14『うさぎ』さんは、“びっくり”する。
“おれ”は、ただ“ぼお〜”と。『それ』をみてるしか、なかったのだ。
“カイ”は『アホ』ですか? ねえ?
❏ ❏ ❏
「海、お疲れ様。」
え?
「あ、陸兄ちゃん。お疲れ様。どうしたの? “終わった”の?」
はい?
そう、陸ちゃん先生が、やって来たのだ。肩に“ウサギ”を、載せてんだけど??? 白い耳垂れうさぎだ。
アイツ、アレ、ナニ? モシカシテ、オレノ、ライバル、カナ??? おれも載りたいよ!
周囲のプレイヤーサンたちが、ザワザワし出した。“えっ”、“えっ?”と。
「終わったと言うか、龍兄来てなかった? あれ? 可笑しいな。何遊んでるんだろう。」
ん? はい? りゅうに…………………えっ! “りゅう〜チャン先生?!”来てるの?!
“りゅう〜チャン先生”は、陸ちゃん先生の、お兄さんだ! まじ、かっけえ。そしてマジもんで、超やさしいんだ! 会いたい…………会いたいよ!
「陸ちゃん先生っ!」と、おれはだから、叫んだんだ。テンションあがって、さ。
ざわざわざわざわ
ん? なに?
プレイヤーがさわぎ出した。なんでだろ??
“うさぎがっ?!” “今しゃべったぞ?” “しゃべったよな?!” “え…………わたし…………あっちの肩乗りタイプが………良い。”
まって、最後のやつは、傷ついたよ? やめて? 高校生男子、繊細だから。DKですからね!
そんな“おれ”に、こんな声が、聞こえて来た。「………………。“晃和”…………か?」と。
え? あきか………………。“あきか……ず”。あれ…………、それはもしかして…………
「? ? ? …………。おれの“名”前………………。? あれ?」
不思議な気分でおれは声の方を見たんだけど。そこにいたのはーーーーーー
「晃和っ! おまえっ、なんで? なんで“うさぎ”になってんだよ?! なんでーーーーっう」
“少年”がひとり、そう叫んでたんだ。………………“彼”は、“誰”だ? ???
なんだろう……………………知っている気も、するんだ。だれ…………、だっけ…………
陸兄ちゃん“先生”が、「…………。限界、だな。…………」と、言ったんだけど。……………
“なに”が???
❏ ❏ ❏
「和希、良いよ、俺が“やる”。その為に来たんだ。」
し、しょ…………………っ、だめだもう………………くるシ…………い。
「晃和、ちょっとだけ、我慢しろ」
し、しょ………っう! ぐぅ! あぁあああぁぁあぁーーーーーーーーーーーーーーッ
❏ ❏ ❏
“カーズィ・キルシュ”こと『ブレンド・マスター』は、うさぎの『姿』の『モノ』の『中』から、『彼』を引っ張り出した。『香月 晃和』の『魂魄』だった。陸は“嘘”を、ついて在る。
『香月 晃和』に。
『彼』は確かに『死んで』しまったのだ。『転んだ』時にだ。死にたく無かった彼は、自力で携帯電話を媒体にした。携帯電話を拠り所にし、『魂』の『輪廻』から、逃れたのだ。ただ、彼は知らなかった。
『香月 晃和』とは神の仲間の息子な故に、『死んで』も『死なない』と云う事をだ。
『授かった』肉体の『寿命』の時が来る迄は。
『肉体』は自動再生するのだ。ただ、『誰か』に目撃されてしまうと、『復活』してもそのままとは、行かない。
『名』を変え、『見目』を変え、『別人』として暮らす人生が、待っている。晃和は目撃されてしまった。車の運転手にだ。取り敢えず急ぎ救急車を呼んでくれた彼で在ったのだが、その間に、
晃和の心臓が止まって在る事を、確認済だった。心肺蘇生を試みてくれたからで在った。心臓マッサージで。
駄目だったのだ。病院へは、運んでくれた。晃和の『ID』を確認したからだ。『指定』の『医院』へと、隊員達は少年を運んだのだ。『規定』に従って。
運ばれた病院の名は、高神総合病院。華月 陽藍の兄の様な人の医院だった。
晃和の父、晃嗣にも、そして陽藍にも、すぐに連絡が行ったのであるが、華月 陽藍は今現在、存在が『死亡』扱いなので、此の星には暮らしていなかった。『他』の星で、過ごして在るのだ。妻の友美と、友美の兄、美津之とその妻と共に。『紺』が『生まれた星』に在るのだ。
だから駆け付けたのは、大分遅かった。
“陸”が一仕事した後だった。
“携帯電話”を見付けた陸は、晃和の“魂”の『場所』を、突き詰めた。そして追い掛けた。けれど、晃和の魂は、更に拠り所を求めて、“パトロール”中だった“システム”に、入り込んだのだ。
つまりあの“うさぎ”の『中』に。然し、それ『だけ』ならば、もっと簡単だった。
“システム”に“トラブル”が、起きていた。“原因”はそれだった。
❏ ❏ ❏
「ーーーーッ、ひゃっく。 ?!」
自分のしゃっくりで驚いて慌てて目覚めた“俺”が、居た。
なんでだろう……………………目の前に“クールラッシュ!”の、アバターが。…………なあ?
なんでおまえさ、………………「泣いてんの?」………………………なんで???
❏ ❏ ❏
「は? え?」
“はえ? 蝿の敵でも出たのか? てかあれ? 俺いつーーーーログ・インしたの???”
此処、……………「フリー・フィールド………」だよなあ?
辺りはVRゲームとして配信を始めた、ゲーム・“フリー・フィールド”の“中”だった。今“メンテナンス中〜”じゃ、ないの??? 俺、“香月 晃和”はそう思ったんだ。「んん?」と。
何故だか俺の目の前に、“壊れた兎”の身体が、転がってた。これ、なんだろ?
ジジジィと、音を立ててた。…………モンスター? 新種? でもなんで“消滅”しないの?
特殊モンスター??? それにしては“ちっちゃい”よね。
そう思ってたら、“クールラッシュ!”のアバターが、抱き着いて来た。やめろよ気色悪いな。どうしたの本当? そんなにレベルあげ、大変だったのか? ーーーーわかった、よ。ちゃんとレベルあげ、付き合うよ。
“パーティーの人達”の足引っ張りたく“無い!”んだもんな。たくっ。
❏ ❏ ❏
「…………なんだった…………の?」
観て在たプレイヤーのひとりが、そう言ったのであった。
間違い無く、此処はフリー・フィールド。ゲームの“中”である。ただ、
「“Gremlin”に、“入り込まれた”んだよ。」と、
製作者は説明したのであった。プレイヤーのひとりが、又言った。「え? “イベント”???」と。
陸は否定した。「本物の奴。」と。
周囲のプレイヤー達は又ざわつき始めたので在った。“ガチッ?!” “エ、ヤバくナイ?!”と。
「ああ、Gremlinだけなら、何て事無いんだけどね。もう一つ…………」陸は又言ったのだった。
❑ ❑ ❑
「…………、もう、ひとつ? …………っ?」
「ああ…………。後もう一つ“侵入者”がね。ーーーー。“Nightmare”もね。
と、云うよりはNightmareがGremlinを抱き込んだんだ。それで“面倒”だったんだ。“癒着”が、ね。 もう大丈夫。 終わったから。 後はーーーー」
陸は“晃和”を、見たのだった。「“Nightmare”退治だ」と。
ん?
“香月 晃和”は事態が呑み込めず、慌てふためいた。
❒ ❒ ❒
「“Nightmare”退治なら“和希”の十八番だな。ほら。」
そう言われた男が在た。「…………“十八番”じゃあ無い…………よ。」と、返して在た。
「は? 御前そんな“特技”が…………」
「敦君、巫山戯んといて。ほら“晃和”君。『和希』君だよ〜思い出そっか〜」
香月 晃和は言った。「…………はい?」と。
代わりにきょとんとした“ぶれんど×こぅひぃ☆”が、向こうの方から騒いだので在った。“まさかっ”と。
「橋本っち先生っ?! う"そ" まじで“居る”しっ! 奥さんも一緒っ?て、えぇ! “晃和”じゃん! よく見たら! おまえ、いつ退院したの! どんだけ“ゲーム好き”なのっ」
「“ぶれんど×こぅひぃ☆”と、やら! おまえ! “橋本っち”て、喧嘩売ってんのか? こら。“橋本先生”で良いんだよ。“っち”は止・め・ろ。 “っち”は。 次“間違えて”みろ、御前ーーーー“全国一斉模試”の『首席』取らせるぞ? 満点取れる迄、勉強叩き込むぞ?
ーーーーーー良いのか?」
「! キレ方意味わかんねえ! なに言ってんの橋本“っち”?!」
「和希、“個人情報”…………」
「俺は“言って無い”ね!」
「嫌それは“解る”わ。此の子供…………ん、んんっ、“少年”が、おまえの個人情報流出してんだろ。其処“注意”しろよ。」
「いいよ、無駄だから。“高校教師”は、色々と“諦め”が、肝心なのよ。心配ありがとな。敦。」
「………………良いのか………………それで。……………注意位“しろ”よ…………」
「敦? んじゃ“おまえ”だったら? 大人しく教師の言う事“聞く”か?」
「…………。ああ…………“そう”云う…………おまえ大変だな…………。」
晃和はそんな状況をみて在た。そして、
「…………。? …………かず………………、あ………………。つ? ………………。っ、?! え"っ"?!? まっ、まさか!!!」
「「ん?」」
「“かず”ちゃん“君”と、まさかーーーーーーっう、“あつ”君??! うっそでしょ?!」
晃和はガタガタと、震え出した。主に“敦之”を見てだが。“道場”で敦之に“コテンパン”にされたのだ。“生意気”を言って。それで晃和は、道場へ行かなく為った。敦之が恐くて。
晃和は“礼儀”を示さなかった。道場へ挨拶せずに入ろうとして、敦之に注意を受けた。けれど反抗して、敦之に“稽古”をつけられた。泣き出して。翌週から稽古へは、行かなかった。晃和の謂わば“トラウマ”だった。
震えた晃和に“変化”が、起きた。
橋本 和希は“にやり”とした。“悪い顔”だった。彼の“生徒”〜ぶれんど×こぅひぃ☆は、気付かなかった。
「?! うぐっ、きもち悪っ」
と、晃和は言ったが、そんなに時間は必要で無かった。和希は冷静に“動いた”のだ。そして、
“靄”が現れた。“晃和”の『中』から。『真っ黒』だった。
❑ ❑ ❑
「ーーーーっ?! なに!?」
ぶれんど×こぅひぃ☆も、クール・ラッシュも騒ぎ出した。その光景に。そしてその周囲も。その場の“全て”が。
悲鳴と驚きと戸惑だった。『今度はなんだ?!』と。
「落ち着いて! 大丈夫!」
陸が声を張った。彼は和希を信用して在た。
冷たい表情の教師は、朝起きた時の歯磨きみたいに、その“作業”をしていたのだった。
“靄”から、“何か”ーーーー出て来た。それは、
「良しっ、成功〜ほら、起きて〜。う〜ん。起きない・な? ………………あ〜………じゃあ、
『マイ・ハニ〜』起っきして〜『ちゅ〜』されたい・の〜?」
“橋本 和希”は、そう言ったので在った。
“それ”は、起きた。こう叫びながら。ーーーー
「! 止めろっ! 馬鹿橋本 和希! ふざけんな御前! て、は! 陸サンっ! すみません俺ーーーーっ」と。
男だった。とても小柄な、人間の男だった。
「おっはよ〜伊島君。 目覚めの“ちゅ〜”しとく? 敦に“する”? “俺”にする? それとも“陸君”に、する? 如何する?」
橋本 和希はそう言った。靄から“救出”された男は、叫んだ。
「嫌な三択だな! するか! 俺は“女の子”がちゃんと好きだ! 絶対やだよ!」と。
肩で息をしていたので在った。ぜぇ、はぁと。
“LIGHTNING・Shining”が、そこで言った。「俺ーーーー和希先生のなら、ぎりぎり“セーフ”。」と。
横の“来愛”が、応えた。「私ーーーー“敦之君”なら、なんとか“セーフ”。“ほっぺ”ね。」と。
半目の和希は彼等に言ったので在った。“龍君ーーーー”と。
「居たなら。“やって”欲しかったよ。」と。“龍”は、応えた。
「“そう”か、和希。“ちゅ〜”か。良し、おいで?」と。
龍の周りに在た、“ドラ・マス・コレ・スレ”ファンの人達が、目をひん剥いて噴き出したので在った。“なんで?!” “いや俺に! いやでもちゅ〜?!” “えっされたい!”などと。
勿論龍は“ははは”と笑って済ました。
❏ ❏ ❏
「………………。結局?」
“華月 陸”の説明に、プレイヤーのひとりが、そこで言った。けれど彼等は納得した。“災害なら仕方無い”と。
“Nightmare”ーーーー“ナイトメア”。 “災害”のひとつ。過去に退治され、永い間その影を見なかったーーーーが、数年前から幾度か“不信”な情報が、寄せられて在た。警戒はされて在た。
“Gremlin”ーーーー“グレムリン”。 “災害”のひとつ。“外来種”説、有り。“星外”から来たのでは?との、説も在る生物。過去に退治された経歴有り。“複数”存在説も在る。確証は未だ得られていない。
ナイトメアは“悪い夢”と呼ばれる。
グレムリンは“機械好き”と言われる。悪戯が生業だった。グレムリンを発見したナイトメアは、此の“フリー・フィールド”内で、“メンテナンス・事後確認”中だった陸の助手、『伊島 紀兎』と云う青年が連れた彼の製作した“システム・介入用AIロボット”の『ラビット』に目を付けたのだ。
《伊島》青年の《パトロール用・精神体》は、此の際に、ナイトメアに依り『ラビット』へと、入れられた。その『ラビット』をグレムリンが、“乗っ取った”のだ。
《ラビット》の『回線』は、グレムリンの手に依り『コントロール不可』と為り、外部からの《修復》は、不可と成った。
ナイトメアは“エネルギー補給”の為に、偶然来た《香月 晃和》を、呑み込んだ。だが、ナイトメアの『誤算』は、
香月 晃和が『神の関係者』だった事だ。
晃和を支配出来ずに、遂には先程、《引っこ抜かれた》のだ。《橋本 和希》に。
因みにもうお解りだろうが、《ラビット》ボディーから『グレムリン』を《引っこ抜いた》のは、
“カーズィ・キルシュ”だ。彼は他所の星で暮らす、『アウト・ワーカー』と呼ばれる『ブレンド・メーカー』だった。彼曰く、
“物質”と“物質”ならば彼は《別けられる》ーーーーそうだ。《分離》出来ると。
華月 陸は嘘を付いた。だが、
『嘘』も『ついて』は『いない』ーーーーと、彼ならば、云うで在ろうが。
「肝心な事を言わなかった『だけ』だよ。」と、華月 陸は言ったのだ。
香月 晃和へと。
「ま、救かって良かったよ。な?」と、陸はけろりと言ったのであった。
「“敵”を欺きたいならば、先ずは“味方”を騙せってね。“昔”から言うだろう?」と。
陸は此の日、災害に巻き込んだ総プレイヤー達へ“補填”を約束したので在った。 〜 一章・完。




