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光無き摩天楼を背に襤褸を纏った人々が田畑を耕している
かつてのポップソングを口ずさみながら鍬を振り下ろす
牛を引いて翔爺さんが通っていく
人々は羨ましげに目をやりながら耕作に没頭する振りをする
牛がありゃあ百人力だ
礼音爺さんは目を細めて畦道の奥を凝視する
「ありゃあ・・・・・」
緑色の襤褸切れを纏い手に棒を持った一群が歩いてくる
爺さんは目を見開いた
「自衛隊員さまだ、自衛隊員さまが来たぞおおおおお」
人々はたちまち曲がった腰を上げて走り集まり
自衛隊員の前にひれ伏した
「泥棒!、ものもらい!」
石が飛んできた、見ると人々の後ろから
姫華婆さんが自衛隊員に向かって大声で叫び
石を投げつけながら近寄ってくる
「ごく潰し!、大飯ぐらいの役立たず!、完全消費者!
ノミッ!、ダニッ!、寄生虫ッ!」
1人の自衛隊員が銃を構えた
「バン」
姫華婆さんが倒れた、赤い染みが広がっていった
礼音爺さんはペコペコ頭を下げながら前に出た
「ありゃあ隣の村のもんです、うちらにゃあ何も関係ねえがす」
他の人々もうんうんとうなずく
勲章をつけてカイゼル髭を生やしたいかにも偉そうな
自衛隊員が前に出た
「勅命である!」
大音声であった、人々の背筋がピンッと伸びた
「本日16時よりNHKにて玉音による放送あり!
全人民は心して此れを聴取せしめることッ!」




