第三話 再会
摂津国・大坂城
「ようやくじゃ。この時を待ち望んでおった。」
信繁の目に映る巨大な大坂城は亡き太閤の威光を未だ示していた。
「お待たせ致しました。豊臣家が家臣、木村長門守重成でございます。」
木村重成と名乗るその男から信繁は不思議な気を感じた。
「真田左衛門佐信繁でござる。」
「よう参られた。真田殿、早速こちらへ。」
大坂城・本丸御殿
「真田殿、この度は大坂によくぞ参陣下さいました。」
そう語る男の名は、大野修理太夫治長。通称修理。昌幸が淀の犬と言っていた男である。
「豊家に力を尽くすべくやって参りました。」
「そのお言葉、殿もきっとお喜びになるでしょう。」
「大野様、殿が参られました。」
「うむ。殿の御成りである!」
『ははっー。』
「面を上げよ。」
「はっ!」
信繁が目にした秀頼の姿は、幼少期も比べものにならないほどの威厳を感じさせた。
「何年ぶりかの、左衛門佐。」
「殿のお姿を再び目にすることができ、嬉しく存じます。」
「儂もお主に会えるのを楽しみにしておった。徳川を苦しめた真田の軍略、豊臣の為に使ってもらいたい。」
「父・真田安房守の意志を受け継ぎ、豊臣の為に働く所存にございまする。」
「そうか。世の静謐を乱す徳川を下し、再び豊臣の威光を天下に知らしめなければならん。後で大広間で皆の意見を聞こうと思う。お主も同席せよ。」
「はっ!」
大坂城・大広間
牢人たちが集まるその場所で一際存在感を放つその男が誰なのか、信繁は直ぐにわかった。
「宇喜多殿!」
「真田殿!久しぶりじゃのう!息災であったか!」
「宇喜多殿こそ、八丈島よりよう参られました!」
二人は笑った。
「明石殿もいるではないか!」
「某の大坂入りを聞いてな、宇喜多の旧臣たちが集っておる。掃部もその一人よ。」
「皆の衆、殿が参られるぞ!殿の御成りである!」
『ははっー!』
「一同、面を上げよ!」
「いかにも、儂が豊臣秀頼である。」
牢人衆がざわついた。
「静粛に!」
「皆、よう集まってくれた。お主らが大坂に集ったこと、真に嬉しく思う。紹介したい者がおる。入れ。」
そこに現れたのは、衝撃の人物だった。




