今回の話、〇魂っぽいと思うでしょ。これ偶然だから。書いてる時に花見の話あったなって思いだしたんだよ
そんなこんなでアルスと弓彦を巡る、叩いて被ってジャンケンポンが始まろうとしていた。
「えー。では今から叩いて被ってジャンケンポンを始めようと思います。司会は私、御代がお送りします」
「アシスタントの日枝と」
「三毛です。何でこんなことになったんだろう……」
と、三毛はため息とともにこう言った。
試合形式はこうだ。アルスと弓彦、世界とショーミに別れて対決する。アルス側が勝利したら馬鹿どもはおとなしく帰る。世界側が勝利したらアルスと弓彦がニャンニャンされる。アルスと弓彦にとっては、これは必ず勝たなければならないのだ。
「ショーミさんはこのゲームって知ってます?」
「今世界から教えてもらった。理解したから大丈夫だ‼」
「では早速始めようと思います。最初はだれか行きますか?」
「俺が行く」
弓彦がヘルメットとピコハンの前に座り、待機した。それを見た世界が手を上げて前に出ようとした。だが、ショーミが彼女を止めた。
「何で止めるんですか?」
「ここは我が行く。お前の場合、手を抜くかもしれんからな」
こう言われ、世界は自分がどんな行動をするか予測してみた。
「……そうかもしれませんね」
「いいか?この勝負にさえ勝てばお前はあの坊主とキャッキャウフフし放題なのだぞ。少し性欲を抑えるんだ」
「分かりました。必ず勝ってください」
というわけで、最初の試合は弓彦とショーミが行うことになった。
「では、私の合図に合わせてじゃんけんをしてください‼」
御代はこう言うと、立ち上がって踊り始めた。
「あそーれ、叩いて被ってジャン!ケン!ポン‼」
ジャンケンの結果、勝ったのは弓彦だった。ショーミは慌ててヘルメットを取ろうとしたのだが、その前に弓彦が素早くピコハンを取り、素早くショーミの頭を叩いた。
「はい。弓彦の勝ちー」
「何普通に負けてるんですかァァァァァァァァァァ‼」
ショーミは申し訳なさそうに世界の元へ戻って行った。
「ごめん。めっちゃ油断してた。こんなんで負けるなんてちょっと恥ずかしい……」
「次は私がやります!これで勝てば引き分けになり、もう一試合できますので‼」
世界は張り切りながら、立ち上がった。
次の試合はアルスと世界。世界はアルスを睨みながらこう言った。
「絶対に負けないわよ‼」
「そうか。頑張ってなー」
と、アルスは棒読み気味で世界にこう返事を返した。
「では行きまーす。あそーれ、叩いて被ってジャン!ケン!ポン‼」
ジャンケンの結果、世界が勝利した。だが、世界がピコハンを取る前にアルスは目に見えないほどのスピードでヘルメットを手にし、頭に当てていた。
「早ッ‼」
「仕切り直しだな」
アルスはにやりと笑いながらこう言った。
「では2回戦目に入ります。会長……私もあれやらなきゃならないんですか?」
三毛は恥ずかしそうに御代にこう聞いた。それに対し御代は恥を捨ててやれと返事をした。
「う~‼仕方ない!あそーれ、叩いて被ってジャン!ケン!ポン‼」
三毛は恥ずかしそうに踊りながらこう言った。二回目のジャンケンの結果、勝ったのはアルスだった。世界はヘルメットを取った時のアルスの素早さを目にしている。これは早く取らないとまずいと思っていた。
「遅い‼」
世界がヘルメットを取ろうとした時、すでにアルスがピコハンを取って振り下ろそうとしていた。
「クッ……負けて……負けてたまるかァァァァァァァ‼」
世界はアニメの主人公のように叫びながらヘルメットを手にしようとした。で、その結果は……。
「はい。アルスの勝利」
あっさり負けた。世界が負けたことにより、世界とショーミのチームの敗北が決定した。
「「納得いかない‼」」
ゲームが終わった後、二人はその場に座ってこう言っていた。イータは溜息を吐いてこう言った。
「負けたんだからさっさとどっか行ってくださいよ。というか、二人でイチャイチャすればいいんじゃないですか?」
「私は弓彦君とやりたいの‼」
「世界と同じように、我は勇者と交わりたいのだ‼」
馬鹿な二人の馬鹿なセリフを聞き、アルスは呆れてこう言った。
「仕方ない。もう一回やってやろう。今度負けたら本当に帰れ」
この言葉を聞き、二人はウッシャーと叫びながら立ち上がった。アルスの言葉を聞いた弓彦はアルスに近付き、こう言った。
「おい大丈夫かよ。今度は勝てるって保証はないだろ」
「勝てる方法はある」
「それは何だ?」
「死ぬ気でやれ!以上」
アルスの返事を聞き、弓彦は泣きそうになった。
てなわけで第2試合が行われることになった。今度の組み合わせは弓彦対世界、アルス対ショーミとなった。
「じゃあ弓彦と世界の対決から行くわよ」
「準備をお願いします」
弓彦がピコハンとヘルメットの前に座った時、目の前にいる世界の衣装は何故かはだけていた。
「さあ弓彦君。始めましょう」
「その前に服を直せ」
「そんなんどうでもいいじゃない。始めて頂戴‼」
「分かったわ。あそーれ、叩いて被ってジャン!ケン!ポン‼」
「ポォォォォォォン‼」
声に合わせ、世界が弓彦に抱き着いた。一応こんな展開になる事は弓彦も察してはいたが、世界のスピードが速くてよけきれなかった。
「弓彦くぅぅぅぅぅん‼桜の下でひとつになりましょう‼」
「こんな所で変態プレイ何てしてたまるか‼誰か、助けて‼」
弓彦はムーンと雍也に助けを求めようとしたのだが、ムーンの顔は何故か真っ赤になっているし、雍也は倒れていた。
「えぇ~?今なんて言いましたか~?」
「お前……まさか……」
弓彦はムーンが手にしている缶を見ると、そこには酒のマークが書かれていた。
「ちょっとォォォォォォ‼誰か間違えて酒を持ってきてますけど‼」
「えええええええ!?うっそ‼」
「うっへぇ~い……あるぇ~?あの男が増えてますにょ~」
と、酔っぱらったムーンが気を失っている雍也を踏み、弓彦と世界の元へ近づいてきた。
「分身のじゅちゅでもおぼえたんでしゅか~?」
「ろれつが回ってない。完全に酔ってやがる‼アルス‼」
弓彦はショーミと叩いて被ってジャンケンポンをしているアルスを見たのだが、そっちはそっちでこんなことになっていた。
「あ……ば……じて……」
アルスの目の前には頭から血を流して倒れているショーミがいた。手には真っ二つに割れたヘルメットが握られていた。
「お前、何をした?」
「ついでだから半殺しにしようと思って。ピコハンの代わりにセイントシャインを使った」
「何してんだお前はァァァァァァァァァァ‼」
「まぁあの変態の事ですし、ほっといたら治ってますって。でも起きられたら面倒だから埋めましょう」
「私も手伝おう」
と、アルスとイータは頭から血を流すショーミを地面に埋める作業を始めた。そんな時、ムーンが魔力を開放していた。
「なんだか変なのが散って邪魔くしゃいでしゅね~。飛ばしちゃいましょ~」
ムーンが使ってるのは巨大な風の魔法。弓彦は止めようと思ったのだが、世界が離れないからできなかった。結果、風の魔法……というか巨大な竜巻が発生した。
数分後、桜の花びらは全て地面に落ち、体中桜の花びらまみれになった御代がその場に倒れていた。御代以外にも、アルス達も気を失っていた。
「……今度お花見をするときは……間違えて酒を用意しないでおこう」
御代は小さくこう言った。




