水陸両用の名将:戚継光⑭
〇【軍律破りの息子と、鬼嫁王氏の鉄壁コンビ!】
隆慶元年、戚継光は四十歳になっていた。だが、彼の頭は今日も重く抱えられている。それもそのはず、息子の戚嘉会がまたしても軍律を破ったからだ。
「またかよ、嘉会……」戚継光は呆れた顔でため息をついた。彼の部下である童元鎮がすまなそうに報告した。
「将軍、今回こそは軍から追放しかありますまい。かなりの重罪です」
「追放か……」その言葉は重く、心にのしかかる。
話の内容はこうだ。戚嘉会は夜中に無断外出し、酒に酔って暴れた。軍律違反は確実だった。
「甘やかしてはいけませんよ。」童元鎮が諭すように言った。
「わかっている……だが、嘉会は我が息子だ」戚継光は苦渋の決断を下した。
その夜、家に戻ると、正妻の王氏が待ち構えていた。彼女の目は鬼嫁らしく鋭い。
「聞いたわよ、嘉会が軍律違反を犯したって?」
「そうだ。軍の規律は絶対だ。嘉会を厳罰に処した」戚継光は説明した。
「ふざけないでよ!私の大切な息子にそんなひどいことをするなんて!」
王氏は声を荒げた。
「だが、軍律違反は許されない。父としても軍人としても、厳格であるべきだ」
「だからこそ、あんたに誓ってもらう。生涯、妾なんて持たないって!」
「えっ……そんなことを約束しろと?」
「そうよ!あんたの甘いところが嘉会をダメにするの。だから私が見張るの!」
王氏の鉄壁な迫りに、戚継光は渋々(しぶしぶ)と誓った。
「わかった、生涯妾は持たない」
「それでいいのよ!」王氏は満足そうに頷いた。
その時、戚嘉会が不満そうな顔で現れた。
「父上、俺は軍人に向いていなかったんだ。訓練ばかりの生活なんて楽しくない」
「それが軍人というものだ……あほうめ」戚継光は複雑な気持ちで息子を見つめた。
こうして戚継光は、軍でも家でも、鬼嫁王氏に振り回されながらも、軍律と家族のバランスを取り続ける日々(ひび)を送るのだった。
「はあ……俺の戦は、まだまだ家でも続いているのか……」
そうつぶやきながら、戚継光の頭はまた新たな悩みでいっぱいになるのだった。
〇【北方の猛者たちが来る!戚継光軍団、辺境を守れ!】
隆慶三年、戚継光は四十一歳。北の方、モンゴル系の遊牧民族、そう、アルタン・ハーンが率いる猛き騎馬隊が辺境に迫っているという情報が入ってきた。
「こりゃ大変だぞ!」と、戚継光は自分の剣をカチャリと鳴らしながら言った。
「アルタン・ハーン? あの荒々しい騎馬民族のリーダーか。やっぱり来たか!」と、部下の薛綱が嬉しそうに笑う。
「ていうか、そんなに簡単に敵が来るなら、我々だって準備しておかなきゃでしょ!」と、劉顯は眉間にシワを寄せながら細かい準備リストを持ってきた。
「劉顯、お前、また細かすぎて疲れるのよ!」と、林悦が甲高い声で叫ぶ。「なんであたしがこんなに準備しなきゃいけないの? ホントにツラいわ〜!」
「林悦、うるさいぞ!準備は命を守るんだぞ!」と劉顯が必死に反論。
一方、薛綱はふいに大笑い。「ははは! お前らのやり取りを見てると、まるでコントだな!」
戚継光は苦笑いしながらも、「まあまあ、笑ってる場合じゃないぞ。敵は容赦しないからな!」
そこで、戚継光は指揮を取り、辺境に新しい守備隊を配置し、壁を強固にした。
「劉顯、あの新兵の動きをちゃんとチェックしろよ。お前の細かい失敗はもう勘弁だ」
「はいはい、わかってますよ!今度は絶対ミスしませんから!」と劉顯は少しビクビクしながら答えた。
「林悦、準備係は任せたわよ! なんなら華麗に踊りながら見張ってあげるわ!」
「頼むわよ〜」と戚継光が目を細めると、林悦は得意げにくねくね踊り出した。
「何その踊り!まるでパーティーじゃないか!」と薛綱が爆笑。
その後、ついにアルタン・ハーンの騎馬隊が襲撃を開始した。砂塵が舞い、馬のいななきが響く。
「よし、みんな!準備はいいな!ここで負けたら笑われるぞ!」
「はいはい!」部下たちは元気よく返事をした。
戦は激しく、しかし戚継光とその部隊は持ち前の団結力で見事に守り切った。
戦が終わり、疲れ果てた林悦が一言。
「はぁ〜、踊りながらの警備は体力使うわ〜!」
「だから言っただろ!お前の準備は細かすぎて、逆に疲れるんだよ!」と劉顯が怒りながらも笑っていた。
「まあまあ、俺たちもよく頑張った。次はもっと楽に守れるようにしような」
戚継光は、相変わらず賑やかな部下たちに囲まれながら、にっこり笑った。
「これが俺の軍隊だ!いざという時には全員が最高のチームプレイを見せてくれるんだよ!」
こうして、戚継光とその部下たちは、北方の猛者相手に、笑いと汗を交ぜて辺境を守り続けたのだった。
〇【戚継光の北方モテ期!? 二人の側室と隠し子騒動!】
隆慶四年、戚継光は四十二歳。ついに北方の地で、まさかのモテ期到来!?
そう、彼には二人の側室ができてしまったのだ。これがまた、全然タイプの違う二人で……。
側室一人目は、まるで子猫のように甘えん坊なおねだり系、名前は秘密……いや、名前は省略させてくれ。とにかく「おじさま〜、もっとかまってよ〜」とばかりに戚継光の周りをウロウロしている。
側室二人目はツンデレ系。普段は「別にあんたのことなんて興味ないんだからね!」と言いながらも、時々見せる照れ隠しが激カワの女性だ。
そんな二人と、戚継光は密かに関係を持ち、それぞれに隠し子が一人ずつできてしまったというから、もう大変だ。
「継光さん、北方でも大人気ですね!」と部下の誰かが冗談を言うと、本人は汗をかきながらもニヤリ。
「いや、こういうのは軍の士気に関わるから、ちゃんと隠しているんだよ」と苦笑いを隠せない。
ある日のこと。甘えん坊側室が戚継光に向かってこう言った。
「おじさま〜、お腹すいたよ〜。あたしのこと、もうちょっと構ってよね〜?」
戚継光は「またかよ……」と苦笑しながらも、彼女の無邪気な笑顔に負けてしまう。
一方、ツンデレ側室はと言うと、
「べ、別にあなたのことなんてどうでもいいんだからね!ただ、この子だけはあんたの血を引いてるってだけよ!」とプイッとそっぽを向く。
しかし、その表情の裏では、実はすごく心配しているのだ。彼女の照れ隠しは、戚継光にしか分からない。
そんな二人の間で、隠し子が育ちつつあった。
甘えん坊側室の子は父親似で、ふわふわの髪と甘えん坊の性格を受け継いでいる。
ツンデレ側室の子は目つきが鋭く、どこかクールな雰囲気を漂わせている。
戚継光はそんな子どもたちを見て、「こりゃ将来、うちの一家も面白くなるな」とひそかに思っていた。
しかし、正妻の王氏にはバレないようにしないと……。
「まったく、あの鬼嫁には頭が上がらんよ」と、戚継光は苦笑い。
そんな騒動の中、ある日、甘えん坊側室が戚継光の前で突然大泣き。
「どうした?」と戚継光が心配そうに尋ねると、
「だって、おじさまばっかりツンデレの方にかまうのよ〜!」と泣きじゃくる。
一方、ツンデレ側室は、「あいつ、あんたのこと占領しすぎじゃないの!」と嫉妬を燃やす。
戚継光は「もう、どっちも甘えすぎだ!」と頭を抱えた。
そうこうするうちに、二人の隠し子たちもすくすく成長していく。
そして戚継光は、いつの日か二人の子どもたちが北方を守る立派な武将になることを密かに夢見ていたのだった。
「まあ、俺の子どもだ。間違いなくやんちゃで面白いやつになるさ!」
こうして、戚継光の北方モテ期は、笑いと波乱に満ちた毎日となったのである。




