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国内テロ(4)







「沖縄ぁぁぁぁぁ!!エメラルド☆グリィィィィン!!!」


そう!!綺麗なエメラルド☆グリーンの海!!私には敵わないが美しい!!


ちょいちょい


ラムが私に軽く体当たりするように肩を叩いてくる。


「文太ぁ。後ろの状況を見てなんでそんなに楽観的でいられるんだ…」


後ろ?

私メリー。今あなたのうしろに


「うわぁぁぁぁぁ!?!?」


「おおおおっ!?!?」


思わずびっくりして思いっきり後ろを見る。

目の前にはただ人間同士が争っている図。なんでもないな。よかったー…


「なんだよいきなり…」


「ごめんよ。自分の想像にびっくりしてた…なんにもなくて、よかったぁぁぁ」


「いやいや!文太!!目の前!!暴力事件が!!」


ラムがツッコミ役をしている。

さすがはラム。


「なんで笑ってるんだよ…早く行こうぜぇー?」


「そうだね。ごめんよちょっとからかいすぎたよ」


全く…というラムの後について歩く。


「っ!文太!来るぞ!」


間もなく周囲の景色が変わり結界が張られる。

目の前にはエメラルドグリーンの霊体。

ってエメラルドグリーン!?


「おいお前!いくら沖縄の海が綺麗だからってその色は無いだろ!?」


思わず私がツッコミをいれてしまう。

大阪行った影響なのか…?


「何を言ってるんだ貴様は…」


コイツまでツッコミか…


「貴様…やるな…!」


「我まだなにもしていないんだが…」


なぜか哀れむように見られる。


「とりあえず私の説明しますね。以下略です。ご理解頂けました?」


「いや分かるわけ無かろう。なんだ以下略とは。なにを省略したのだ」


「それぐらい分かってくださいよ…」


「できるわけ無かろうが!」


めんどくさい霊体のようだな…


(つまりはあなたの前にいるのは神走文太16♂契約者なのです)


「なんだ今の声は!?」


霊体さんも驚いてるな…


「(作者です)よ」


被った!!


(あぁ、後世界一の変態です)


変な説明加えるなよ!!


(それじゃ、失礼しますね)


なんてやつだ…変なメタネタは滑ってつまらなくなるんだぞ。


「まぁそういう訳なんです。サクッとやらせてもらいますね」


早速ラムに掌打を当て飛ばす。

挨拶は多少ふざけてはいたが戦いには集中する。

前回はくしくも逃げられてしまった。

絶対。絶対に勝利する。

油断はしない。


「ほう」


やっと契約者、と納得したのか霊体はすぐさま行動を起こした。

霊力を使用して壁を作りこんだ。

飛ばしたラムの力で壁が消えるがラムの力も消える。


「バリア…か」


再びラムを掌打で飛ばす。

またも壁。

飛ばす。

壁。


「文太。このままじゃあの壁は壊せないぞ。もっと気を込めるんだ」


「あぁ」


気を込める。つまりは精神力の問題だ。

イメージ。あの壁を破壊するほどの気を入れ込むイメージを。


「文太!危ないぞ!!」


「っ!?」


ラムの声で戦いに意識が戻る。

霊体は棒状の様にした霊力で私に殴りかかってきた。

左足を蹴り右に飛び込む。


「なんで棒状にしているんだ…?」


「多分あいつは霊力を1箇所に固められるんだ。あんだけ硬い壁を作れるのも霊力を固めているからだろう」


「なるほど…解説ありがとう。ラム」


つまりは1箇所に霊力を固めればその分硬さも上がる。同時に攻撃力も。

防御力も高く攻撃力も強い。どうする。


「文太!来るぞ!」


ラムが言った途端霊体は棒状の霊力をいくつも作り上げ上に放った。


「まずい!ラム!」


雨のように落ちてきそうな棒状の霊力。

ラムを掴み壁を作り上に持ち上げる。


ガチガチガチガチ!


「グッ…!重い…!」


のしかかってくる棒状霊力に押しつぶされそうになる。


「油断したな?」


すぐそばには拳に霊力を溜め込み殴りかかってくる霊体。

気づいた時には遅かった。


「んほぉぉぉおおおお!!ハァハァ」


そのまま殴られ吹き飛ばされる。


「なぜ貴様は笑っているのだ…?」


困惑した様子で見てくる霊体。

正直このまま殴られていてもいいのだがこのまま快楽を与え続けられるのはまずい。推測程度でしかはないがこのままならば自我を保てなくなるだろう。いや保てる自信が無い。


「グッ…!」


なんとか立ち上がる。


「まぁいい。このまま貴様には死んでもらうぞ」


再び飛んでくる棒状霊力。

この時私の頭はゆっくりと時間が流れていく様な感じがした。

上からも横からもくる攻撃を防がなければならない。横からに限ってはどの方向かもわからなければならない。1枚の壁では駄目だ。ならば。


「ラム!」


急いでこっちに近寄ったラムを掴み地面に置く。そのままイメージ。イメージするのはドーム。

ラムに気を注ぐとラムを発生源に周囲に膜が張られる。


ガチガチガチガチ!


再び降り注ぐ棒状霊力。

2つほど膜を破って私に当たり消える。

血が流れる。体にまでもダメージがきているようだ。気持ちがいい。じゃない。痛い。


「死ね」


横を見れば殴りかかろうと飛び込んでくる霊体。

だが霊体は周囲に張られた膜には気づいていなかったようだ。

一瞬だが霊体の動きが遅くなる。


「なっ…!?」


だがその一瞬があれば充分だ。

すぐさまラムに掌打を放つ。

飛んでいくラムの体が霊体に当たり霊体は吹き飛ばされ地面に落ちる。

すぐさまラムの形を口に変えながら霊体の元へと駆け寄る。


「これで終わりですよ」


最後にとびっきりの営業スマイルで言った。

こうして沖縄暴力事件が終わった。


やれやれ、全く。


また私は成長してしまったよ。








「ここが最後かな…」


日本国内の旅行もいよいよ最後だ。

舞台は北海道。


「あぁ。最早霊体の数ももうほとんど残ってない…ところで文太。どうしてこんな寒そうなところで服を脱ぎだしているんだ?」


さっみぃぃぃぃぃ!!!


「人には自分を痛めつけなきゃ行けない時があるんだよ…」


言い訳を言いながらも急いで服を着る。

ドM根性としてはこのような寒さで得られる快楽を求めてしまうのは致し方ないことだろう。

いや私はドMではないが。


「文太、行こうぜ?」


「うん」


ラムの後について歩く。





雪道を歩いていると突然結界が張られる。


「来たか」


目の前には黄色の霊体。


「文太…今回の敵はけっこう強そうだぞ」


「そりゃ参るな…」


「貴様。ブスだな」


いきなりの一声で何か言われる。


「?」


思わず後ろを見る。


「貴様だ貴様!」


「?私ですか…?」


「あぁ。貴様の顔はブスだなと言ったんだ」


は?私がブス?この存在するだけで目の保養になってしまう私が?

私の中の何かが崩されていく。


「すみません。私に言ったんですか?神走文文太16歳この美貌を持ち合わす素敵な男子に?」


「神走文太16歳そのブス顔を持ち合わす最低な貴様に言ったのだ」


…は?


「殺す」


「は?」


「殺す」




結果。

勝ちました。

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