こんな感じ?
「こんな感じ?」
アンが目の前でくるりと回った。
膝丈のスカートがひらりと広がる。
ちょっと短すぎない? と思うけど、制服だから仕方ない。
水色でパイピングされた濃い灰色のブレザーに薄いベージュのブラウス、黒いプリーツスカートと黒い膝上の靴下。首元には水色のリボン。
女の子はこんなに可愛いのに、男はなんで真っ黒な詰襟なんだろう? 騎士じゃあるまいし。
まあ、僕がこの学院の正式な制服を着るのはもう少し先。留学生なのでしばらくは国の色を付ける義務があるんでね。そっちの服は、まあ推して知るべし。男の服なんてそんなもんだ。
なんでも先代の聖女様が異世界から来た方だそうで、自国の文化としてこの制服を紹介したことで学院が導入したそうだ。デザインもいくつかあるって話だから入学したら別のパターンも見られるかもしれないね。
制服があると平民でも貴族でも同じ格好になるので服装でのトラブルがほとんど起こらないらしい。適度に手を入れるのは構わないと聞いたけど、あくまでも『適度』にってことで、フリルとかレースとかたくさん入れると風紀委員とやらに強制的に直されるって聞いた。
ちなみに制服を導入した聖女様は制服以外にもたくさん変革をもたらしたんだけど、それはまた別の時に。
「ねえねえ、オズ、可愛い?」
アンはくるくる回りながら聞いてくる。
そのたびにスカートが丸く広がって、膝が全部見えるくらい肌が見える。
かわいいよ、すごくかわいいんだけどさ……。
普段はくるぶしまでのドレスを着ている貴族の令嬢たちの隠された足を見せつけられているような気がして、こう、なんというか、こう……。
うん、いい。尊い。
今後の学院生活が楽しみだ。
でもほかの令嬢の足はなるべく見ないようにしようと心に決めた。
目に入るのは仕方ないとして、ね。
「すごく可愛いと思うよ」
僕はアンの肩を引き寄せて動きを止めた。
広がっていたスカートが戻る。うん、よかった、足が隠れた。
それにしてもアンの足はすらっとしてすごく綺麗だ。他の女の子の足は見たことがないからわからないけど、世界で一番いい形なんじゃないかと思う。今まで隠していたのがもったいない。でもほかの男のは見られたくないなあ。
なんで制服、長いスカートじゃないんだろう?
アンのだけ長いのにしてほしいけど、せっかくアンが喜んでいるのに隠せって言うのも男として狭量な気がするしなあ。
「ほんと?」
僕の肩に頭を載せたアンが上目遣いで聞いてくる。
うわあ、その顔は可愛すぎる!反則だ!
思わず抱き締めちゃったけど、仕方ないよね。
あああ、でもなあ、この可愛いアンを、アンのステキな足を、いろんな男に見られるのは、ちょっと、ううん……。
「アンが可愛すぎて辛い」
呟いたら、アンは耳まで真っ赤になった。
読んでいただいてありがとうございます。
切りがいいので短めです。
異世界転生がある世界にしてみましたが、この子たちには関係ないです。
ただ制服を導入したかっただけなんだ……。




