検証
レイは授業をバックれた手前、教室に戻るという選択肢はなかった。
(……どうせ、まともに授業を聞ける状態じゃないしな。)
騒動の発端、入学式会場へと向かう。
会場は、何事もなかったかのように、初めて来た時と同じように綺麗に直っていた。
レイは、静かに息を吐く。
「そりゃそうだよな……。」
建物なんて、たった3時間もあれば全部直る。
完全自動修復システム、特殊ナノマテリアル構造――
こんな世界で、"壊れたままのもの"など存在しない。
だが、それでも何か手がかりがないか、館内へと向かう。
最初に向かったのは、入学式が行われたホール。
(……綺麗なものだ。)
あの大穴も、戦いの跡も、血の一滴すら残されていない。
完璧に修復され、まるで何も起きなかったかのようになっている。
しかし――レイが確認するのは、そんなところじゃない。
レイは2階に視線を向け、階段をゆっくりと上る。
(……やっぱりか。)
緊急排煙ダクトのグリルが、破壊できないようになっていた。
あの時、レジスタンスの襲撃を逃れるために壊して通った場所。
しかし今、そのダクトは"壊せるもの"ですらなくなっている。
レイは綺麗なイスの上に立ち、グリルに触れる。
ネジすらない。
まるで1つの鉄の塊のように溶接され、完全に固定されている。
(反対側も……)
ホールを出て、もう一方の排煙ダクトを確認する。
案の定、同じ状態になっていた。
レイはゆっくりと立ち上がり、腕を組む。
(……もう、この手は使えないな。)
"昨日と同じ逃げ方"は、完全に封じられた。
そして、もうひとつ確認すべき場所がある。
レイは静かに廊下を歩き、メンテナンススペースへと向かう。
到着すると
――そこにあったのは、ただの壁だった。
レイは無言でその壁を見つめる。
(……はあ。)
思わず、ため息が漏れる。
かつて**「通路」だった場所**は、
今はただの"壁"になっていた。
一応、触って確かめる。
手のひらで押し、拳で軽く叩いてみる。
空洞はない。
まるで最初から"存在しなかった"かのように、
完璧に壁として組み込まれている。
(……完璧に対策されているな。)
まったく、分かりやすい。
(まあそうか……素直に話したからな。)
レイは軽く肩をすくめた。
特殊部隊に、こめかみ女に、色々話しすぎた。
当然、"対応策"を講じられている。
その時――
ぺらっ
壁の表面から、何かが剥がれ落ちた。
レイは瞬時に反応し、しゃがみ込んでそれを拾い上げる。
(紙……?)
それは、壁と完璧に同化するように貼りつけられていた。
剥がれなければ、一生気づかなかっただろう。
紙に書かれていた文字を見た瞬間、
レイの眉がピクリと動いた。
『青春ラブコメは楽しんだか? 本来の目的に戻れ。』
寝れなくて書いちゃった(´>∀<`)ゝ
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