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少し編集しました。
聞いてない!!!
今、私は物凄くその言葉をさけびたい
くっそー!!!何が自由だ!母さんめ!!!
ガッツリ条件あるじゃんかーーー!
私がこんな風になっているのには、理由があった。
時は少し遡る。
名帝学園に到着して始めに向かったのは
この学園を経営しているうちの一族が待っている
らしい理事長室。
コンコン
「はい、どうぞ」
扉をあけると、そこは正に理事長室という感じの
部屋だった。外からの客はここに恐らく、招くのだろう、下品でない程度にソファーや机などの
調度品が高価な物になっている
そして、これまた高そうな革張りの椅子に座って
居るのは細めの銀フレームのメガネを
かけた25、6歳くらいの男だった。
首の辺りでひとつにまとめた髪は、私ほどでは
無いものの、男性にしては充分長い。
男の顔立ちは、かなり整っている為、女装すれば
いい線行きそうだなぁ。なーんて
「失礼します。私は今日からこの学園にお世話に
なります。権条 菊子です。」
「……………」
……………この沈黙はなんだろう?
男の人はさっきから私のことを見ている。此方も
困惑気味に見つめると、気がついたのかはっ!としてあわてて
「っ!!あ、あぁ、君ですか。どうぞ此方に掛けて下さい
初めまして理事長をしています、夢路 信
と言います。」
と言った。なんだったんだ?というか
「夢路?」
「えぇ、貴女のお母上の親戚筋に当たります」
と言うことは私の親戚でもある訳だ。
ふーん……母方の一族は余り会わないので新鮮だなぁ
…一見すると優しそうな感じだが、それだけでもない気がする。
なんか、腹黒そうな感じ。
「えっと………私は母さんからなにも聞いてないんだけど………」
夢路さんは、少し目を見開いて
「何も??」
「まぁ、はい」
「そうでしたか……。ではどこから説明しましょうか…、
まず、名帝学園は権条家な夢路家の
ような裏に関わる人間を集めた学園だということは
知っていますか?
もちろん何の能力もない裏の世界さえ知らない、普通の人間も通っています。
能力者の事を知っているのは、教員のみ。」
「何も聞いてない…………」
何も聞いてないよ!?確かに結界張ってあるな~
とは思ったけど!!!
家の一族がやってるなら、まぁこんな事も
あるかなぁー?みたいな感じで全然気にしてなかった!!!
「そうですか………梓さんならやりそうな事です」
苦笑している夢路さんに、家の母さんやっぱり
外でもこんな感じに認識されてるんだな、と
ちょっと帰りたくなった。
恥ずかしいぃ
「そして、こちらが本題なのですが………
ウチの学園は将来有望な若い能力者たちがいる。
一ヶ所に集まっているのですよ。
権条さんにはその危険性が分かるのではないですか?」
「霊力がたまって、悪しきモノが集まって来る」
「そう!当たりです。しかし
裏の世界を知らないお子さんも預かる学校側
としては見過ごす事は出来ません。
だからといって、教師だけで生徒に覚られずに
始末することは難しい。
そこで、ウチでは生徒会に
様々な特権を与え、その代わりに、悪しきモノ
の始末をお願いしている。
権条さん、貴女にも
生徒会に入ってもらいたい。」
真剣な顔で語っていた夢路さんだったが
ニヤリとすると
「まぁ、もらいたいと言っても、貴女が入学する
為の条件に、生徒会に入ることは決まっているので
拒否権はありませんがね?」
うわぁ……やばいぜ口許がひきつるのがわかる
黒い!黒いよ!やっぱり猫被ってたか!
キャラがさっきと違うがいいのか!
「あの………キャラ違い過ぎません?」
「貴女こそ。さっきから敬語なのが気持ち悪くて
仕方ありませんよ」
散々な言われようだ。
だが、私はこの人に会ったことがあっただろうか?
知っているような口振りだが全然覚えていない。
そんな不振げな態度がまるわかりだったのが
ちょっと苦笑して
「覚えてませんか?」
「ざ、残念ながら」
「はぁ……小学生の頃はあんなにあんなに遊んであげたのに…なんて冷たいのでしょう……」
夢路さんはちょっと大袈裟に嘆いて見せるが………
おいっ!口許が笑ってるぞ!
見えてるからな!しかし、思い出せない、小学生の時はすでに私は仕事を手伝っていたが、
父さんとの仕事では接客は父さんがやってるから
会った可能性は低いだろう
うーあーうー…、……………。
ん?夢路さんをじっと見つめる。
敬語……小学生…メガネ……遊んだ………
あっ!!!!!
「も、もしかして………しーくん?」
「ふっ、やっと分かりましたか………………
久しぶりですね
菊ちゃん。」
ありがとうございましたー!
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