4-11 各々の思惑
場所は竜人族の里を超えた先にある近辺の海だった。そこには二頭の竜がいた。
一体は竜と言うにはあまりにクラゲに近いようだが見てくれは竜のそれで、もう一方はどこかキメラに近いような姿をした水竜王だった。
「もしかしてここに来たってことは?」
「...ここで殺しておかないとマズそうですか?」
「挑発に私は乗らないよ」
そう言うと一瞬で距離を詰めた海王竜は水竜王に対して尻尾を刃に変えるとすぐに海から幾つもの爆発が起こる。
「流石、師匠ですね。長年海王竜をやってるだけありますね」
「何が目的?あ、もしかして「黙れ」」
「とにかく師匠今日はあなたを殺しに来ました。弟さんのことで苛立ってるかもしれないですけど、私も怒ってるんでー」
この女、前にも増して水竜王の力を手に入れて、さらに巫女の力で神獣と同等かそれ以上の力を。
長い尻尾を振り回すと、その瞬間身体にかかっていた水が一気にまるで弾丸のように私の硬い水膜を破る。すぐに修復して覚醒した力で自動で追撃する魔法が向かう。
「相変わらず、チートですよね。神獣様たちって!!」
「天才に言われても嬉しくないわよ」
「でも、私だって魔神様から力もらったんでー」
魔神って、いや、今はいい。とにかくこのバカ弟子を片付けないと、あのバカが暴走する前に。怒りは抑えなさい、私、私は女にモテることが取り柄なの。
こんなバカ弟子1人に構ってられないわ、今でも私の帰りを待っている嫁がいるのだから。早くこんなのを片付けて早く行くわよ。
「真水魔法・双海王竜の咆哮!!」
「裏水魔法・水竜王の咆哮!!」
お互いの魔法がぶつかり合うと、少しだけ空間に亀裂が入るような音が聞こえた。少し経つと空間の割れ目が元に戻ると、私は短期戦を選択した。
「天鏡、水鏡」
「冥鏡、獄鏡」
するとお互いは神器を取り出すとそれをお互いにぶつけ合う。そしてそのまま接近するとお互いの尻尾がぶつかり合うと数メートルの津波が発生し、辺りの魔物すら危険を感じて避けて行く。
「真水魔法・生命の槍」
「獄鏡!!」
アルメラが放った攻撃は海から大量の槍が形成されると、途端に海流の流れが変わり、海が止まる。そして、瞬間的に現れたのは千を超える槍だった。
それが一気に落とされると、ついぞ少女は逃げ出した。
「これが神獣の覚醒した力ですか!一本一本だけで現代の魔術士が一生に一回使える威力ですよ!!」
「...」
アルメラはすぐに二体の竜により、尻尾を回転させると、それが渦となって上空に海流の竜巻が起こる。それに翼を取られた少女は水に全身をまるで転がされるように回転を続ける。
「死になさい、ゲスめ」
「獄鏡」
水の魔法が歪な鏡に反射させられるとそのままアルメラに直撃するかのように思われると次の瞬間に水の形を保っていた物を解放すると水と同化して、海自体を操りそのまま海の中に引きづり込む。
「やっぱりそうですよね!他の兄弟さんたちと比べてもやっぱりあなたが一番火力が足りない」
「...黙れ」
アルメラはそう言うと、水竜王の力を使おうとすると一部しか凍り付かず、そのまま逆流に飲み込まれてしまう。
「大体ね、水の神獣相手に氷でも効くと思った?」
「...師匠、助けてくださいよー」
「あなたは危険、ここで、」
『アルメラ様!里で、邪竜たちが暴れ回ってます!至急応援を!!』
「何?」
どう言うこと?邪竜がどうして、守の結界がある内はこっちの世界に来れないはずじゃ。いや、このタイミングと、あの謎の魔力反応から考えられることは。
「あれ?師匠分かっちゃいました?」
「黙れ」
怒りのまま水流で酸素を奪い取って行くと、そのまま水竜王の身体が海に沈んで行くのを見るとすぐに私は動こうとすると何故か次の瞬間に私の身体は宙に投げ出されていた。
「あれれ?神獣なんですよねーしーしょーうー」
「...魔神から力をもらった割にはかなり強化されてると思うんだけど」
「そうなんですよ!水竜王の意識と魂を完全に擦り潰して、その後自分の精神体と魂の量を増やして、魔神からと水竜王自体の力を扱えるようになったんですよ!」
ドクンと心臓から音が鳴ると私は完全に今までの姿から一変するとすぐに形態を帰る。全身を水の槍で尖らせた球場に変化させた自分と水を媒介にして全身に魔力を通す。
『真水魔法・グアランテ』
一つの槍のようになりそのまま水竜王の身体を突き破ると大量の紫色の血が大量に流れ出すと、次第に何かが溢れ出して来る。
「ししょうーやっちゃったじゃん。せっかく集めた魂がー!!」
「...ここで倒さないといけないようね」
「...ッチ、ここまでか」
そう言うとアルメラは神器で首を刎ねようとした瞬間だった。突然現れた門によりあっという間に何かに吸い込まれそうになっていた。
「は?まだ私の大好きなレイリーの死に顔見てないんですけど?用済みだから死ね?ふざけるな!!私は死なない!!糞魔神め!!絶対呪ってやる!!」
「哀れね、アネマ」
「その哀れみの目をやめろ!年増!婆ァァァ!!お前の目を引きちぎってそれ以上何も好きな女すら見えないようにしてやろうか!!」
そんなこと幾らやられたか分からないわよ。少なくとも内のバカ弟がね!!
そう言うと、水魔法である一定の領域に到達した物だけが使える、特定の属性における次空間効果が現れるとそのまま捩じ切られるように少女は息を引き取った。
「...魔神、今回は一体何体来るの?」
「...バカ弟に会いに行かないと」
『...ちょっと!姉さん!助けて!!』
この声はと思いながら海を見ていると、どうやら復活したての三男がそこにはいた。名前は烈火で、姿は黄色い雷を身に纏い、更に黒い雷を纏っている巨大な狼がそこにいた。
「烈火!」
『復活したてでこれは酷くない?』
弟を慌てて水魔法で宙に浮かせるとそのままブンブンと白と黒の毛並みをフンフンと左右に振ると、それが身体に当たると一瞬でバチっと来ると激痛が走る。
「痛い!!ちょっと!」
「ごめんよ、姉ちゃん、あれ?ジュナは?」
「あんたが起きてるなら起きてるでしょうよ。早く行かないとキレられるわよ100年ぐらい」
「それは参ったね、空兄さんに僕がキレないといけなくなる」
そう言いながら2人で移動をしながら整理を始める。空以外の現存する神獣が全員復活して覚醒を果たしたこと。それによって意図的に封印されていたことについて。
絶対あのバカ弟を見つけてぶん殴ってあげたいけどそれよりもまずすぐに竜人の里に行かないと、レイリーたちが危ない。
最悪、エヒナが覚醒できればだけど、まだ神獣化も出来てない状況であれとやり合うのは避けさせたい。
「それで姉さん、兄さんが言ってたことを伝えるね」
「何?」
「ティア、アイラス、ティアレイを連れて未開拓領域のエルフの里を目指せだって」
「どう言うこと?」
「ごめん、これ以上は言えない。だけど、これが成功しないと兄さんの長い長い長すぎる計画が破綻してしまう」
どう言うこと?と聞き返そうとするも、烈火の険しい顔を見ながら未だに封印されている記憶を見ていた。
***
これは、2◾️◾️◾️年の時のまだ、私たちが、◾️◾️だった時の記憶?
視界に映るのは圧倒言う間に飲み尽くす海水で、それに私は確か、私には血の繋がりがあった妹がいたはず。それで確か妹がその時に最初に飲み込まれて。
その時頭にバチんっと音が鳴るとその瞬間に私は水の中にいて人ではなくなっていた。明らかに違う骨格、ましてや骨という感じでもないそしてあの全能感。
ああ、頭が、妹が目の前にいるのに、...ああ、オイシソウ、っは!?、違うあれは妹私の大事な妹!私は一体どうなって、いやそもそも、私って誰だ?
それから意識がはっきりしなくなると目の前にいた少女の異形へ取り込まれてしまった。そして、周りを見返すと下には海があり、建物の崩壊した後や流れて行く、人や魔物。
それに疑問を次第に抱いていかなくなると私の意識は闇の中に落ちる。
***
...あ、そうだ、私はあの後、意識が芽生えた時には、あれが上手く作動して、だけど、私はあの子を。いや、今はそんなことはいい。
「烈火、あなた記憶は全部戻ってるの?」
「もちろん、だけどこんな計画は聞いてない。守兄さんにも話を聞きに行かないと行けない」
それから私と烈火は2人で、交互に次元を裂きながら、分身体を竜人族の里に放つとレイリーたちの応援に向かわせる。
「それと伝言、光も闇も起きたって」
「!?でもあの時完全に」
「...2人は元気だよ」
それを聞くと私は安堵する。そして2人で今までの記憶封印に関して聞いたり、今回の計画について聞いていた。
計画なんて私は一度も聞いていない。いや、でもひょっとしたらまだ封印されている記憶があるかもしれない。
今はまた記憶を封印しているけど必要な情報は全て、自分の核に読み取らせているからまだ時間はかかる。
***
「さてと、悪いですがここからはただの鏖殺です」
「全員覚醒なさい」
そう言うと黒い影から現れたのは魔道王が作り出した最強の魔法具達だった。人の形をしながら世界を帰る能力を1人1人が持っていると言う。
「今からルリア様とヨル様、それとエヒナ様の手伝います」
「了解ですけど、あれぐらい余裕じゃないの?
「今の竜人はまだ幼いんですから。助けないと我らが王のために」
そう言うと全員は姿を変えると、とある人物達の元を目指す。
こうして、長い長い計画はかなり進みつつあった。
すいませんでした。誠に申し訳ないですが、次回の投稿も時間がかかると思います。
今まで見てれていた人も新しく見つけてくれた人に感謝申し上げます。




