間にか下り坂に差し掛かっていたので、山の向こう側に出たようだ


「あれ、なんだったんだろうな」


山を下りた時にコンビニを見つけたので、休憩することにした


そして、手形のついた泥をどうしようかと考えていたところ、「おい、これ!」と言うので、見てみると、トランクに泥人形の手首だけ残っていた


「どうすんだよ、これ」


そう言っているうちに、泥が崩れ、中から白い骨が見えてきた


「まさか、人骨か?警察に電話しろ!」


その後、警察に電話すると、行方不明になっていた山菜取りの男性のものとわかった


詳しくその池を調べると、他にも何体もの人骨が見つかったそうだ


あれは、見つけてほしかったのか、俺達を道連れにしようとしたのか・・・

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