プロローグ
初作品です!良かったら読んだ感想聞かせてね。
【西暦2224年】
都市は完璧な秩序のもとに動いている。
すべての交通機関は自動制御され、渋滞や事故など存在しない。
空には無数のドローンが飛び交い、監視AIが常に社会の均衡を保っている。
この世界に、「人間のミス」というものは存在しない。
目の前のホログラムディスプレイには、今日から入学する学園の情報が映し出されている。
──セントラル・アカデミー
15歳になると、すべての人間がこの学園に入学し、教育を受けなければならない。
「まあ、なるようにしかならないよな」
俺はぼんやりとつぶやきながら、右腕のバングルディスプレイを眺める。
──[ID:93862361710 300TB]
市民IDと、現在のデータ容量が表示されている。
昔は貨幣というものがあったらしいが、今では廃止され、世界共通でデータ容量が取引の基準になっている。
家賃も、食費も、税金でさえも──すべてはデータ容量で支払う。
「より良い世界のために、才能を活かしましょう!!」
ビルの巨大ディスプレイに、今人気のバーチャルアイドルが映る。
華やかな笑顔で、企業のPRを行っている。
その瞬間、後ろのフロートモービルに目を向けると、運転手は完全にディスプレイに釘付けになっていた。
「一体何がいいんだか……」
俺は軽くため息をつく。
だが、これが普通だ。
危険なんて、この世には存在しないのだから。
たとえ前を見ていなくても、自動運転システムが完璧なルートを調整してくれる。
衝突事故なんてありえない。
すべてが管理され、計算され、最適化された社会。
そうこうしているうちに、フロートモービルは学園の正門前に到着していた。
学園には入学試験がない。
──する必要がないのだ。
人の価値はデータ容量、つまり資産によって決まる。
持っているデータ容量が多い者ほど優秀とされる。
だから、試験なんてなくても、人間の能力は自動的に測定できる。
「入学認証完了──レイ・ユウゴウ、300TB、Bクラス認定」
電子音声が響き、学園の巨大なゲートが開く。
俺は、わずかな期待を胸に、その先へと足を踏み入れた。
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