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囮でおびき寄せてみる

「流石に長いですね」

「あぁ、しかしこの計画がうまくいけば貧乏生活からも脱出できるはずだ」


 2200DPを使い2200メートルの通路を作った。

 それはブラッディベアの部屋からまっすぐ続き、先日の荒地の辺りでなだらかに地上へと顔をだす。 

 

「サシャ、出口を消して左に45度、そして18メートルの通路を作って再度出口だ」


 荒地に出て周囲を確認した後、DPで購入した3日間だけの使いきりタイプの思念通話を使いマスタールームのサシャと話をする。

 100DPを使って作った出口を消しても消費したDPは戻ってこないが、こんな何もないところに出口を作るよりは崖に囲まれて、人の目に付かない、そして人が入らなそうなところに作ったほうが安全だろう。


 それにしても一瞬で通路や出入り口ができるのって凄いよな。

 地球でこんなことができれば、俺は大金持ちになれるんじゃね。

 いかん、いかん、そんなことより今はここでの生活だ。


「ベア、お前はこの扉の向こうで待機だ。合図をしたらゴブリンが扉を開けるから、来てくれ。とりあえず好きなように暴れてくれて構わない」


 出口近くに横道を作り、扉でその通路を塞ぎ、奥にベアを潜ませる。


「キラーラビット、すまないがお前は囮役だ。今から鶏の血をかけるけど我慢してくれ。そして荒野を駆け回ってからここの小部屋まで戻ってくるんだ。くれぐれも無理はするなよ」


 ベアの潜んでいる横道よりダンジョンの中心部へ少し行ったところに作った小部屋で、ゴブリンに鶏を切り裂かせ、その血をキラーラビットにかけさせる。

 小部屋の端に作った頑丈な木の台で待つこと十数分、地響きを連れてキラーラビットが戻ってきた。


「よくやった、こっちへ飛び乗れ」


 俺の言葉に従ってキラーラビットが台の上にジャンプで飛び乗る。

 小部屋へは獲物の血の臭いに誘われたサンドリザードが集団で押し寄せてきた。


 よっしゃ、とりあえずここまでは成功だ。

 この台もサンドリザードの体当たりには耐えてるみたいだしな。

 しかし、小部屋ではなく中部屋にしとくべきだったかな、予想以上に来てるよ。


 20匹くらいだろうか、眼下には部屋を埋め尽くすほどの大量のサンドリザードが集まっていた。


「そろそろだな、お~い、ゴブリン、扉を開けてベアをこっちに寄こしてくれ」


 俺の言葉に通路の先の横側に見える扉が開き、ブラッディベアがこちらに走ってくる。

 サンドリザードの中には危機を感じたものもいたようだったが、出口にはブラッディベアが、そして小部屋からダンジョンの奥へは扉があって進めないようになっている。

 つまり袋小路に追い込まれている状態だ。


「ベア、やってしまいなさい」

「こら、ハムマル、それはおれの台詞だ。いいとこ取りやがって」


 俺の頭の上に乗っているハムマルに声をかける。


「それよりもご主人様、あなた様も槍で攻撃してはいかがでしょうか。ここからなら反撃を受けることなく一方的に攻撃が可能です」

「ベアだけでも十分だと思うが、俺も少しはレベルが上がってほしいし、やるか」


 一匹に狙いをつけ、長い棒にナイフを括りつけた手製の槍で頭上からサンドリザードをちくちくと攻撃していく。

 あ、こらそっちへ行くな、届かないだろ。

 ベア、それは俺の獲物だ。

 一匹に集中している間に大勢は決していた。


「やはりレベル差というのは凄いものですな。以前、数は力だ的な発言をしましたが、数だけでは駄目ですね」

「レベル差というのもあるが、ベアに追い立てられたやつらがこの狭い部屋に殺到し、身動きがほとんど取れなくなっていたところを攻撃されたのもあるかもしれん。これが広い場所だったらベアも苦戦していたかもしれんな」


「ほら、そうこう言っているうちに最後の1匹が倒れましたよ。ダンジョンに血を吸わせないとDPになりませんので、出血するようにとどめを刺して回ってください」

「あまり気が乗らないがやるしかないか」


 どこを刺せば血がたくさん出るのかよくわからなかったが、喉の辺りやわき腹などを刺していった。

 16、17、18、と、18匹かよ、凄いものだな。


「タルミ様、素晴らしいですわ。どんどんDPが増えていっています。1000、2000、3000、増加スピードが遅くなってきました……確定しましたらお知らせいたしますわね」


 レベル5のモンスターなので、5×100÷2×18=4500 と、最大4500DPの入手のはずだが、大分体に血が残ったままになってるんだろうな。

 逆さにして吊るすとか方法を考えたほうがいいかもしれないな。

 でも、今回ので使用したのが約2500DPだったことから黒字なのは間違いない。

 狩りつくすのはまずいが、もう2、3回はサンドリザード狩りをやっておくとするか。


「ご主人様、おめでとうございます。大量のサンドリザードにとどめを刺したことにより、ご主人様のレベルが2から4まであがっております」

「ほんとか? 一匹も自分では倒せなかったけど、まだ息がある敵が多かったおかげだな。ベア、サンキュー」



 ベアに倒したサンドリザードを荷車で住居の方まで運んでもらい、もう2度おびき寄せ作戦をやったが、結果は11匹、6匹と明らかに減っていっていた。

 それでも合計6817DPを入手できたので大成功だ。

 もう数日してからまたやるか、それとも少し通路を延ばして荒地の違う場所に出口を作るか。

 う~ん、まぁいいか。とりあえずは、明日のことは明日考えるとしよう。

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