おまけ 「王子さまは転落する」大反省会! (閲覧注意!)
本編の余韻ぶちこわしです。
あと作者の自虐も入っておりますので、地雷な方は回れ右お願いいたします。
なんでもOKな猛者だけ、この先お進みください。
とある夜、アールトラハティ某屋敷にて――
ヴィルケ(以下、ヴィ)「アーアー、マイクのテスト中。ごほんごほん! よしいいな。では「転落する王子さま」の本編が完結したということで、これより大反省会を行おうと思う! この会はおのおの本編での振る舞いに立ち返り、一体何が悪かったのか! なぜ人気がでなかったのか! 大いに作者及び登場人物に懺悔してもらう会だ。『世界観、キャラ崩壊は気にせず、作者の自虐についてこれる猛者だけついてきて欲しい』との作者からお達しが出ているぐらいカオスな内容になっているので注意してほしい。もちろん、本編のどシリアスはぶち壊し。ではさっそく……スタート!」
レア(以下、レ)「反省会って言われてもねえ。それよりもどうしてあなたが司会なのかが気になるのだけれど?」
ダーヴィド(以下、ダ)「それは僕も思う。君は所詮チョイ役じゃないか。吹けば飛ぶレベルのさ」
ヴィ「俺だって知らんが、ご指名なんだから仕方がないだろ。だいたい同世代だからとかそんな理由だよ」
ヴィルケ、原稿をめくる。
ヴィ「あー、まずは自己紹介をするそうだぞ。渡した原稿のままよろしく」
レ「えーと……『わたし、レア・ハイメクン! 夢見る夢子ちゃんだったのに、チャラい男の婚約者にさせられて大ショーック☆ でも頑張るわ、愛するあの人のために♡』」
ビリッ!(原稿を破り捨てる音)
ヴィ「あー……お前は頑張ったよ。テンションはね上げて本当によく頑張った……。ガラじゃないのにな」
ダ「一体何年前の少女漫画かっていう感じだね。……ヤケになったのかな、作者。ちなみに僕のはこうだ。『チャラく見せかけて、実は常識人枠!でおなじみのカネルヴァ公ダーヴィドです』。センス微妙だ。君のほうは?」
ヴィ「……言いたくない」
ダ「では僕の原稿にも書いてあるので言おう。『本編にて失恋ルートが確定した不憫な従兄弟、ヴィルケだ』」
ヴィ「なんで言うんだ! 絶対楽しんでいるだろ!」
ダ「まさかぁ。たしかにー、僕は君をつくづく羽虫のようだと思っていたけれどね。レアが僕を選んでくれたから、そのことは水に流そう」
レ「……うーん?」
ダ「どうしたの、レア」
レ「さっきから思い出そうとしているんだけれど、ヴィルケって失恋したっけ?」
ヴィ「えっ」(希望の兆し) ダ「えっ!」(絶望の足音)
レ「たぶん失恋というのは本編最後の方のやり取りのせいだと思うのだけれど……あれってそもそも冗談でしょ? それだけで失恋だなんて大げさよね」
ヴィ「………」
ダ「………」(哀れむような眼差し)
レ「ま、細かいことを気にしても仕方がないよね。次行きましょう次」
ヴィ「………うん、行こう」
レ「まず私たちのどこが悪かったかだけれど……」(と、言いつつある人物を見る)
ヴィ「客観的に見ても、私たちが、というよりかは……」(やっぱりある人物を見る)
ダ(いい笑顔で)「そうだね、主に作者の未熟が招いた結果だよ」
レ・ヴィ「「いや、違うわ」」
レ「ヒーローポジのくせに、むしろあなたが諸悪の根源だったじゃないの! この歩く十八禁男! 作者のせいが何割かあったとしても、残りの99パーはあなたのグズグズさのせいに違いないわ!」
ヴィ「そうだそうだ! 本編では言えなかったが、あえて言わせてもらおう! あなたはクズだよ! 何回レアを泣かせたと思ってるんだ!」
ダ「えーと(PC立ち上げ、「転落する王子さま」を読む)……ふむふむ。そうだね。確かに泣いているよ」(いい笑顔)
レ・ヴィ「………」(無言で一歩下がる)
ダ「僕は思っていたよりも愛されていたんだね……レア。こっちおいで。キスしてあげる」(両手を広げる)
レ「イラナイデス」
ヴィ「ば、馬鹿じゃないのか! こんなところでそんなことするやつがいるか!」
ダ「えー?」
レ「その『えー?』がわたしには『えー?』だわ」
ヴィ「……ごほん。ここからはお便り紹介のコーナーだ。なんでも物申したい人がいるらしい。レア、一通目」
レ「ええ。ペンネームは……『アンナ・レーナ結婚してくれ』さんから」
ダ「………」
レ「『出番を増やせ』」
ヴィ「それだけ?」
レ「そう」
ダ「……父上」
レ「この要求通るかしら? やんごとなき方でしょ?」
ヴィ(天の声を聞く)「却下だそうです。申し訳ございません、陛下」
ヴィ「二通目。次はあなたが読んでください、殿下」
ダ「了解。ペンネーム『息子が心配な母』さん……」(無言でヴィルケに訴える)
ヴィ「どうぞ?」(勝ち誇った顔)
ダ「『私には息子がいるのですが、本当はものすごくいい子なのにも関わらず、無理して悪い男になっているのが心配で心配で心配でなりません。その調子だと大事なものを取りこぼしてしまいそうで……。婚約者のあのお嬢さんにも何か粗相をしでかしていないでしょうね。そのうち、本能のままに間違いが起こりそうな気がします。ちゃんと自制してくださいね。あと、お父上に伝言を頼みます。プロポーズの答えは二十五年前と変わらずノーですから、いい加減諦めてくださいって』……これ、明らかに僕への私信だったな」
レ「若干お説教も入っていたわね。粗相ね……粗相」(じとり目)
ダ「ごめんなさい。いろいろ身に覚えがあります。……でも今はレア一筋だから」
レ「それはどうも」
ダ「可愛いよ、レア」
レ「……っ」(赤面する)
ヴィ「ちっ」(リア充どもめ!)
ヴィ「最後の三通目だ。これは俺が読むよ。ペンネーム『さすらいの魔法使い』さんからだ」
ダ「そのままだな」
レ「そのままね」
ヴィ「なになに……『特に言いたいことはないが、何か書けと言われたので書くことにした。死人が手紙を書くというのも変な話だが、まあここは何でもアリのカオス空間なので気にしてはダメだろう。ところでダーヴィド、君に残念なお知らせがある』」
ダ「なんだろう」
ヴィ「『君、現段階でレアに愛されてないからね。よくよく先走らないように』」
レ「あ、ダーヴィドが落ち込んでるわ」
ダ「レア。僕と豪華客船に乗って旅に出よう」
レ「……なぜ?」
ダ「密室空間で一緒にいれば、気の迷いで僕のことを愛していると言ってくれるかも。帰る頃にはひとりの身体でなくなっているさ」(爽やかに)
レ「つまり、遠まわしにわたしに妊娠しろと? あなたは子ども好きではなかったと思っていたけれど?」
ダ「君の子どもなら可愛いに決まっている。どうだろう、『僕の』レア……(髪に口づけながら)その気になってくれない?」
レ「ふむ。どうしましょうか……」
ヴィ「え、そこ迷うのか!」
レ「違う違う。どうやってこのフラグを回避しようかと思って」
ダ「そんなに僕のこと嫌いなのかな……。君、自分から『キスして』と言っていたのにね」
レ「それは魔が差したのよ……なんか!」
ヴィ「えっと、これで大反省会は終了することになるのだが……反省した気がしない」
レ「そうね……無駄に疲れただけだったわ。なぜかしらそうねダーヴィドのせいねそういうことにしましょう」
ダ「おまけだからって僕の扱い雑だな。一応王子なのに」
レ「ダーヴィドのことは置いておいても、一番反省すべきは作者ということでファイナルアンサーだわ。もうちょい頑張ってもらいましょう。面白いのか面白くないだかで頭を悩ませる前に! 私たちを輝かせるために何が必要か、ちゃんと見極められるよう考えましょう!」
ヴィ「そして僕の出番を増やすんだ!」
ダ「君の出番をむしろ減らそう!」
レ・ダ・ヴィ「「「以上、大反省会でした!」」」
………………………。
ヴァルハマ「この三人の心の世界をつなげてみたが……思ったよりも面白い取り合わせができてしまったな。またちょくちょくこの三人を会わせてみることにしよう」
ここまで読んでくださりありがとうございました!
〈おまけのおまけ〉
どうでもいい設定
→ダーヴィドはキス魔。




