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変態の日常的生活  作者: 荒崎 藁
新たなる出発点!
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風呂は裸? それとも水着?

 風呂の準備ができ、更衣室へ行って風呂の様子を見るとみんなのテンションが上がる。

 主に風呂のでかさに対してだが。

「何これ! 風呂じゃなくね!? 温泉じゃん!」

「五人入っても余裕で泳げる広さだな!」

 俺と境は風呂、いや温泉を見て落ち着きを保つなんて不可能だった。

 といっても湯が湧き出ているわけではないので、本物の温泉ではない。

「よし志多野! 早速水泳で勝負だ!」

「当たり前だ!」

「二人ともちゃんと着替えなさい。制服のまま入らないでよ」

 俺の母さんみたいなこと言うなよ……。

まあ、たしかに制服のまま風呂入るのはおかしいか。

 でも着替えるってどういうことだ? 風呂は裸だろう普通。

「着替えるってなんだよ。風呂は裸で入るもんじゃねえのか?」

 境も俺と同じ考えだったようだ。

「水着よ。志多野とあたしだけだったらいいけど、阿部と田仲がいるじゃない」

 田仲は性別不明だから何とも言えんが、阿部がいるからか……あれでも一応女だもんな一応。

「私は全然いいよ。むしろ裸の方が!」

「部屋から水着持ってこようぜ志多野」

「だな。行くぞ」

 阿部の言葉をかき消すように俺たちはわざとらしく大きい声でそう言った。

「くそ! 部屋まで遠い!」

「玄関に一番近い部屋なんて選んだの誰だよ!」

「お前だわ!」

 長い廊下を二人で愚痴りながら走る。

ようやく自室にたどり着き、夏物と書かれたダンボールを開く。

「水着あったかー?」

「大丈夫だ。よし!」

 水着とゴーグルを持って、また長い廊下を走った。

「みんなもう入ってんじゃん」

「はええな……でもこれは運がいいぞ」

脱ぎ散らかされた制服やキレイにたたまれた制服が置いてあるだけだ。

 もしかしたらこれで田仲の性別が判るかもしれない。結局田仲も一緒に入ることになったことで、また振り出しに戻ってしまったからな。

「ああ、運がいい。スーパーウルトラグレート超不本意だけど」

 どこかで聞いたことのあるフレーズだなそれ。

境も気付いているなら話は早い。

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