入学式
「入学認証完了──レイ・ユウゴウ、300TB、Bクラス認定」
電子音声が響き、学園の巨大なゲートが開く。
通路の先には、すでに振り分けられた新入生たちが、それぞれのクラスごとに分かれていた。
• Sクラス(1000TB以上) → エリート中のエリート。将来の国家指導者・超技術者候補。
• Aクラス(600~999TB) → 上級層。才能を活かして政治・経済・科学の分野で活躍する者たち。
• Bクラス(300~599TB) → 中流層。一般的な職に就き、社会を支える立場。
• Cクラス(150~299TB) → 一般市民。低容量ではあるが、ギリギリ普通の生活ができる。
• Dクラス(50~149TB) → 労働階級。低容量のため、肉体労働や単純作業に従事。
俺が振り分けられたのは、Bクラス。
中流層として、「そこそこ良い生活ができる」 レベルの階層。
SやAの連中ほどの特権はないが、Dクラスのように人生を固定されるわけでもない。
「クラスごとにエリアが分かれている」 というのが、この学園の特徴だ。
• Sクラスは最上階にある独立した施設で、最も優れた環境を与えられる。
最先端のAIチューター、個別指導、最も効率的な才能開発プログラムを受けることができる。
• Aクラスは広大なキャンパスに、個別の研究施設を与えられる。
• Bクラス以下は一般的な授業を受けるが、カリキュラムには大きな差がある。
• Cクラス以下は基礎教育のみで、実質的に労働準備コースになっている。
• Dクラスは地下エリアに割り当てられ、ほぼ実技・訓練のみの生活を送ることになる。
入学式会場へ向かう途中、俺は周囲の生徒たちを何気なく観察する。
• Sクラスの生徒たち → どこか余裕のある態度で、他のクラスを見下すような目つき。
• Aクラスの生徒たち → 実力主義の意識が強く、互いに評価し合うような空気。
• Bクラスの生徒たち → どこか安心した表情。
ここまで来られれば、それなりの生活は保証されるからだ。
• Cクラス以下の生徒たち → すでに諦めたような目をした者もいる。
「才能のない者には、努力する価値すらない」 そう教え込まれてきたから。
「なあ、見たか? あのSクラスの連中」
隣の生徒たちがひそひそと話している。
「すげえよな。あいつら、一瞬でAIとのチェス戦に勝ったらしいぜ」
「そりゃそうだろ。1000TBとか持ってんだから」
入学式会場に向かう途中、学園のホログラムが「才能管理システム」についての説明を流している。
「公共データバンクによる才能管理について」
「才能は、受精前に適切に付与されます。」
「生まれながらに最適な能力を持ち、社会に貢献できるよう設計されています。」
この世界では、才能は「生まれた後に探すもの」ではなく、「生まれる前に決めるもの」 だった。
両親が持つデータ容量によって、子どもに付与できる才能の上限が決まる。
• 「データ容量の多い家庭ほど、より優れた才能を持った子どもを生み出せる。」
• 「貧困層の家庭では、才能の付加がほぼ不可能。」
• 「才能は受精前の遺伝子調整で決まるため、後から努力しても変えられない。」
俺たちはクラスごとに指定されたルートを通り、会場へ向かう。
高層ビルの中央にある広大なホール。
ここで、正式に「才能の未来」が宣言される。
壇上には、学園長のホログラム映像。
「才能こそが、人間の価値を決める。」
学園長の厳かな声がホール全体に響く。
「君たちは、才能を最大限に発揮するため、ここに集められた。」
「公共データバンクが、すべての才能を適切に管理し、最適な未来を保証する。」
「努力は不要だ。なぜなら、君たちはすでに生まれながらにして、最適な才能を持っているのだから。」
厳かに始まる入学式。
しかし、その数分後──
──爆発音が響いた。
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