閑話 リバース王国視点
今回はちょっと短め
そろそろ二章が始まる予定
「報告! 本日城下町に出かけた姫様勇者様合計三名が刺客に襲われた模様!!」
――王城に務める兵士たちの訓練場。
いつも結城が訓練していたその場所に、突如その声が響いた。
「どうやら彼らに着けていた護衛はみな撃退され、すでに勇者結城が刺客と戦闘している模様です!!」
その報告の一言に、この場で訓練していた兵士はみな驚愕する。
この王国——リバース王国の兵士は、高度な訓練を受けている。
対魔物の戦闘はもちろん、
〝魔王〟の先兵たる魔族、
そして戦争時国を守るために対人間の訓練も、実施しており――そのおかげで、この国の兵士は周辺諸国どの国の兵士よりも高い練度を誇っている。
それら厳しい訓練のおかげで兵士たちの平均レベルはXXを超え、そこに〝剣聖〟までいる始末なのだから、ほかの国より強いのは当然だろう。
―――そして、結城たちの護衛についていった兵士たちは、この国の兵士の中でも群を抜いて強い者たちだった。
彼らのレベルは、みなXXIII。結城のレベルより1低いとはいえ、それは結城がおかしいだけのこと。彼らは、十分この世界で上澄みの実力者だったのだ。
「ぞ、増援を送れ! 勇者様方がもしやられたら……俺らの国は、終わるぞ」
「しかし我らが行っても足手まといになるだけかと……!」
「ッ……! 私が行く! 案内せよ!!」
この場で唯一の隊長格の男が叫ぶ。
レベルはXII。すでにやられた兵士よりかは弱いものの、軍を率いるための作戦やカリスマなどで隊長に成り上がった男だった。
「――はっ!」
そうして、この隊長は目撃することになる。
謎の転移者、そして――《《新たな神の君臨を》》。
☆ ☆ ☆
「――なんだ……これは」
それは、圧倒的……そうとしか言い表せない光景だった。
本来あり得ないと思っていた……というより、そもそも想定もしていなかった、その光景。
――王城で捜索依頼の出された少年が、刺客を蹂躙している……?
蹂躙とは、また違うのだろう。
少年は、手を出していない。ただ、そこに浮かんでいるだけなのだから。
しかし……圧倒している。
神聖さを醸し出す、白き翼を背に。
ただ、そこに浮かんでいるだけなのに。
――刺客は、動けないでいる。
この隊長にとって、それはみなくても、聞いただけで異常とわかることであった。
みたからこそわかる。おそらく、刺客は隊長のレベルを超えているであろう。
身から溢れ出す禍々しいオーラ。おそらく、禁術だ。
それを使うには、それなりのレベル、そして代償を伴うのだから。
そして、その前に倒れている勇者 結城。
魔力に当てられたか、普通に負けたか。
どちらにせよ、彼が倒れている今、彼よりもレベルの低い隊長じゃ太刀打ちできそうもないことが、よくわかる。
しかし――今隊長は、そんなことよりも違うことを考えていた。
この隊長は、それなりに権限を持っている。
ゆえに、召喚された勇者たちのステータス、そして能力などをある程度は記憶していた。
「……こんなこと、ありえるのか?」
その中で、この少年――今戦っている〝清水 彼方〟は、この世界へ召喚された直後に消えていなくなったと記されていた、と記憶している。
能力に関しては……不明。
測定する前に、何か意味深なことを言い残して――《《消えていなくなった》》と、そう書かれていた。
〝因子〟に関しても、所持しているスキルに関しても、さらには職業さえわからない、この状況。
しかし、召喚直後に消えていなくなったことから、おそらくスキル【転移】、もしくはそれに近しいスキルを持つ〝因子〟を所持していると考えられていた。
そして、転移のような空間干渉系スキルは、かなりの高位〝因子〟を所持していなければ、使用することができない。
それすなわち――清水 彼方はそれなりに高位〝因子〟を所持しているということであった。
「……だけど、いや、それでもあり得るのか……?」
――しかし、それだけでは説明できない。
あのレベルの刺客を圧倒するには、かなりのレベルを要するはずなのだから。
この世界でレベルを上げるには、自信より上のレベルを持つ存在と訓練をするか、何らかの存在と死闘をする必要がある。
そして、彼方は、召喚直後にいなくなった……つまり、この国でまともな訓練など受けていないはずだ。
少なくとも、訓練によってレベルを上げる時間など、なかったはずなのだ。
――ということは……あの少年は、消えた後に何者かと戦っていた?
思い出すのは、彼方について記されていた手配書……いや、捜索願書だ。
――そういえば、消えていなくなる直前……何か意味深なことを言っていた、と書いてあったはずだ。
思考する。兵士をまとめる隊長角として、それなりに経験は積んできたのだ。
今のこの状況。そして、与えられている状況から、彼が何者かを、導き出そうとする。
……。
…………。
………………。
――彼は、神の使者……だったのか?
そうであれば、今圧倒できているその力だって、その純白の翼だって、全てに説明がいく。
故に、隊長がその結論に至った、その瞬間――――。
――――濃密な魔力が吹き荒れ、隊長は吹き飛ばされた。
「――元、結城くんのクラスメートで――――今は、この世界の調整役、といったところかな」
その一言を最後に、隊長はその意識を落とすのだった。
あとがき――――
第二章の考えがまとまってきたはいいものの、最近小説書いてなかったせいでスランプがすごい。
多分後少しで更新再開します。
閑話なので今回は短め。次回、第二章プロローグ!
楽しみにしていてください。
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ではまた、次章で会いましょう。




