表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/61

尋問1

こめかみに突きつけられた銃の感触が、レイの意識を研ぎ澄ませる。

少しでも動けば撃たれる。

それだけは、直感で理解できた。

(冷静になれ……。)

ここで無駄に抵抗すれば、命はない。

まずは情報を整理し、相手の意図を探るべきだ。


「名前は?」

静かだが、はっきりとした口調。

低く抑えられてはいるが、鋭く、冷たい響き。

「……レイ・ユウゴウ。」

素直に答える。

考える余地もないほどシンプルな質問。

だが、ただそれだけで、少しだけ呼吸がしやすくなった。


「所属は?」

(……学園の生徒、でいいよな?)

答える前に、脳が自動的にリスクを計算する。

適当な嘘をつけば即座に見抜かれるだろう。

だが、「生徒です」と言うだけで、本当にこの状況を説明できるのか?

いや、変に疑われるよりは、今は正直に答えた方がいい。

「セントラル・アカデミーの……新入生だ。」

答えながら、ふと気づく。

(……女性だ。)

相手の声が、先ほどよりも少し明瞭に聞こえる。

機械のように冷徹な話し方だったが、確かに女性の声だった。


「どうやってここまで来た?」

これには迷わず答えられる。

余計な言葉を挟む必要はない。

「戦場が広がる前に、空調ダクトを使って脱出した。」

答えると、わずかに沈黙が流れる。

(……まずかったか?)

だが、特に反応はない。

(そりゃそうだ……これが嘘だと思うなら、もっと別の質問をするはず。)

彼女は、確実に情報を確認しているだけ。

冷静に、機械的に、事実だけを積み重ねようとしている。


「目的は?」

心臓が、嫌な音を立てた。

(……殺される質問だ。)

どんな答えを返しても、相手次第で撃たれる可能性がある。

レイは、わずかに喉を鳴らした。

(どうする……?)

面白かったらいいねコメントお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ