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☆11☆ 幼女好きの前世の記憶

あぁ、何で忘れていたのだろうか?

前世での生活の事を。


あぁ、そうか。


それ程までに俺はつまらなく、無意味な人生を送ってきていたのか………。いや、最期だけは別に無意味ではなかったな。


*・*・*・*・*・*・*・*・*



199×年、俺、真水(しみず) 涼介(りょうすけ)はこの世で、産声(うぶごえ)をあげた。


多少裕福な家庭で育ち、多少は人並み以上の結果を残してきたつもりだ。


まぁ、自分が人並み以上であると信じ込む者は大勢いるだろう。誰だってそう信じたいものだ。


その中の内の哀れな男が、この俺だったのだ。


本当は、ちょうど人並みだったのかもしれないし、人並み以下だったかもしれない。俺の人生の価値というものは。


幼少期(0歳〜5歳)


俺は類稀(たぐいまれ)な才能を持っていた訳でも無く、

ただの平凡な幼児だった。


少年期(6歳〜14歳)


10歳の頃、母の浮気によって、両親が離婚した。


そこから父は働かなくなって、酒に入り浸り、金が尽きれば麻薬の密輸関係や、他の頭を使う裏仕事をやりだした。


頭だけは良かったのだ。俺の父は。心は弱かったのだが。


その他には、とある組織に入ってすぐさま功績(悪行)を重ねて上層部の地位をもぎ取り、老いたお爺さんやお婆さんを対象にした振り込み詐欺までやりだした。それが金を稼ぐには効率が良く、手っ取り早いらしい。年寄りはバカで愚鈍で騙されやすい上に多少は金を持っているから、との事。


俺は幼いながらもその事が許されない事であると薄々理解していたものの、そう言ったら父の機嫌が悪くなったという経験をしたのでその事については以後言及するのはやめにした。


今思い返せば、父は本当に下衆な事をしていたと、心の底から思う。身内であった俺が責任を持って父を殺し、地獄に送っておくべきだったのだ。


父は酒に酔って暴れ出したりは別にしなかったから、俺の身体が傷つく事は無かった。

だが、


”お前はあんなクソみたいな女とは絶対に結婚するなよ。人生後悔するぞ。”


と、口癖のように言われ、言われる度に心に、小さな穴が空いたような心地がしたものだ。


12歳の時、俺は小学校お受験というものを経験した。結果は、3つ受けた学校の中で1つだけ合格した。


進学校とも、バカでも行ける学校だとも言われない、実に微妙な中高一貫の私立学校だった。


その金のかかる私立学校で父の汚れた金を頼りに俺は6年間、自分の家庭事情を隠しながらひっそりと過ごす事となる。


青年期(15〜)


そして、高校時代が終わって1年後、俺は浪人してやっと、とある大学に受かった。


19歳。


俺はこの時、密かに大学の新生活を楽しみにしていた。

勿論一人暮らしの事もだ。


そして、俺はこの頃から高校時代からコツコツと貯めてきた金で自活できるようになった。


父の汚れた金から解放されると思ったら、心がとても清々しかった。


そして、念願の大学生生活が始まった訳だが、友達作りで、初っ(しよっぱな)から失敗してしまう。




という事はなく、一緒に女遊びができる友達を複数作る事が出来た。


それだけで、俺は満足だったのだ。


だが、この平穏な日々はそう長くは続かなかった。


大学生2年生となった春の事だった。


俺の親父が逮捕されて獄中で舌を噛んで自殺したという知らせを聞いたのは。


周りは風の噂で聞いたのか、その事を知ってしまっていた。


そして、友達だった奴らは俺の元から(ことごと)く離れて行った。


何故だろうか?


こういう時、友達というものは俺を励ましたり、勇気付けたりするものでは無いのだろうか?


いや、こんな事を思うのは無理があるな。


恐らく、あいつらは華の大学生活においてこんな、ゴミのような奴の血を引いており、さらにはそいつを亡くして辛気臭くしていた奴を側に置いておきたくは無かったのだろう。


暗い奴をコンパなどに連れて行くと、それだけで色々と面倒臭いものだ。


俺は大学になってから1年間もの間、勘違いをしてしまっていた様だ。



要するに彼奴らは俺の”友達”ではなく、良いとこ、”知り合い”だったのだ。



ただ、悲しかった。俺は本当に一人になってしまったのだ。この事に気づいた時に、俺の心の小さな穴は少しだけ大きさが拡大していった。


失意の中、俺は一人暮らしのアパートで引きこもる事になる。


俺はその頃から今まで見たことの無かった”アニメ”という物や、今までやった事の無かった”ネットゲーム”にハマり出して、


それはもう、今までオタクを心の底ではバカにしていた自分をブチ殺したくなるぐらいハマった。


へぇっ!こんな世界があるんだな!


とかなんとか思ったりして、くだらない毎日が少しだけ、ウキウキする毎日になった。


この時からだっただろうか?俺が幼女好きになったのは……。


そして、俺は気づかぬ間に幸せに堕落して行った。



しかし、またもや自分にとって幸せな日々は続かなかった。とある問題が浮上してきたのだ。


金だ。金なのだ。この件に関してはもうどうしようもない。


やっべぇっ!異世界転生俺もしてぇぇ!死にてぇぇぇ!


やっべぇっ!島○ちゃん大破姿キワでぇぇっ!カワぇぇぇ!死にてぇぇぇ!


東京喰○reの滝○君マジかよっっ!?

死にてぇぇぇ!


てか、そんな事どうでも良いから幼女と付き合いてぇぇぇぇぇっ!!死にてぇぇぇ!


あっ、朝飯食ってからF○14のレベル上げしねぇと。


とか何とか言いながら、

フィギュア、(幼女系)アニメブルーレイ、


後はついでに生活費などで、今までコツコツ貯めてきたお金が全て消えてしまった。


あぁ、ヤバイ。食費は別に無くていいけど、(幼女系)アニメ、後エロゲーに金がかけられなくのはヤバイし、そんな事を言い訳にして、世に蔓延(はびこ)る割れ(われちゅう)に成り下がるのはさらにヤバイ。


そして、ネトゲの1ヶ月プレイ券が買えなくなる状況に(おちい)るのは食費云々(しょくひうんぬん)どころではなく、もはや(うつ)になって死に陥ってしまう。


どうするか?


そうか。働こう。


流石に父の汚れた遺産に手を出す気は更々(さらさら)起きなかった。


それから俺は少しだけは得意分野である勉強をして複数の資格を取得して、それだけを武器にとある会社へ面接を受けに行った。



この選択によって俺の人生が本当の意味で終わってしまうとは夢にも思っていなかった。



「君さぁ、もうさぁ、会社辞めちゃった方が良いんじゃないのぉぉぉ?」


ヤベェ……うぜぇ。


結婚していてホモではないはずなのだが、何故かオカマ口調で喋る痩せた上司に俺は今、説教を受けている。


「うぜぇ、とか言っちゃダメだっていつも言ってるでしょうがっっっっ!!」


ヤベェ……本音口に出してた……


同僚からは白い眼で見られる。


この会社でも俺はぼっちでいるのだ。流石にもう1人でいるのは慣れてしまった。



「ママにろくな教育もされていないようねっ!!」


ママ………か。そういう人が俺の(そば)にいてくれれば多少はもうちょっとマシな人生を送れていたのかもしれない。


まぁ、そんな事を今更思ったって何も変わりやしない。


運命は変えられない。


そうして俺が説教を受けている内に仕事の終業の時間になった。


功利主義な同僚達は、カマ上司に媚びを売りながら


”これから一杯飲みませんか?”


と、誘っている。


勿論俺は呼ばれもしないし、見向きもされない。


だが、そんな俺に何故かいつも絡んでくる物好きが一人いた。


「やっ、涼介♪」


「!、どうも、◆◆◆さん。」


年上の女の人であった事は覚えているが、名前はもう思い出せない。


流石に其処までは”神”も思い出させてくれないらしい。あくまで、現世の概要だけのようだ。現に俺は父と母の名前すらもう思い出せない。


「また今日も派手に怒られてたね?」


彼女はからかう様にニコニコと笑いながら言った。人によれば、バカにされたと感じる人はいるかもしれないが、

俺はそうは感じ無かった。むしろ、その笑顔が素敵だと思った。


「えぇ。またやってしまいました。」


この人だけには素直に接する事が出来た。


俺は、彼女の事が好きだったのだ。




それから約1年後、俺は彼女に、今まで出したことの無いほどの勇気を振り絞って告白した。



彼女はとても困惑していた。


告白の結果は惨敗だった。


住宅街の街灯がやけに彼女の漆黒の髪を照らし出していた。


彼女を見送った俺はただ虚空を眺め、


また勘違いを犯してしまった俺の罰を

再度噛み締めていた。



1年半が経った。俺はまだその小さな会社で働いていた。俺は俺なりに頑張った。だが、報われはしなかった。


「君はクビだ。もう会社には来なくていい。」


その時、カマ上司はクビになってしまっていた。彼奴(あいつ)は彼奴なりに部下を思いやって頑張っていたはずなのだが、


今の上司によって陥れられてクビにされてしまった。


この世の中、非情で(ずる)賢い奴が勝ち上がっていくのだ。


まぁそんな事はどうでもいいんだが。


「はい。すみません。次からは頑張ります。」


俺は上司の椅子の隣で土下座しながら

言った。


「次はな、い、ん、だ、よ、次は。」


そう言いながら上司は俺の頭を靴で踏みつけた。そのままグリグリと踏みつけられる。



今回の失敗はこの上司がやらかした事なのだが。



こいつは俺の事が気に入らないらしい。


「じゃ、もうクビだな。ははっ。」


今回のこの上司がした事は責任重大で、相手会社の機密情報が入った資料を失くしたらしい。


相手の会社の資料を失くしてしまう上司も上司だが、他社に機密情報を気軽に渡す相手会社も相手会社だ。


どちらにも罪があるのではないかと、俺は思った。だが、


罰せられて、クビになるのは俺だけだ。


まぁいいか。そろそろこの会社を去るべき時なのかも知れない。


そう思った時にこの1年以上話していなかった、女の人の声が聞こえてきた。


「係長、流石にそれはやり過ぎなのではないでしょうか?」


「なんだね?君は。」


「流石にやり過ぎではないか。と言っているんです。」


「ハハハッ、面白い事を言うねぇ。君は。こんなゴミを気遣う言葉を吐くなんて。」


「………。はぁ。ホント、ゴミですね。あなたは。」


「……なんだと?」


そう、◆◆◆さんが言うと、さっきまでほくそ笑んでいた上司の顔が、急に真面目な顔になった。


「あはは、そんなに人のゴミゴミ言っているあなた、

実は重度なロリータ・コンプレックス、その上、幼女の盗撮、綿密な計画を練ってから幼女の下着泥棒を繰り返している。この時点で既に性犯罪者ですよね?


幼女が好きな人はこの世にたくさんいらっしゃいますが、あなたは一線を超えてしまっている。


その上にその事が奥さんにバレて、愛想をつかされてしまっている。


しかもそんなゴミのような男が部下に対して、ゴミゴミ言いながらその部下に自分の犯した失敗をなすりつけている。


此処まで哀れな男は居ませんよね?

□□係長?」


前々からこの上司の事を良く思っていなかった同僚達が”良くぞ言ってくれた!”とか思ってそうな顔で此方(こちら)の様子を密かにうかがって居た。皆はこの係長がロリコンな性犯罪者と知っていたのだ。



「なっ、何を根拠にそんなことを言っているんだねっ!?」


今の係長の顔は下痢をしている時の様に真っ青で、完全に余裕を失っている。


ちょうどその時、◆◆さんがポケットから数十枚の紙の様なものを取り出して、それをそのまま宙に投げ上げた。


何かの写真の様だ。


俺は地面に落ちたその内の1つを拾ってみた。


その写真には夜中に係長が幼女の下着だと思われる、くまさんマークが付けられたパンツを盗んでいる所が写し出されている。おぼろげではあるが。


「ほらっ、これが証拠です。」


係長は何も言わなくなった。


「これで、終わり…ですね。係長。あなたはクビどころか刑務所行きです」


そう◆◆さんが係長にトドメをさした瞬間に係長の異変に俺だけが瞬時に気づいた。


「はははははははははははははははははははははっっっ、ははははははっ、

ほんとっ、仕方ない奴らだなぁ、君たちは。これは”リセット”しないとなぁ。」


そう気が狂ったように係長は叫びだして、イカれた様な血走った目で机から、先が光に反射してキラリと光っているものを取り出した。


サバイバルナイフだ。



「レッツ、リセット、タ〜〜イム〜〜っイエァァァ?っははははっ!!」


遂に気が狂ってしまったらしい。


あまりにも唐突な係長の奇行に同僚達は徐々に気づき始めて、叫び声をあげながら出口を目指して逃げていく。


俺と◆◆さんを残して、あいつらは外側から、ドアに鍵をかけた。


あのドアは鍵を閉められたら内側からは開けられなくなるのにも関わらず。


彼らは瞬時の判断で俺と◆◆さんの命よりも、自分達の100%の安全を選んだのだ。


俺は慣れっこだ。人間のそのような醜い部分を見てしまうのは。


こうなってしまうのは仕方がない。運命だったのだ。


「ははっ。可哀想な奴らは君たちの方だろう?同僚達には簡単に見捨てられる。君達の価値はそれまでだった、という訳だ。悲しいねぇ?」


俺は、自分が貶される事はもう慣れっこなので、別にそんな事は気にも留めないが、◆◆さんが貶されるのは耐えられなかった。


「可哀想なのはてめぇの方だろう?このロリコン野郎。」


「!?なっ、なんなんだいっ!!きっ、君はいつもいつも何かと俺をいつも見下してくるっ!!」


普段歯向かった事のない俺にその様な事を言われて面食らった係長は、そう叫びながら俺に斬りかかってきた。


別にお前の事を見下している訳じゃない。


お前があまりにも俺の親父に似ていたから哀れんでいただけだ。


そう思いながら、俺はその攻撃を避ける。


すると、無様に係長は床に滑り落ちる。

デスクの上にあったものが複数床に落ちる。


「クソっ、クソっ!クソがっ!!

こうなったらそこの女だけでもぶっ殺してやるっ!!」


そして、その無様な奴は◆◆さんを襲いにかかった。


◆◆さんなら大丈夫だろう。俺はそう思っていたが、甘かったようだ。


当の◆◆さんは足がガクガクと震えたまま動けないらしい。


このままじゃ危ないっ!!考えるより

先に体が動いていた。


ザクっっ………。嫌な感触が胸辺りに侵食していく。


「涼介ぇっっっっ!!! 」


◆◆の悲痛な叫びがオフィスの中で響き渡る。


俺は為す術もなく、その場に倒れこむ。


「はははははっ!!邪魔者は勝手に消えてくれたようだな。後は、その女を考え得る限り辱めて殺すとしよう。」


そう言ってそのクズはベルトを緩めて、ズボンを脱ぎ始めた。


「いっ、いやっ……、イヤァァァァァァっっ!!」




そんな事をするのは俺が許さない…。


俺は彼女の弱い部分に気がついて居た。


そんな彼女の事が好きだったのだ。


強い振りをして、実は脆い彼女の事が。


俺が守る。



俺は最期の力を振り絞って、あのクズが床に滑り落ちた拍子に、床に落ちたカッターでクズ野郎の首を切り裂いた。辺りに一面に血が噴き出す。


「あぁぁぁぁぁぁっっっ、………あぁ。」


クズは事切れた様だ。パンツ姿で死にやがった。ざまぁみやがれ………。


此方(こちら)に駆け寄ってくる足音がする。

◆◆さんだろうか?


「あっ、あなたに怖くてまだ言えてなかった事があるのっっ!!本当は私っ!!貴方の事がっっ!!」


何か必死に叫んでるな……


でも良かった。無事だったんだな……。


最期に人を守れて、本当に良かった。


俺は薄れゆく意識の中


初めて俺は自分の人生に価値を感じた。


*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・














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