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第22話ー2


「後ろ髪を引かれる思いですが、仕方がないですよね……」

馬屋で迎えたククルとペタルの手綱をそれぞれ引き、街の中を歩き始めてからも、ラーナは何度も足を止めて宿の方を振り返っていた。


「……」

三人が広場の近くまで来たところで、ラーナはまた立ち止まった。

そのとき、昨日見かけた聖女の使いの女性二人が、

慌ただしい足取りで宿の方へ向かっていくのが目に入った。


(また、ソフィア様のところへ……?)

その姿を見た途端、ラーナの胸の奥がざわりと揺れた。彼女を、あの場所に一人で残してしまって、本当にいいのだろうか。


(またあの人たちは、優しいふりをして、酷い言葉でソフィア様を傷つけるんだわ!)

昨夜、ソフィアに向けられていた冷たい言葉や、彼女がそれを受け止めるときに浮かべていた表情が、次々と頭に蘇った。


「何でしょうね?」

ミルコも気になったようで、馬の手綱を持ったまま足を止め、二人の姿を目で追っていた。

「まあ、もう行きましょう。きっと、また彫刻を取りに行ったのでしょう……」

オクトはそう言って、二人を促すように歩き出そうとした。


けれど、ラーナの足は、どうしても動かなかった。

(このまま行ってしまったら、きっと後悔する)

ラーナは、ぎゅっと手綱を握りしめた。


「オクト様、ミルコ様。申し訳ありません。やっぱり、どうしてもダメです!!」

二人が振り返る。

「私、ソフィア様を連れて行きたいのです!! 絶対に!!」

ラーナは凛とした表情でそう言い切ると、二人の返事を待つことなく、再び宿の方へと引き返していった。


その背中を見送ったオクトとミルコは、互いに顔を見合わせ、思わず笑みを浮かべる。

「そう言うと思っていました」

「戻りましょう!」

二人もすぐにラーナのあとを追い、三人はククルとペタルを連れて宿へと戻った。

正面から入るのではなく、裏手に回り、木々の生い茂る庭へと向かう。

庭の隅に立っていた木の杭に二頭の馬をつなぎ、にんじんを与えて落ち着かせている間に、三人はソフィアを連れ出すため、宿の窓から室内の様子をうかがった。

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