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月灯り、愛しているとかいないとか
方々擦れて擦りきれて
街明かりがつらつらと灯り
夕飯の揚げ物や汁物の香り
月色付いて黄な味を帯びて
僕は野垂れと寒風の
襟を立てたジャケットや
ポケットへ突っ込んだ手を
愛しているとかいないとか
君に会いたい気持ちとか
君に触れたい心とか
灯りの揺れた夜が拡がり
愛しているとかいないとか
君の言葉を繰り返し
僕の想いを確かめて
愛しているとかいないとか
誰かの言葉で揺れている
ぼんやりとしたものや
自分の中で燃え上がる
永遠の様な鮮やかさや
遠く微睡む雲が散り行き
愛しているとかいないとか
この気持ちが何か判らない
この想いが解らない
こんな夜に君が居たなら
こんな夜だから




