プロローグ
私はけしてあの女を忘れないだろう。例えば崖の上から突き落としてやりたいだとかナイフで頸動脈をかっ切ってやりたいだとか毒を一服盛ってやりたいだとか重しをつけて湖に沈めてやりたいだとかを思っていたとしても、そんなことをすればお家末梢の一路間違いないわけで、そんな事情すらも恨みの一節となっている。人間の記憶というのは理不尽な物で、楽しいことよりも恨みの方をよく覚えている。そういうわけで、私がヤツを憎くて憎くて憎くて憎くてうがー! となればなるほどヤツのことを記憶してしまうものなのだ。無駄である。この上ない無駄である。ヤツのために私の素晴らしい脳細胞を消費してやるなど! ひっじょーーーに不本意だが、この人生、そういう局面の方が多かった。ひじょーーーに不本意なのだが!
私の人生は彼女と共にあり、彼女に捧げることがまるで至極当たり前のことのように扱われ、またそうさざるを得なかった。ああなんて私は可哀想なのでしょう。あんな女のために! 私のこの素晴らしい頭脳を! 肉体を! 美貌を! 使わなければならなかったなんて!!
私はけしてあの女を忘れない。あの女に味合わされた苦痛の日々を忘れない。あの女の無駄に長ったらしい名前も、私の素晴らしい記憶力を誇る脳みそが覚えてしまったから、きっと死ぬまで覚えているだろう。
ヤツの名前はユウリカ・ミリ・マイクロ・ナノ・ピコ・フェムト・アト・ジュゲム・ゴコウ・リキ・カイヤ・スイギ・ヨノ・スイラ・ウンラ・フウラ・クウネ・スムトコ・ヤブラコ・カブコ・パイポ・シューリンガン・グーリン・ポンコ・ポンピ・ポンコ・ポンナポンポ・チョウキ・アルバ。アルバ魔法王国第一王女様だ。




