表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

40/83

働き台風9 帰宅2

 1Kに戻り、鞄をおき、カーテンをしめて、明かりをつける。

 ポケットに入っているものを棚の上にだす。

 財布、ハンカチ、ボールペン。

 ケイタイの画面をみる。

 8時11分

 腕時計をする習慣はなくなっている。

 いつのまにかアナログの安い腕時計をするようになっていた。

 数年前に針が動かなくなると、修理や買い替えをせす、とくに理由もなくしなくなって、そのままになっている。

 あの腕時計を捨てた記憶はなかった。

 どこかにあるかもしれない。

 積まれてあるダンボール箱が、眼に入る。

 というより、この部屋にいてそれを見ずにすませることは不可能で、むだとしりながらも距離をおいてながめようとする。

 それらのダンボール箱から、日用品や、そうでないものを取りだす作業を行っている僕を、他人事でなく、どちらかといえば、自分のことではないように想像してみる。

 しかし、そのように誰かにまかせるのではなく、ただ自分からは弾きだすようにしてもつかれてくるようで、べつのことをかんがえる。

 日用品でないもの、とは何だろう。

 壊れた腕時計、とか。

 それもまた、進むことなくとまってしまう。

 こめかみのあたりがおもたい。

 しずけさのせいかもしれなかったが、ようするに、職場研修の初日で、疲れているからだ。

 疲労が、ダンボール箱のように、そこにある。

 あるいは、ダンボール箱はたしかに室内の雰囲気を圧迫していたが、それは外から運ばれてきたにすぎない。

 この疲労は、いってみれば、生活に必要な日用品として(または、そうでないものとして)、外から運びこまれてきたものにすぎない。

 未開封のダンボール箱は、まだ部屋の一部でなく、その気になりさえすればいつでも外に運びだせるし、覚悟をきめて開封作業にとりかかることもできる。

 いずれにしても、今は前段階であり、ほんとうに疲れているわけではないのだ、と考える。

 ところが、実際は、まったくそうともいえない。

 職場研修の初日だったから、やはり疲れている。

 それは、僕のせいではない。

 誰のせいでもない。

 つかれたな、とつぶやくと、本当につかれているようだった。

 が、それもまた、誰のせいでもない。




―――――

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓ランキングに参加中です。
押していただければ幸いです。

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ