33 思ったより父親の家が大きい事以上に母の行動に驚いたリカルド c
母は思ったよりも機嫌が悪くなく、それ所か何だか鼻歌を歌いながら料理をしている。
その間、騎士たち母に「家の中に入りなさい。其処に居られても回りの人達が怖がるでしょ!」と言われた事も有り、家の中で待機しているがとても居心地が悪そうにしている。
その間ダンマリしている騎士を見つつ父に話を聞いてみた。
「前から思ってたんだけど、父さんって何処の貴族の家出人なの?」
聞いて見ると父親は渋面を変えずだが驚いているのが解かる。
しかも、その視線は母を数瞬見るが母と俺の言葉が重なる。
「私は言っていないわ」
「母さんから聞いてない。」
それを聞いて、父は渋面を崩して本当に驚いたような表情をしてくるから、事実をそのまま言ってあげた。
「父さんの立ち振る舞いと知識量。この領の領主と知り合いで、魔法の腕や剣術が相当凄いと来たら、小さな家の男爵家や田舎で勉学を積んだ人間というよりは大きな貴族家を出た人間と言ったほうがたぶん早い。
もっと言えば、俺は、最低でも王都に近い伯爵家の出か、ある地区を任されている辺境伯家の出と睨んでいる」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
此処までいうと父は無言だった。
騎士たちも無言に成っていた。騎士達に関しては末恐ろしいものを見る目で俺(齢5歳前)を見ていたが俺は気にしない。
そこに母が笑いながら話に参加してきた。
「ライドはね。この国の筆頭公爵家のエルハルム家の時期当主だったのよ」
鉄鍋を魔法で浮かせながら、敷き蓋を置いてその上に乗せる。
俺も手伝いとばかしに習慣づいているのも有り木の器と皿を並べていく。
鉄鍋からはトマトをふんだんに使ったミネストローネが湯気をだし、それを起用に魔法で掬い適量をそれぞれの更によそいつつ、黒パンを目の前に2つずつ置いていくのだった。
「ありがとう。リカルド」と母さんにお礼を言われて数秒、俺は素で叫ぶように突っ込む。
「母さん! 良く父さんと結婚したね? というか良く結婚できたね!?」
俺は母をディスっているわけではない。
純粋な疑問をぶつけてみると、母はやんわりと言い放つ。
「私は最初結婚する気なんて無かったのよ。どうしてもって言われて、レズであることも言ったのに、それはもう熱烈的に迫ってきて、何度も魔法で撃退したのにそれでも諦めないから、まあ、そこまで好きっていうなら、という感じでほだされたのよ。
私はたぶんライド以外の男性とは添い遂げようと思わないくらいには好きになっていたのよね。そのときにはきっとね。」
母の簡単な語りに、父は昔を思い出し苦労が見え隠れするが、最後の方は頬を染めて嬉しそうだったのがキモかった。
誰が、男のデレを見たいかっ! しかも親父の!! いらんわっ!!!
それ聞いていた騎士たちは「なっ、なんと・・・無礼な!・・・」とか「・・・・」と呆れたような小声で言っていたが俺は確り聞こえた。
だから、無詠唱で四つの棒状の水を作り騎士達に向け、そこから一瞬で尖った氷の矢を作り睨んどいた。
目が合い彼らは口を閉じる。
母が俺を見咎め、解かっていながらも解からない振りして「何してるの? 食事前に魔法で遊ぶのやめなさい」と怒られたので魔法を解除した。
解除された氷は霧散して空気中に溶けていったのだ。




