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アプリ『異世界ポイント』で楽しいポイント生活 ~溜めたポイントは現実でお金や様々な特典に交換出来ます~  作者: よっしゃあっ!
第六章

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149.思わぬ再会


 白い光が収まる。

 なんか久しぶりにこっちに来た気がするけど、現実だと数時間しか経ってないんだよな……。

 場所はラヴィ君の家だった。

 酒瓶が散乱している。……そういや、片付けてなかったな。

 ラヴィ君は小雨の『世界扉』のCTが終わるまではこっちにこれないし、後で片付けておこう。

 まずはメインストーリーが先だ。


「今回は『亜人解放戦線』のNPC救出か……」


 ということは、またコロロさんやニャンマルさんに会えるのだろうか?

 もし会えたら、貸しっぱなしにしてる『天使のネックレス』を返して貰いたいけど……。


「……周囲に人影はないな」


 そもそもラヴィ君の住処は、アポリスの町からかなり離れた場所にある。

 帰らずの森はプレイヤー以外、殆ど来ないみたいだし。


「まずはマップで確認するか……」


 マップを見ると、ここから離れた場所に複数のアイコンが点滅していた。

 NPCの色を示すアイコン。

 そのすぐ近くには、敵の色を示す赤いアイコンがあった。

 更にそこから離れた位置にゴール地点を示すマーク。

 

「NPCは8人、敵の数は12体か……急がないとな」


 俺は雷蔵たちを呼び出す。


(……セイランはまだ待機室に居てもらった方が良いだろうな)


 ストーリーの条件からして、NPCは亜人である可能性が高い。

 だいぶマシになったが、セイランのトラウマはまだ深い。

 まだ会わせない方が賢明だな。

 雷蔵たちに事情を説明し、すぐに動き出す。


「雲母、加速を頼む。新月もバフを」

「きゅー」

「ウッキィ~」


 移動しながら、雲母と新月にバフを掛けてもらう。

 小雨の『空間移動』が使えれば一瞬だが、あれは行ったことのある場所限定だからな。

 今回のような行ったことのない場所には使えない。

 まあ、そこまで離れちゃいないから、走ればすぐにつくのだが、なるべく急いだ方が良いだろう。

 呪い人形と嘆きの亡霊も呼び出す。


「お前たちは周囲の偵察をしてくれ。あと宝箱があったら回収してくれ」

『任セテ』

『……』


 呪い人形と嘆きの亡霊はすぐに動いてくれた。

 伏兵の可能性は常に気を付けていた方が良いからな。

 あとメインストーリーだし、宝箱の回収も忘れない。

 俺は未来の俺が言っていたことを思い返す。

 

『8~10は連続した一つのイベントになっている。

 ただ内容については、アドバイスは出来ない

 その理由も、プレイすれば分かるだろう』


(……確かに、今回は表示された勝利条件も特殊だ)


 クリア、敗北に関わらずストーリーは進行し、EXシナリオも無し。

 こんなケースは今までなかった。

 何かしらの仕込みがあると想定した方が良いだろう。

 そんな風に考えていると、モンスターに襲われている一団が見えてきた。


『モンスター図鑑が更新しました』


『モンスター図鑑№25 鎧オーガ

 オーガの特殊進化系

 高い知能と身体能力を持ち、武器を使用する

 特殊なスキルは持たないが、その身体能力は高い

 常に群れで行動し、獲物を狩る

 討伐推奨LV20』


 鎧オーガ、ね。

 筋肉質な体に赤銅色の肌。兜の隙間から除く鬼のような角。

 体長は2メートルってところか。デカいな。

 戦国時代の鎧武者のような鎧を身に纏い、手には巨大な金棒を握りしめている。

 まるで地獄の獄卒のような見た目だな。

 それが12体。

 数は多いが、このレベルなら問題ない。


「雷蔵、夜空!」

「ウガォゥ!」

「ウッキィ!」


 俺の合図で即座に雷蔵は『雷閃』を、夜空は『悪夢』を、俺は『不快』を発動する。


「ギィ……!?」

「ギァァ……」


 二体の鎧オーガが『麻痺』と『強制睡眠』により倒れる。

 残り10体。


「こっちだ! 鎧オーガども!」

「ギガアアアアアアア!」

「ギャォォオオオオオオ!」

「ギィィイイイイイイイイイイ!」


 俺達に気付くと、5体の鎧オーガがこちらに向かってくる。

 全部を引き付けるのは流石に無理か。

 残った鎧オーガはNPCの方へと向かってゆく。

 だがこの距離なら問題ない!


「小雨!」

『ボー!』


 小雨の『空間移動』が発動する。

 眩い光に包まれ、次の瞬間、井口、月光、月影、新月がNPCたちのすぐ傍に出現する。


「井口、月光、月影、新月は彼らの護衛を! 伏兵が居るかもしれないから注意しろ! 雷蔵と夜空は俺に続け!」

「はい!」

「ウガォゥ!」

「ウッキィ!」


 一方で、NPCたちは突然現れた井口たちに驚いている。


「え……?」

「な、なんだ……?」

「あっ……」


 遠目でも、彼らには一様に尖った耳や、尻尾があった。

 やはり亜人で間違いない。セイランを出さなかったのは正解だったな。


(コロロさんやニャンマルさんの姿はないか……)


 見たところ、大した武装もしていない。

 身なりもボロボロの者が多い。……難民か?


「え……あれって……あぁ!」


 なんかやけにこっちを見て驚いてる子がいるな。

 帽子やマフラーで顔は見えないけど、なんか声に聞き覚えがあるような……。

 いや、考えるのは後だ。

 NPCの護衛を井口らに任せ、俺達は鎧オーガの群れに突撃する。

『着替え』で武器を短剣から、鞭に変更。


「シッ!」


 無数に分裂する『茨蛇姫の鞭』。

 この間合いなら、十分にその特性を生かせる。

 鞭による牽制で、鎧オーガ達は迂闊に近づけない。

 その間に、『不快』、『雷閃』、『悪夢』で更に数を減らす。

 これでこっちは残り3体。


「ギィィガアアアアアアアア!」


 デバフを免れた個体が、鞭の中に無理やり突っ込んでくる。

 なるほど、無理やりにでもこちらの間合いに入るつもりか。

 鎧で全身を固めてるから、鞭の攻撃は大したことないと考えたか。


「――だが遅い!」


『着替え』で武器を鞭からソウルイーターへ変更。

 鎧オーガが金棒を振り上げる前に、俺は相手の懐へ入る。

 コイツらが着ている鎧は、鎧武者のような形状だ。

 斬撃は僅かな隙間からしか攻撃出来ないから効果は薄い。

 

 ――そんな意識が、コイツらからは透けて見えた。

 

 だからその隙を容赦なく突かせてもらう。

 

「――『魂魄斬り』」

「ゴッ……ギァ!?」


 苦悶の表情と共に、鎧オーガが絶命する。

 悪いな。ソウルイーターのスキルは魂を直接斬りつけるから、物理的な防御は意味をなさないんだよ。


『経験値を獲得しました』


 これで残り2体。


「ギィィオオオオオオオオオオオオ!」

「ギォォオオオオオオオ!」


 仲間がやられ、激昂した鎧オーガたちが突っ込んでくる。

 

「マジックミラー」

「ギィアッ!?」


 だがその攻撃は、マジックミラーの前にあっけなくはじき返された。

 最近、あっさり砕け散ってばっかりだったからな。

 久々にちゃんと仕事をしてくれて、なんか安心する。


「――サブマシンガン」


 そしてマジックミラーは敵の攻撃は防いでくれるが、こちらからの攻撃は透過する。

『着替え』で武器をソウルイーターからサブマシンガンにチェンジ。

 ソウルイーターのストックが勿体ないからな。

 無数の銃弾を、鎧オーガたちに叩き込む。


「グギィィ……ギヒヒ」


 しかしサブマシンの弾幕を受けても、鎧オーガたちは余裕の表情。

 へぇ、サブマシンガン程度なら、防げるのか。

 大した鎧だな。


「でもいいのか? 俺だけに意識を向けて?」

「ギィィ……?」

「ギィ……ッ!?」


 気付いたようだがもう遅い。

 直後、側面から叩き込まれた雷撃と炎の渦が鎧オーガたちを一瞬で消し飛ばした。


「「ギィギャアアアアアアア――……」」


『経験値を獲得しました』


「ナイス、雷蔵、夜空」

「ウガォゥ」

「ウッキィ」


 俺に注意を向けさせて、側面から雷蔵と夜空が叩く。

 こんな簡単な作戦に引っかかるなんて、鎧オーガたちが単純な奴らで良かった。

 見れば井口たちも問題なく鎧オーガたちを倒していた。


「ふぅ、危なげなく終わったな……」


 レベル差も戦力差も圧倒的にこっちが上だったし。

 通常のメインストーリーだとこんなもんだよな。

 やっぱデイリーダンジョンやEXシナリオの難易度がおかしいんだ。

 残りの麻痺や睡眠で気を失っている個体を、雷蔵たちと共に、サクサクと片付けてゆく。

 鎧オーガを全て倒すと、呪い人形が戻ってきた。


『周囲ニ伏兵ハ居ナイワ。後、コレ宝箱』

「おお、サンキュー。念のため、俺達が目標地点に辿り着くまで、見張りは継続してくれ。」

『分カッタ』


 俺に宝箱を渡すと、呪い人形は再び偵察に戻る。

 隠しアイテムまでちゃんと見つけてくれて、本当に仕事の出来る奴である。

 早速中身を確認しよう。


「中身は……なんだこれ?」


 中に入っていたのは古びた眼鏡だった。

 収納リストに入れても、『古びた眼鏡』としか表示されない。

 そういえば呪術猿の時に『古びた手帳』ってのを隠しアイテムで見つけたな。

 古びた〇〇シリーズみたいなアイテム群があるのか? 終末の楽譜みたいにいくつか揃えると効果を発揮するとか……?


「……ん?」


 ふと、視線を感じた。

 助けたNPC――亜人たちからだ。

 まあ、俺の格好は変態さんだからな。そりゃ奇怪な視線を向けるだろうと思っていたのだが、どうにも一人だけ違う様子の子がいる。

 帽子を被り、マフラーをした少女だ。

 一人だけ、妙にキラキラとした目で、俺を見ていた。


「あー、やっぱり~お兄さんですぅ~」


 少女は勢いよく駆け出すと、俺の胸に飛び込んできた。

 マフラーをズラし、思いっきり、顔をこすり付ける。


「すぅ~~~~~~この匂い。やっぱりお兄さんの匂いだぁ~。めぇ~」


 ばっと顔を上げると、彼女は俺を見て満面の笑みを浮かべた。


「……君、まさかメイちゃんか?」

「はい~、お兄さんのメイメイ・メイですぅ~。お久しぶりですねぇ、お兄さん♪ とぉ~~っても会いたかったですよぉ~~」


 かつて助けた少女――メイちゃんがそこに居た。



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