我が儘
オルト「話が進まないんですがそれは……」
厄災少女「タイトル詐欺……ですかね。早く名前下さいよ」
筆進まない病気なんです!許してくだs(自主規制)
体感で歩いて二十分ぐらいだろうか。休憩を挟みながら歩いていき町までたどり着いた。
どうやら教会は町外れの丘に建っているようで、かなり下り坂が続いていた。おかげで結構体力使ったな。
「やっと町に着いたね……すごい遠かった気がするよ」
サルフ君の言葉にアクラ君が続ける。
「……同感です。少し休憩を「町に来れた!よし、グラン!色々回ってみよう!」入れましょうって思うんですが……」
アクラ君の提案を打ち消すようにガイア君がグラン君の腕を引っ張りながら走り去っていった。
「ちょっと、ガイア君!皆で行動しないと危ないよ!」
とりあえず呼びかけてはみるが……止まらないな。
「……仕方がないです。追いかけましょう」
サルフ君の言葉に私とアクラ君は小さく頷きつつ、ガイア君とグラン君を追いかけるのであった。
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ホーラン
主要国から少し離れた位置にある町。
同じような町と比べて交通量が多いため、物流の回りが良く発展していると言える。
この町の特徴は近くの丘に建っている教会だろう。
教会の鐘の音が町中に響き渡るのはとても美しい。
「スピルス世界旅行記」より引用
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さて、走り去るガイア君を確保して、ふらふらになってしまっていたグラン君を背負いながら(何故か私が背負う役になった)やってきました町の中心部!
中央から十字に道が広がっており、どの道も交通量が多い。三歳からの視点だと尚更だ。
道には屋台が点々と開いていて活気があり、様々な料理の香りが風に乗って届く。
さてさて、そんな光景を初めてみた少年達はどんな反応をしたかというと……
「……凄いです。いつもとは段違いに人がいっぱいいます」
「うん。凄いとしか言葉が見つからないよ。国に行ったらもっともっと人がいるらしいし」
「うおーー!やっぱすげー!なあなあグラン!あれなんて料理かな、旨そう!」
「……お兄ちゃん……落ち着いて。勝手に行くのはダメ……」
上からアクラ君、サルフ君、ガイア君、グラン君のコメントでした。
でもやっぱり異世界でも町の雰囲気は大きく変わらないんだな。少し安心した。
と、初めて来る町の観察をしていると、ガイア君から声がかかった。
「なあ、オルトちゃん」
「はい、なんでしょうか?」
なんかやけに力を入れながら話しかけられたけど……
「あの屋台にあるやつが食べてみたいんだけどさ」
そう言ってガイア君は屋台に指を指す。その先には焼き鳥に似た料理が網の上で焼かれていた。
「……あれ、貰ってきてくれない?」
「…………は?」
「いや、だってさ、あんなに沢山焼いても一人で食べられるわけないじゃん」
「……あれは売り物ですよ。お金が無いと貰えません」
「お金……て何?」
え、町に行きたいって言い出した子が金銭的な事を知らないのか。教会でまだ教わってないからだろうけど。
でもここで窃盗紛いの事をやってほしくはないわけなので、一度全員に確認したところ、多少勉強していたアクラ君を除いた三人はお金について知らなかったよう。
危ねえ……確認って大事だわ。
少し時間を使って「お金による売買」を解説した。ある程度話を進めているとガイア君が声を上げた。
「じゃあお金が無いと何も買えないっとこと?」
「そういう事になります」
「誰がお金、持っていませんか?」
サルフ君の呼びかけに応じる人はいない。誰も持っている者はいないという事だ。まあ六歳、三歳児に小遣いを持たせるって普通ないからね。
「お金が無いとすると何もできませんよね……どうしましょうか、帰ります?」
アクラ君の提案は妥当だろう。変に時間を潰す事よりは。
まあ、そんな考えをうちのリーダーは一人否定するようで
「折角町に来たのに何もしないで帰るなんて嫌だ!そうだ、ここで鬼ごっこをしようよ!」
……は?いやいや、待て。子供だけで町の中で鬼ごっこなんて誰がどこ行くかわからないだろう。それにこの町の治安も「非常に良い」なんて言いきれない訳だし。なにかあってからでは困る。
その考えは他の子供たちも同じのようで、口々にガイア君んの要望を却下した。
「お兄ちゃん……それはダメだよ……」
「そうです。またいつか町には来れますし、今度にしようよ」
「むむむ…………」
もう一押しかな?あとは上手く行動で持っていけばいけるかな。
「帰りましょう、ガイア君。また今度です」
そう言って私は彼の服の裾を引っ張ろうとしたのだが、ガイア君は唐突に前方に走り出したために私の手は空を切った。
「えっ……?」
つい、そんな声を出してしまった私を尻目にガイア君は大声でこう言い放った。
「皆!リーダーは俺だぞ!俺が逃げでお前達は鬼だ!捕まえてみろー!」
そう言って彼は走り去った。
……うっそだろ。
暫くの間唖然としていた私達だったが、サルフ君の「皆、追いかけますよ!」と共に、馬鹿リーダーの後を追うのであった。




