12/12
夢見る心
トクン、トクンと今日も高らかに打ち鳴らす。
聴診器越しのコミュニケーション。
あの日交わした言葉の先は、声の形を取らずに続く。
何度も枯れたサネカズラだけが、ボクらの停滞を否定する。
背中の特等席をランドセルから、奪ったままで。
命の水平線は、今日も正しく、波を打つ。
こんなんじゃダメだと顔を洗って気を取り直す。
排水口にボコボコと音を立てて吸い込まれるのが目に入って、なんとなくボクに似てるな、なんて。
ぽたりといくつか零れて落ちたのは、多分、顔を洗ったからで。
サネカズラに叶わぬ願いを託し続けるのは、きっと間違っていて。
それを選んだのは、自分自身なワケで。
そんなボクを笑うみたいに
呼ぶはずのない声が、病室に、木霊した。




