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子供の成長

あらすじ変更しました

五歳→三歳


十歳→八歳


筆進まない病に罹った気がする


オルト「せめてキリがいいとこまで書けや」

 

 あれから一年が経ち、三歳になった。


 体は更に大きくなり、走り回っても問題ないくらいに成長し、魔力総量も相当上がったと思う。


 時刻は早朝。私は今、現在進行形で庭を疾走している。体力作りの一環だな。


 全速力で一定のペースで走り、限界が近づいたらジョギングペースに落とす。適当なタイミングで全速力に戻す事を繰り返す。疲れたら休憩を入れつつな。



 こうやって走っていると必ずと言っていいくらいに誰かが乱入してくる。


「おーい、おはよう!オルトちゃん、また今日も走ってるんだな」


「体力作りのとれーにんぐ?でしたっけ。頑張ってますね」


 本日の乱入者様はガイア君とサルフ君らしい。挨拶を返しつつ通り過ぎると二人は私と並走するようにして走り出した。



 基本的にランニング中は無言のため、今のうちにこの一年の事を振り返っておこうかな。



 魔法の事についてだが、書斎を漁っていたら新しく「中級魔法教本」を発見した。そして、なかなか興味深い魔法を見つけた。


 それが「ブースト」と呼ばれる魔法だ。


 魔力で全身を包んで身体を強化する魔法なのだが、いかんせん消費魔力が多すぎる。さらに強化も細かい調整が効かないというね。


 上手く使いこなせればいいんだが……まあ検討しよう。



 初級教本は第一階位〜第三階位魔法が掲載されており、中級教本には第四階位〜第五階位魔法に加えてブーストのような魔法が点々と掲載されていた。



 ……まあ載っていたはいいがこの一年では初級教本の魔法の一部とブーストの習得しか出来なかったんだけどね。やっぱり書斎で出来る魔法も限られているわけだし。


 ……このペースが早いか遅いかもわかんないのはなんか嫌だわ。


 教会の決まりで子供が魔法を教わり始めるのが六歳かららしいので目立った事が出来ないのが辛い。



 魔法については現状維持が限界かな、魔力、体力は少しずつ増え続けてるけど。







 さて、去年から接している子供たち四人だが変わらず成長している。良いところも悪いところも含めてな。


 出会った当初はおしゃべりが主な感じだったが、今は体を動かす遊びをしている。追いかけっこから始まって色々な遊びに発展していった。


 いや、子供の発想力って凄いわ。私にはついていけない気がしたよ。



「ちょ……オルト、ちゃん………速すぎだって……」



 あら、考えている間に二人共ダウンしちゃったよ。


 私の体力がおかしいのか、二人の体力が少ないのか、まあ前者だろうね。


 ガイア君はギリギリついてきたけどサルフ君はだいぶ前に潰れていたっぽいし。


「大丈夫?」


「ったりまえだろ!まだまだ余裕だし!」


 ……その言葉がよく出てきたな。今に膝に手をついてぜえぜえ言ってんじゃんか。


「余裕なのはいいことね。あ、私はこれで終わるよ」


 そういえば今日のノルマは終わっていた。乱入者様が丁度限界になった辺りでね。


 ふふん、私はそこまで計算していたのさ!


 ……何言ってんだろう。私よ。




 整理体操に入りながら適当に視線を動かすと、後ろでダウンしていたサルフ君がやってきた。



 その隣には、サルフ君と変わってガイア君がダウンしてしまっている。


 ……おいおいガイア君、余裕はどこにいったんだ。


「はあっ……はあっ……や、やっと追いついた。オルトちゃんはなんでそんなに走れるんだい?」


「ええっと、そうですね。私はずっと続けているからっていうのと、やっぱり自分のペースでやっているからですかね」


「……そんな物なのかな?」


 そんなもんだよ、多分。





 さて、ノルマも終えたことだし、適当に体の手入れでもしますか。




 二人を置いて少し離れた井戸に移動する。


 一苦労して出した井戸水を前にすると、私の新しい顔が映っている。


 今思えばじっくりと自分の顔なんて見ていないな、なんて思いつつ、水面に写った自分を見る。


 髪は腰辺りまで伸びた黒色、目付きは少し鋭い感じ。可愛い、というよりかはクールな顔つきだ。


 周りの人の顔と見比べてみてもそこまで大きな違和感もない。少なくともハズレではないし、美少女という訳でもない。個人的には気に入っているがな。


 あと、なんとなくでカチューシャ編み込みをしてみたらシスターに絶賛され、気がつけばそれがデフォルトになっていた。いや、いいんだけどね。



 とまあ、それが「オルト」という私だ。確かに前世とは違う性別、違う世界でもなんとかやっている。










 私は確かにそう思っていた。


 だが、「前世の自分」という運命はそう簡単に切り離せる物ではなかったらしい事を後に知ることとなる。












 体の手入れを済ませたので、置いてきた二人のもとに帰るとアクラ君とグラン君が合流していた。


 私の姿を見つけたサルフ君が声を出した。


「あれ、オルトちゃんどこ行っていたの?勝手にどこかに行っちゃったから焦ったよ」


「ごめんなさい、汗の始末をしていました。ところで皆さん集まってますけど……あれ?遊ぶ感じじゃないですよね?」


 四人の格好を見るといつも遊んでいるような服装でなく、皆大きめの鞄を肩から下げていた。


「あの……ガイアお兄ちゃんがね……皆で町に行ってみようって……」


 町……?私は教会から出たことないからわからんな。


「……考えてる事が顔に出てますよ、オルトちゃん。この教会から少し離れたところに街があるんですよ」



 ぐっ……考えてを読まれているとは……アクラ君やるな。


 エルフだから、とは思わないけどやっぱりアクラ君はインテリ系か。前世で結構インテリ系の同僚に色々と言われたから苦手なんだよね、そういうタイプ。



 そうそう、実はこの一年の間でアクラ君とはよく話していた。主に書斎でね。色々と教えて欲しいと言っていて、言葉から文字と教えていったら、ほかの三歳児と比べて知識旺盛な子になっていったよ。


 ……そのおかげで苦手なタイプになったのは言うまでもない。


「ところで、私達五人で行くんですか?」


 その言葉に反応したのはガイア君で、彼はとてもいい笑顔をしながら言い放った。


「当たり前だろ!」


 そして、ガイア君に続いてサルフ君が言葉を続けた。


「僕達は今年から魔法の授業や宗教教育が始まるので今までと同じに遊べなくなるんです」


「だから俺達で思い出作ろうって作戦なんだ。最後の自由に遊べる時間かもしれないからな!」



 子供たちだけで町か。治安面がすごく心配なんだけど大丈夫なのか?


 ……まあ、折角この子達が考えて出した結論なのだし乗ってあげるのも悪くは無いかもな。


「わかりました。それで、今から向かうのですよね」


「うん……お昼までには帰るって……お兄ちゃんが……」


「シスターさんを心配させないためにな。……考えたのはアクラ君だけど」


 昼まで、か。となるとまだ結構時間はあるとは言えない時間だよな……だったらさっさと行くべきだろ。



「わかりました。時間もないことですし早く行きましょう」


 そう言って教会の出口へ歩き出した。


「オルトちゃん、そっちは出口と逆方向ですよ!」


「それに皆のリーダーは俺だし!皆俺の指示に従って!」


 し、締まらねえ……










次回から主人公インフレが始まります(恐らく)



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