強化計画と、姫の思い耽り
「……君に提案があるんだけど、いいか?」
「内容によりますね。無理なものは無理ですよ」
思考から脱却した副団長ーーもといクロウさんは俺に提案があると言って来た。しかし、先程強くなるという決意をした俺はそう簡単に時間をー
「君に……訓練を施したい。」
「……はい⁉︎。いや、どうしてそうなった。」
何か予想の斜め上をいく提案だった。訓練?てっきりスキルの件についてだと…まぁこのレベルの人と訓練とか本当に強くなる事が出来る。1人より何倍もあるマシだが、だがしかし
「なら俺からも一つ質問ですが、あなたは副団長でしょう、王国の。何故王に剣をむける様な事を?」
明らかに、ご都合主義過ぎた。それに王に近い人物だ、王への忠義とか諸々あるはず。なので理由を聞きたかった。どんな訳があるのか、何故裏切るのかを。
「……?あの愚王に剣を向けるのに何か不都合でもあるのか?あの屑は死んだ方がいい何でこの国はあんな奴が頂点なんだ俺達騎士を何だと思ってるんだそもそもロクに政治もせず遊び呆けているし他人に迷惑をかけすぎなんだよアレはだか「ストップ!もうわかりました、充分です!」……そうか、失礼少々あの愚王には頭が痛くてなつい」
いやいや、あの王どんだけ自己中なんだよ⁉︎冷静な喋り方してるクロウさんが壊れたラジオの様に喋り出すとか…話ずれ過ぎなんだよなぁ本当。
「わかりました、訓練お願いします。それでいつから?どんな事を?」
「…明日の夜11時にこの場所に集合。内容はダンジョンに潜ってそのあと模擬戦。」
…………え、夜?てか、ダンジョン?あ、ああ超面倒くさい気がてきたぞ、仕方ないやっぱりやめ
「…今夜はこれで失礼する。わかっていると思うが他言無用だ。武器はこちらで用意する、では」
…無視された、そして去って行かれた。
夜中の秘密のトックン…うわぁ何か嫌な響きだわ
睡眠時間を削る、新たに降ってきた面倒事にため息をつく他なかった。
ーーー 一方、王城のとある一室。
「…やはり、もう一度謝った方が良いのかもしれません。一度の謝罪程度では私の気持ちは収まりません!」
王城の一室、ソフィアが寝室のしているその部屋でそんな独り言を呟いていた。
実際のところ、翡翠どころか全員元の世界では変わらず一般人なのだが彼女は知らない。
…お父様は変わってしまった。
前王女であるお母様が亡くなられてからは人が変わった様に他人を道具の用に扱い、利用して、最後に捨ててしまう、まるで他人と心を通わせるのを怖がっているかの様に。
私も例外ではなかった。勇者の中に一般人が混じっていると発覚した次の日の会議で私は、当然のように罵倒された。役立たず、屑、使えないなど前のお父様からは考えられない様な言葉ばかりだ。
勇者達の横暴な振る舞いも、止める素ぶりは無くむしろあの程度で勇者が飼えるなら安いものだと言い切った。私も騎士スキルを持つ男の人に言い寄られたが断った事を告げると、怒りの表情を浮かべて、貴様なら体で済むならさっさと捧げろ!
と言われた、流石にショックだった。
そうして、昨日から気分が良くないと言って部屋に閉じこもっているが思い出すのはやはり一般人の彼の事。本当に申し訳ない事をした。
あの日だって
「本当に、本当に、申し訳ありませんでした!
償いなら、何でも致します!なのでどうか許してください!お願いします!」
情けなくて、悔しくて、申し訳無くて、涙すら出てきた私の拙い謝罪を
「……へ?いやいやいやいや、顔上げて!…わかったから!謝罪は受け取るから!お願いだから顔上げてメッチャ見られてるからぁぁぁ!」
何故、声を張り上げたのはわかりませんが許してくださいました。それにどんな要求でも飲むつもりでしたが、「部屋と食事と…あとこの世界の事が書いてある本があればそれで充分」
と、本当に謙虚な方だった。普通は巻き込まれたと知ったら怒り出す筈なのに冷静で本当に些細な願いだけ告げられた。
……彼になら私の愚痴を聞いてもらえるだろうか、もう一度謝ってご迷惑でなければ聞いてもらいましょう。ああ、部屋を訪ねるのであれば何か軽く摘めるものでも用意しなければ、あとは…
こうしてそれぞれの夜は過ぎていった。
翡翠は、ボッチには辛いであろう女子との会話が待ち構えていた。
風上はソフィアも口説いてました…どんだけ節操ないんだ奴は。
そして遂にボッチとお姫様のお話タイムです…ボッチ、頑張れ(笑)




