表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

3

光無き摩天楼を背に襤褸(ぼろ)(まと)った人々が田畑を耕している

かつてのポップソングを口ずさみながら(くわ)を振り下ろす


(べこ)を引いて(かける)爺さんが通っていく

人々は羨ましげに目をやりながら耕作に没頭する振りをする

(べこ)がありゃあ百人力だ


礼音(れおん)爺さんは目を細めて畦道の奥を凝視する


「ありゃあ・・・・・」


緑色の襤褸切(ぼろき)れを(まと)い手に棒を持った一群が歩いてくる

爺さんは目を見開いた


「自衛隊員さまだ、自衛隊員さまが来たぞおおおおお」


人々はたちまち曲がった腰を上げて走り集まり

自衛隊員の前にひれ伏した


「泥棒!、ものもらい!」


石が飛んできた、見ると人々の後ろから

姫華(ひめか)婆さんが自衛隊員に向かって大声で叫び

石を投げつけながら近寄ってくる


「ごく潰し!、大飯ぐらいの役立たず!、完全消費者!

ノミッ!、ダニッ!、寄生虫ッ!」


1人の自衛隊員が銃を構えた


「バン」


姫華(ひめか)婆さんが倒れた、赤い染みが広がっていった

礼音(れおん)爺さんはペコペコ頭を下げながら前に出た


「ありゃあ隣の村のもんです、うちらにゃあ何も関係ねえがす」


他の人々もうんうんとうなずく

勲章をつけてカイゼル髭を生やしたいかにも偉そうな

自衛隊員が前に出た


「勅命である!」


大音声(だいおんじょう)であった、人々の背筋がピンッと伸びた


「本日16時よりNHKにて玉音による放送あり!

全人民は心して()れを聴取せしめることッ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ