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勉強の先に

皆さんこんにちは、二学期では2回目になる山吹 鈴音でございます。


今回は・・・これから起きることの前夜祭になると思います。なんだか凄く恥ずかしいですけど頑張って伝えたいと思います。


思い出しただけで・・・ダメダメ、張り切ってやらないと!


それでは楽しんでください。



渉君の昔を知って一週間が経った。知ったときは渉君に私の友達としての気持ちを伝えようとしたけど、探してもいなくて結局後日伝えたら


「昔は昔だ。責任とかも無い。今はお前達がいるから大丈夫だ」


渉君があんなにはっきり笑ったのは初めて見た。笑った顔を見たらなんだか安心感を持てたと同時に渉君は私達の友達だって改めて思った。私達を信頼してるなら私も渉君を信頼しなくちゃいけない。

それが友達だから。


渉君との距離がさらに縮まったと思っていた。


昔を知って一週間後、さらに距離が縮まることが起こった。



授業が終わって放課後になった。今日は金曜日だから明日からは休日になる。休日は基本は家にいるわね、家で勉強とか後本を読んだり充実した休日を送ってる。でも最近はアニメが一番楽しみにしてる。半日以上アニメを見てることもあるから・・・あんまり勉強に集中できないことも多いけど。でも一つの楽しみだから、いいかなって。


「鈴音ちゃん、一緒に帰ろよ」


佐奈が私と一緒に帰ろうと声をかけたけど今からは


「ごめん佐奈。今から私授業で分からないところがあったから先生に聞きに行こうと思ってるの」


今日の授業はよく分からない場面があった。私は分からないまま終わるのが嫌なの。出された問題を最後まで解いて初めて正解だと思うから、今日は先生に聞きに行く。それに金曜日だから二日間は聞けないから今聴いておいたほうが良い。


「相変わらず真面目だね。でも分からないなら渉君に聞けば速い気がするけど」


それはそれで確かにいいと思うけど


「渉君は別に先生じゃないからもしかしたら問題がわからない場合があるから確実に教えてもらえる先生の方がいいから。

それに、さっき先生に呼ばれてから帰ってきてないから聞こうにも聞けないのよ」


渉君が何かをやって怒られることは無いと思うけど・・・放課後呼ばれるのってあんまり良くないことだとは思う。


「そうなんだ。じゃあまた月曜日だね」


「うん、またね」


佐奈が教室を出ていくのを確かめて私も席を立ち先生がいる職員室に向かった。


職員室の扉を3回ノックして


「失礼します」


と言って中に入り先生に


「すみません、紅先生はいますか?」


私達のクラスの担任の先生を呼んだ。


すると奥のほうから


「呼んだ〜?」


どこにいるかわかるように手を振っていた先生。


紅先生に近づいて


「先生、今日の授業でわからないところがあって聞きに来たんですけど」


「え〜鈴音に分からないところなんてあるの?」


「私のことなんだと思ってるんですか」


「優等生でしょ」


優等生・・・いい響き。褒められるのは悪くは無いわ。努力をしている結果ね。


「そ、そうでしょうか?」


「そうそう、だからこの問題も自分で解く。努力だよ」


・・・逃れようとしてる。確か先生って面倒なことは生徒に押し付けていることがあるから、私に教えるのは面倒ってこと!?


「言いくるめてもダメです!教えてください!」


「バレたか」


「何か言いました?」


「いやいや〜なんでも」


私は教科書を開いて


「観念して教えてもらいますよ」


「じゃあどこがわからないの?」


先生もようやく教える気になり私も集中することにした


「えっと、ここの・・・」



紅先生はかなり授業もゆるくやってるけどマンツーマンの時はわかりやすく教えてくれる。公式の使い方とかどうしてそうなったとか詳しく説明してくれるから頭に入りやすい。先生としての能力はかなりある。それを授業で活かしてくれたらいいんだけど。


私は先生が言ったことをずっとノートに書いていると


「鈴音・・・鈴音」


いきなり私を呼んで引きつった笑顔で


「いつまでやるつもりなの?もう夜の7時だよ」


えっ・・・もうそんなに時間が経っていたの?集中し過ぎて時間がわからなかった。


「す、すいません。こんな時間まで付き合ってもらって」


反省しないと・・・先生だって忙しいのに。


「いいよいいよ、私もちょっと暇だったからさ〜」


暇だったから、仕事してくださいよ。


「さて、もう下校時間はとっくに過ぎてるから早く帰ること。知らないおじさんと会っても話しかけちゃダメだからね〜」


「普通は話さないです。逆ですよねそれ」


「それじゃあお疲れ様」


「はい、ありがとうございました」


職員室を出てカバンを取りに教室に戻ると教室には誰もいなくてちょっと不気味だった。


もう夜だから暗いし、怖い・・・早く帰ろう。教科書等をカバンにしまって早々に教室を出て早歩きで下駄箱に向かった。


暗い、少しでも電気つけてくれたらいいのに、それに今日は月も出てないから月明かりも無いし・・・あれ、月が出てないってことは雲が出てるってことだから・・・


下駄箱に行って外を見ると案の定雨が降っていた。そういえば今日の天気予報見てなかったから傘持ってきてない。


どうしよう、この雨からして今日一日降ってそうだし。今日は少し肌寒いから濡れて帰ったら風邪をひく可能性もあるから、でも雨宿りもできないし・・・


「コツ、コツ、コツ・・・」


足音が聞こえる、それにどんどんこっちに近づいてくる。生徒?でも私がここに来る時は見なかったし、先生も見張りにしては早いし、それに私に近づいてるってことは・・・お、お化け?夜の学校に一人って標的になりやすいんじゃ・・・


どんどん足音が大きくなってくる。後ろを振り返れない。振り返ったらいるかも・・・


どうしよどうしよどうしよ・・・


すると足音が聞こえなくなり、あれって思った瞬間に私の肩に誰かが手を置いた。


「キャッ!」


少し前に逃げるように進み後ろを振り返るとそこにいたのは


「どうした?」


足音の正体は渉君だった。


「渉君、どうしてここにいるの?」


「苺先に呼ばれて今まで手伝いされてた」


そういえば渉君先生に呼ばれてたことをすっかり忘れてた。


「なんの手伝いしてたの?」


「小テストの問題の手伝いだ。俺の自由に作っていいって言って、気がついたらこんな時間になっていた」


「小テストって、じゃあ次のテスト渉君が考えた問題なの?」


「ある程度は修正するらしいけど基本は俺の考えた問題だろう」


すごい、先生の手伝いなんてそんな簡単にできないわよ。


「でも渉君のテストどうするの?渉君の問題なら」


「俺は先生が考えた問題を出されるらしい。先生が考えたんだったら俺が考えた意味無いんじゃないかと思ったけど、まぁいいかと思って納得した」


軽いわね・・・渉君らしいね。


「で、鈴音はなんでこんな夜遅くに?」


「私は授業でわからないところがあったから紅先生に聞いていたのよ」


「だから苺先一回も俺を見に来なかったのか。ただ多分鈴音が来てたとしても来なかったと思うけどな」


渉君が来たおかげでさっきまで怯えていた私の体はすっかりといつもどうりになっていた。


「傘、忘れたのか?」


流石にここでずっといたら傘持ってきて無いのわかるわね。


「天気予報見てなくて」


すると渉君は自分が持っていた傘を広げて私に傘をさして


「送るよ」


何故かこの一言で私はドキッとした。渉君が私の家に来る・・・


「で、でも渉君の家から私の家遠いし」


「どうせ家に帰っても暇だし、それに雨に打たれて帰る鈴音を見たくないしな」


・・・え、渉君?こんなキザな言葉を言うなんてめずらしい。でも、素直に嬉しい。心配されてるんだから。


「じゃあ送ってってもらおうかな」


こうして私と渉君は一緒に帰ることになった。



雨の中、渉君に送られることになって、話とかは色々と盛り上がるんだけど・・・単に私が一方的に話しかけて渉君が相槌あいづちとかそれに対して質問をしてくる感じだけどそれでも私は楽しくて、嬉しかった。


渉君と話すこと自体は今日も話したんだけど、こうやって二人きりで話すことなんてほとんど無いから、不思議な感覚なんだよね。

勉強してきた私でもこれを答えることができない。渉君はわかるのかな?天才頭脳の渉君なら答えられるのかな?・・・今ここで聞いてみるのもいいけど、ちょっと恥ずかしい。

何が恥ずかしいかもわからない・・・


雨は私の体こそ濡れなかったけど心はびしょびしょになった気がしてる。ベタな表現だけど、本当にこんな状態になるんだ。


「着いたぞ」


色々と深く考えていたらもう私の家だった。


「ありがとう、送ってくれて」


「じゃあ俺行くわ」


渉君帰るんだ。いやそれはあたりまえだけど、もう少しだけ、その、一緒にいたいような・・・


「・・・鈴音?なんで引き止めるんだ?」


気がついたら私は渉君の腕を無意識に掴んでいた。どうして?私の体はどうなっているの?


「いや、あの、これは」


頭が回転しない。自分でも分かるぐらいテンパっている。でも何か言い訳しないと、何か何か・・・


「あ、雨も強くなってきたから私の家に泊まっていかない?」


・・・私、何を言ってるの?


「泊まる?鈴音の家に?」


「えーっと・・・その」


何も言葉が浮かばない。難しい問題を出されて何もわからないから思考停止した時ぐらい浮かばない。渉君困ってるのに、


「まぁどうせ明日は休みだから別にいいけど」


まさかのオッケー!?でも私もここまで言ったら引き下がれないし・・・


「じゃあ私の部屋に来て」


平常心を装ってるけど心臓爆発しそうだから今。


「おじゃまします」


私の家に入り玄関で


「でもこんな急でいいのか?両親とかは」


「お父さんもお母さんも共働きだから今日はずっと仕事で帰ってこないのよ」


「じゃあ基本的に一人なのか?」


「今日が特別なだけでいつもはお母さんがいるのよ」


私は靴を脱いで


「玄関で立ち話もあれだから、私の部屋に案内するわ」


私は渉君を自分の部屋に案内した。


「ここが鈴音の部屋か」


少し緊張してるけどね。私の部屋の印象どうなんだろう・・・


「綺麗だな。しっかりと整理されてて」


良かった。褒めてくれて。毎日整理整頓してた甲斐があったわね。


「渉君、雨でちょっと冷えたでしょ?お風呂沸かしてくるね」


私は部屋を出てお風呂場に向かった。


しっかりとお風呂を沸かして部屋に戻って


「渉君入ってきて、今ちょうどいい湯加減だから。着替えとかは置いてあるから」


「あぁ、悪いな」


渉君は立ち上がって私の部屋を出ていった。


一人残った私はベッドに飛び込んだ・・・枕に顔を埋めて


「あーーーーー!!!私の部屋に渉君がーーーーー!!!」


ずっとクールなキャラでいたけど誰もいないからいいよね!?だってだってだってクラス、いや学年でもトップクラスのイケメンの渉君が私の家に泊まるんだよ!緊張もするけど嬉しすぎるよーーー!!!ひとつ屋根の下で二人きり・・・私、どうなるんだろう。


それにしても渉君すんなり私の家に泊まるなんて、そんなに雨に濡れるの嫌だったのかな?


とりあえず今日は何をしよう・・・



まさか鈴音の家に泊まることになるなんてな。


誰かの家に泊まるなんて蒼の家以来か、しかも女子の家。それに鈴音の・・・


・・・案外、いや、こんなにもドキドキするなんてな。



はい、ひとまずこれで終了です。


中途半端なところで終了ですけど次回完結します。


なんか私のキャラは崩壊したかも知れませんけど、人間誰だって裏表ありますよ。


それではまた次回、次も語り手は鈴音になります。よろしくお願いします。

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