「ホコリを構成する原子について、」
原子?分子?
「カズキ、手伝え」
「…何を?」
カズキが部屋に入るなり、ユウキはなにやら金属の塊を突き付けてきた。
「掃除だ」
「すっごいホコリたまってる…何日掃除してないんだよ」
「毎日してるけど」
「…知ってるよ。よくもまあこんな毎日ホコリが湧き出るもんだわ」
「ほんとにねー」
カズキは他人事かよ、とつぶやき、その後もブツブツと文句を言いつつ掃除を続けた。
別の場所を掃除ながらユウキは言う。
「そういえばね、小さい時からずっと不思議に思ってることがあって」
「何?」
「ホコリって何でできてるんだろうって」
「どういうこと?」
「中学、いや高校?でさ、すべての物質は原子でできているって学習したじゃん。じゃあホコリを構成する原子ってなんなんだろうと思ってさ」
「すごいなそこまで頭回らん」
「これが天才の発想さ」
「ソーデスカ」
ユウキはこびりついた汚れが気になるのか、さっきからずっと同じところをこすっている。
カズキはその得体のしれない物質『ホコリ』を相手にしながらつぶやく。
「炭素とかじゃない?」
「それ、黒いからとかふざけたこと言うなよ」
「ちっ、ちがうし!あのー、ほら、有機物って炭素含んでて、燃やすと二酸化炭素出るじゃん?ホコリって燃えるじゃん?」
「んー、まあ確かにカズキの割には筋は通ってるか…?」
「よっしゃっ!っておい、割にはってなんだ割にはって」
「いやでも炭素なら今頃部屋中炭で真っ黒じゃない?」
「あー…」
「うぇーい」
「腹立つなー…」
ユウキはこれ捨ててくる、と『ホコリ』たちを集めて部屋を出ていった。
カズキはうーん、と考え込むようにしゃがみ込む。
「本当に君たち何で出来ているんだい…?」
「わーカズキがホコリとおしゃべりしてるー」
「ばッ、かいつ戻ってきたんだよ」
「カズキがつぶやく3秒前」
カズキが大きくため息をついて立ち上がったところで、あることに気づく。
「ねぇ、それこそさ、ネットで調べればいいんじゃない?」
「うん、そう思うだろう?それをしないのがユウキという人間だ」
「何故」
「それはカズキがよく知っているだろう?」
本日二度目のため息が漏れる。
あとで調べよう、とカズキは集まった『ホコリ』たちと密かに約束をして、掃除を続けた。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
結論まで盛り込もうと思ったら、話が終わっていました。
ぜひぜひ調べてみてくださいね。




