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ガチャとRTA持ちだけど、早く帰って昼寝したい  作者: parade
第一章

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第1話 覚醒の儀式は、だいたい理不尽

 十六になると誰でもスキルが生える。世界がダンジョンだらけになってから、それが当たり前になった。

 問題は生えるスキルを選べないってことで。


「遊佐律。あなたのスキルは――『ガチャ』と『RTA』です」


 鑑定士のおばさんが微妙な顔をした。会場がざわつく。俺は眠かった。

「あの、それって攻撃系ですか?」

「わたくしにも分かりかねます。前例が……ないので」

 外れだ。みんながそう思ったのが空気で分かった。俺もそう思った。ならもう帰って寝たい。



「りっちゃん外れとか終わってるでしょ!?」

 幼なじみの陽菜が校門で待ち構えていた。回復スキル持ちで、成績優秀で、俺の生活を勝手に管理したがる面倒な女。

「外れだから寝る。じゃあな」

「待って! ダンジョン部、入部届これ書いて!」

 突きつけられた紙を俺は本能で押し返した。ダンジョン。もぐる。戦う。疲れる。昼寝が消える。全部やりたくない。

「なんで俺が」

「うちの部、廃部寸前なの。人数足りないと来月潰れる。りっちゃん外れなら暇でしょ?」

「外れは差別だし、暇は正しい」

 その時ふっと視界に文字が浮かんだ。


 ――『RTA』起動:最短で断る場合の最適解を表示しますか?


 いや断らせろよ最適に。首を振って消す。陽菜が上目遣いになった。これはずるい。昔からこれに弱い。

「……週一な。週一だけ」

「やった! 明日の放課後、集合ね!」

 こうして俺の平穏な昼寝ライフは、あっさり質に入った。

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