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家族旅行。

 色々有った。神と戦ったりしたが、良く考えると魔神と日常的に稽古してたな。そんな、普通の生活を繰り返す。


「あああああああ・・・・・・」


「すげえ声だな」


「だって・・・すっっっっごい、気持ち良いよ」


 砂浜でゴロゴロ。砂がまとわり付くのにも構わず、日に焼ける。アオミドリの白い肌が・・・別に焼けもしない。地上の日光程度の熱で、魔王の肌が負けるはずも無かった。ポカポカあったかい、こたつのようなものだ。


 家族総出で、バケーション。子供達が、少し大きくなったので、思い切って来てみた。


 幸い、まだ蹴速は疎まれていなかった。もうちょっと大きくなると、私の服、お父さんのと一緒に洗わないで。とか言われ始めるかも知れない。眠る前、少しそのシーンを想像して涙ぐむ蹴速だった。


 まだ、全員とビーチボールで遊べる。子供達全員と同時に、20数個のボールで遊ぶ。こんな時、強いと楽が出来る。子供達も、それなりの速度の蹴速を見失っていない。


 ああ、この時がずっと続けば良いのに!


「蹴速君、幸せそう」


「絶対、間違い無く、子離れ出来ないタイプ」


 妻達の目には、若干の温度差が有った。


「こんなにも肌を見せて。破廉恥ではないの?」


「大体、皆こういうの着るんだよ。ふつーふつー」


「うーん」


 人間の風習に慣れ始めたとは言え、この水着には慣れていない。光天は水中に入る際、着替える必要など無いのだから。


「似合っておるぞ」


「そう?・・うーん」


「蹴速も、似合っていると言ってたぞ」


「まあ、だから着てるんだけどね」


 水面に座り、海水をすくって遊ぶ。砂浜で、砂をすくうのと似たようなものだ。


 少し遠くの島で、見事なシンクロを決めるモモ、獣沓、合沓、マシロ、アミノン。今すぐ、蹴速が自作メダルを与えるレベルの可愛さだった。何なら、そこらの惑星を1つ圧縮して、宇宙に1つしかないメダルだよーとあげても良い。子を、甘やかしたい!!


 適当に遊んで、お昼ご飯。沖合いで獲れた、小さなクジラを主役に、持って来た肉野菜を焼いていく。バーベキューだ。これをやるだけで、ものすごく楽しんだ気持ちになる。蹴速も、両親とやった記憶が有る。おれにも、出来た。


「出来た!」


「おお!」


 祝寝の指示通りに動くコマと化した蹴速以下の武人共。何しろ数が多いので、ドンドン回して行かないと、誰かの食べ終わりに食べ始める者が出てくる。


「美味い」


「うん!」


 特別な味付けなどしていない。極端な事を言えば、家の方が、手の込んだ料理を作れる。だが。


「空の下、海を見ながら食うのは。美味い」


 欲すれば、海岸ごと手に入れる事も出来る。が、めんどい。維持を誰がやるのだ。たまに来て、遊べれば、それで良い。


 子供達の夏休みに合わせての、旅行。ちゃんと旅館も貸切で取ってある。


「狭くて悪いな。獣沓、合沓」


「大丈夫ですよ」


「ああ。夏だ。風邪も引かない」


「なら、良いが」


 超騎士の結界を宙に浮かべ、そこに寝てもらう。外からは見えない特別性だ。その代わり、飛行機械、飛行兵がぶつかる危険性も有るので、近づき難い気流も添えておく。


「温泉とか、拷問ですかって話よ」


「平気なんやろ?」


「そらそーよ」


 クラゲンとアミノンも、短期休暇と言う事で一緒に。魔力を植え付けられた2人は、地上を苦にしなくなった。無論、そこまでの修練は生易しくなかった。全身を身悶みもだえさせるクラゲンを取り押さえるのは、蹴速にも難しかった。単純に、手が足りなかった。なので、暴れさせるだけ暴れさせて、被害を抑えるようにした。自分を攻撃させたのだ。どれほどの力で防御するとクラゲンにダメージを与えてえしまうのか全く分からなかったので、優しく相手をした。素の肉体性能を鍛えておいて、本当に良かった。


 大広間で、雑魚寝ざこね


 明日も遊ぶ。全力で。良く休まなくては・・


「フッ!」


「おおおおお!」


 まー、そーなるよね。


 スーパー枕投げ大会開始。魔王魔神の屍を踏み越えて、勝ったのはアミノン。全ての胴体部に当たるまで負けていない、と言うルールに助けられた。更に手数も稼げるので、向いているかも知れない。宇宙最強の枕投げ海王。その誕生の日であった。


 光天も、子、表光ひょうみつ、夫、蹴速とをかすがいにして、家族に完全に馴染んだ。


 あの時。天に攻め入った時。最後まで出て来なかった奴が居る。辛うじて、シロと会話くらいはしたそうだが。そいつも、光天、シロと同格。


 震える。今の生活も、十分に充実している。更にまだ楽しみが有る。こんなにも幸せで良いのだろうか。もちろん、自らの幸せの我慢など、した事は無い。必ず獲って来た。だが、結果が伴うか否かは、人類最強であろうと関係無い。ただ、幸運で在る必要が有る。戦うに足る者に会えるか。毎日を一緒に過ごせる者に会えるか。会うまで歩みを止めず、会ってから共に歩み。


 蹴速は、翌日の浜辺で腹の上の合沓を高い高いしながら、思った。この子が、生き易いように、世界は、支配しておく必要が有る。神々と早期に事を構えられたのも幸運だったか。トラブルの種が1つ消えた。我欲にまみれた生活をするためには、実は努力は欠かせない。本当に自分が欲しいものを、普通、他人は知らない。欲しければ、自分で動くしかない。


 祝寝を、助けに行ったら。嫁と子が出来た。ついでに、世界も1つ手に入れた。


 毎日、メシを楽しく食べれる。それが、欲しかったもの。蹴速は、手に入れた。その生活の維持のため。家に帰ったら、蹴速はゴミ出しに勤しむのだ。蹴速は歩み続ける。


 蹴速が、行く。








 終天編。完


 そして。


 蹴速が行く。完。

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