EP4 荒稼ぎ
翌朝。
起床し、朝食を軽く済ましてゲームにログインした。
目を開けると、そこは昨日ログアウトした宿屋の一室だった。
さて、今日は錬金術を試そうと思う。
昨日、試せる場所を探して見つからず、諦めてここでログアウトしたが、良く考えてみれば、宿屋で出来る事に気付いた。昨日の俺はきっとどうかしていたんだろう。
昨日買った、水晶をテーブルの上の置く。
こいつは、上位変換、下位変換が出来る。等価交換は天秤の仕事だ。別に、変換も天秤でも良いと思うのだが、運営さんはそれが嫌らしい。
...これってどうやって使うんだろう。アイテムの説明見てもなんかある訳でも無い。スキルの説明を見ても何処にも載っていない。
水晶の周りにアイテムを置いてスキルを発動すれば良いのか?
とりあえず、スライムのドロップアイテムである魔石を5個置き、『成功の道』を発動しながら上位変換してみた。
すると、一回り大きい魔石(?)が出現した。
《魔晶石のレシピが保存されました》
どうやらこれは魔晶石というらしい。インベントリに入れて説明を読むと、防具等に魔術を付与したり、コレから魔力を吸い出して魔力を回復したりするのに使えるとあった。
つまりこれさえあれば俺のこの『魔術付与』も使えるって事か。
だが、俺には付与する装備もなければ設備も無い。売るにしても、たった1回上位変換させただけでは、そこまで希少価値も無いだろう。
もう一度上位変換するために、もう4個魔晶石を作成し、『成功の道』を発動しながら上位変換をした。
ごく小さい爆発を伴いながら、水色に淡く光る水晶が出現した。
《魔水晶のレシピが保存されました》
石の1つ上のグレードが水晶のは少々無理があるのではないのだろうか。
これもインベントリに入れて説明を読むと、魔晶石と同じ事が書いてあった。
これはそこそこな価値が期待できる。早速売りに行こう。
街の広場らしいところに出て見ると、オークション的なのがあった。
「回復ポーション!
1万エルクから!」
「1万1エルク!」
「おい汚ぇぞ!」
汚い。流石大人。汚い。
つかたかが消耗品なのに随分高いな。
なんでだ?
近くの人に訊いてみるか。
「すいません。
なんで回復ポーションがあんな高いんですか?
ぼったくりじゃないですか?」
「そりゃ、FWOではまだあれしか回復アイテム見つかって無いから。
しかも、製造コストも高い」
マジか。
だからあんな高額なのか。
そんなことを考えながら、答えてくれた人に感謝の言葉を述べる。
では、俺はこの魔水晶でも売るか
相場がわからんからとりあえず600エルクからでいいだろう。
「次!
この魔水晶!
600エルクから!」
「600エルク!」
「700エルク!」
「900エルク!」
「1000エルク!」
「1100エルク!」
「1300エルク!」
「1500エルク!」
1500エルクで、声が止まった。
そして、しばらくすると「カンカン」という木槌の音が鳴り、前のオジサンが言った。
「1500エルクで落札!」
俺の手元には1500エルク分のお金が入ってきた。
マジか。あのカス素材で作られたやつがこんな高く売れるとは。魔術付与スキル持ちは多いが、錬金術スキル持ちは少ないようだ。
じゃあ、露店とかで魔石とか売って無いかなと思ってぶらつこうとしたら、目の前で売っていた。
しかも格安で。50エルクぐらい。
永久機関が完成するじゃないか。50エルクで買って、1500エルクで売るということをするだけで余裕で17万稼げる。なんなら、そのまま工房も買える。
ヨシ!今日はコレをひたすら繰り返そう。
1時間後。
30万エルク稼げた。
やべーなこれ。この金策方法は俺だけで秘匿しておこう。流通量が増えちゃ、価値が減って稼ぎが減る。
ちなみに、変換失敗したやつは、魔力を少しだけ帯びた石になった。上位変換したら魔石にでもなるのかな?