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逆効果
息吹は布団のなかに入って眠れずにいた。
(全部、おかあさんって言う大人のせいだ……)
息吹は心の何処かで、違うと思いたかったが、何度考えてもその答えにしか行き着かなかった。
(目が青いのも、コウテカでも、ここでも居場所がないのは、全部その人のせいだ……)
段々腹がたってきた息吹は、布団を蹴り上げ、その場であぐらを組んで、考え込んだ。
(コウテカを出てから、色んな事に腹が立ったけど、此が一番に間違いないや……)
息吹の心の中は、二つの気持ちに別れていた。少し申し訳ないという気もちと、大人はもううんざりだという気持ちだった。
(関係無いことは無いけど……でも、人殺しの手伝いなんかしたくない)
コウテカから出なければ良かったのだろうか。
(いいこと思い付いた!!)
息吹の単純な脳には、浅はかな考えしか思い付かなかった。
(とりあえず、法力を教えてもらって、それから逃げよう)
尊治のあの怒りも、子供の息吹には逆効果であった。
(すごい、いい考えだ!)
皮肉なことに、彼らの過去の暴露は息吹に、逃げ出す決心をさせた。
(血の呪いなんてまっぴらごめんだ)
息吹はゴロリと寝転がると、それからスヤスヤ寝息をたて始めるのであった。




