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リーン君の大冒険?  作者: 白雲
第1章 幼児期
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初めまして。5歳児スタートです。

最初からちょっと不穏ですがwよろしくお願いします。


オース大陸、その中の小さな国フロスト王国、そしてその中心地でも端でもない微妙な辺りに存在する、特にこれといった特色の無いマルツ村。

普段はそんなどうという事もない村に用事のある者などほとんどいない。大きな街道からも遠く離れているため行商人すら来ず、年に一度お役人が税の取り立てに来るぐらいだ。


しかし今、マルツ村へと続く細い道をガタゴトと音を鳴らして古ぼけた一台の小さな馬車が進んでいた。




年老いた馬が引く馬車は急ぐ訳でもなくのんびりと進むが、御者台に座る大小二人の人物の間に会話は無く、和やかな空気はあまり感じられない。

険悪、という訳でもなさそうだが。



壮年と思われる大きい人物と四歳か五歳ぐらい、もしかしたらもっと幼いと思われる小さな人物は、どちらも亜麻色の髪をしておりどちらも古ぼけて擦り切れた服を着ている。

遠目に見ると親子のように見えるのだが、近くで見ると二人の印象はまるで異なっていた。



大きい方は薄汚れて酷くくたびれており、パサパサの短髪にも、ありふれた茶色の瞳と顔や手のシワ、曲がった背筋にも日々の生活の疲れやなんかが滲み出ているように見える。

時折小さい方をチラリと見て後ろめたいような表情をするが、緩く頭を振りまた手綱を握りしめて前を向く、という行動を繰り返していた。



小さい方は柔らかな手触りを思わせる亜麻色の髪を肩に着くかどうかというぐらいに伸ばし、光の加減で赤や緑に煌めく不思議な茶色い瞳をしていた。

時折何か考え込むような仕草を見せるがどこかのんびりとした雰囲気で、周囲の木々や山などをその大きな瞳に写し大人しく座っている。



親子のような親子でないような、そんな二人組を乗せた小さな馬車はもう間もなく、目的地へ着こうとしていた。



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