2-14 山での修行?4
朝-鳥の囀りが響き渡るのが聞こえ、目を開けて身体を起こす。窓から見える外の景色は今日も晴天だ。昨日に引き続き、七海と茜は朝の身支度を終えて部屋を出た。
「うわあ‥風が気持ちいいねえ!!」
二人仲良く伸びをしていると、遊馬と道明もテントから出て来た。既に身支度を整えており、ボンバー頭ではない。
「おー!おはよう!」 「おはようございます。」
圭輔とさくらが朝食の準備をしてくれている。
「さくらちゃん、今日は大丈夫なんだね?」
「えへへ、今日はかなり早く目が覚めてしまったので、少しのんびりしてたんですよ。」
少しはにかんだように言うさくらは妙に可愛かった。
「遊馬、ミチ、テント畳むの手伝え。」
鷹也がそう声をかけると、二人はまとめた自分の荷物を山小屋へ運び、せっせとテントを畳み始める。バーベキューコンロは既に片付けてあり、きれいに荷造りされていた。食料が大量に入っていたクーラーボックスも空になっており、それも積み上げる。
「じゃ、頼む。これキーな。」
「うい。」
来た時と同じように荷物を全て持ち、渓流沿いを走り出した。
「ええ!?どういう、こと?」
「ああ、車に荷物置いて戻って来るよ。みんな起きるの早いから。まあテントも持っていけたし、良かったか。」
昨夜のうちに炊き切ったご飯で作ったおにぎりと、肉野菜炒め、具沢山の味噌汁が朝食だ。
「何か今回、とにかく飯が美味い!!」
「それな!!」
「「またBBQやりたい!!」」
まだひんやりとした空気の中、温かい味噌汁は格別だ。
そうして朝食を終えると、焚火の始末や山小屋の掃除を手分けして行う。特に炭はなかなか消え切らないため、渓流から水を汲んでしっかりと消火した。
「そういえば道明、地脈についてはどうだ?‥何か気づいたことはないか?」
圭輔に問われ、うーん‥と考え込む。
「この辺りは特に何も感じないというか、もっと麓のほうなのかなあ?」
道明は地に手を当ててみるが、やはりこの近辺では特に何も感じなかった。
「行ってみたい方向があるなら言ってくれ。‥場所によっては行けないが‥」
「ただいまー」
そんな会話をしているうちに鷹也が戻って来た。
「え!?‥待って!この短時間に車まで行って戻って来たの?」
「うん。最短ルートだと早いからなー。あ、これ車のキー返すね。」
事も無げに言い放ち、自分の荷物を取りに山小屋へと歩き去る。4人は呆気に取られて見送るが、さくらだけはくすくす笑っていた。
(さくらちゃんは鷹兄のこと、分かってるんだなあ。それもそうか、婚約するわけだし。)
七海は少し寂しいような複雑な気持ちになった。
「一応全員、忘れ物がないかどうかだけ確認してくれな?」
圭輔の言葉に再度リュックの中身を確認し、山小屋の中も最後にくまなく確認した。
「よし、それじゃあ行こうか。」
圭輔が先頭を歩き、女子二人の傍らにさくら、殿が鷹也である。幸いにも晴天に恵まれたためにぬかるみはないが、それでも木の根などに足を取られそうにはなる。
「これって来た時とは少し違うルート?」
道明の問いに圭輔が頷いた。
「最終的に同じ場所に出るんだけどね。経由する山小屋が変わる。今から行く方が新しいんだ。」
女性陣たちは山小屋があり、トイレがあることがありがたかった。万一の時用の一人テントとシャベルまで用意してくれてあるらしい。幸い利用しないで済んでいるのだが。
下りは少し辛かったが、それでも何とか転倒することもなく、無事に目的地の山小屋にたどり着いた。
「‥このペースだと昼をかなり回ったあたりの下山かな。みんな、大丈夫か?」
圭輔が少々心配そうに尋ねるが、今のところは元気らしい。
「下山したら昼飯食いに行って、温泉寄って帰るか!!シャワーだけだったし、広い風呂はいりたいだろ?」
その言葉に全員が歓声を上げた。さくらも嬉しそうに笑っている。
「あれ!?」
道明が突然立ち止まった。休憩を終えた後、さらに下ったあとのことだ。
「‥どうした?」
先頭を歩いていた圭輔が振り返り、道明を見つめる。
「え、なにこれ?‥何か、すげー不思議な感じ。」
「あーなんか地熱が高い感じじゃない?」
道明が困ったように呟くと、茜が地面に触れながらそう尋ねる。
「言われてみると‥七海、地下水脈みたいの、分かる?」
七海も地面に触れ、探ってみるが分からなかった。
「うーん‥ごめん、ちょっと分からないや。」
申し訳なさそうに言うと、道明は鷹也を見やる。
「うん、あるね。‥たぶん温泉出るな、ここ。そこまで温度は高くないというか、適温かもしれない。」
圭輔が感心したように道明を見て、笑顔になった。
「すげーな。俺には全然分からなかったぞ?よく気づいたな?」
少し誇張して声を大きくしたのは、七海に聞かせるためだと道明は気づいた。水脈が分からないと言ったときの七海が、少し落ち込んだように見えたからである。
「やっぱこういうのって、個人差あるの?」
道明が尋ねると圭輔は「もちろん」と答える。
「あれだろー?得意科目と不得意科目みたいな?」
「あははは!あっくん、面白い例え方するよねー!」
遊馬が言い放った言葉に茜が即座に反応する。
「上手いこと言うね、遊馬。まあでもそういうこと。七海、雨が降りそうなのは正確に分かるだろ?」
鷹也がそう話を振ると、七海はそういえばと頷いた。
「俺は、そっちは分からないからなあ。‥ま、そういうもんだって。」
七海は頷いて笑顔になる。どうやら落ち込んだ自分をフォローしようとしてくれたことに、ようやく気付いた。
「あーなんかごめん!変にナーバスになってて気を遣わせてるよね?‥ありがと、みんな!」
明るい口調と笑顔で言い、皆が笑顔で返す。そして圭輔は地図を取り出して印をつけた。
「ここに温泉出来たら近くていいなあ。地元の人たちみんな喜ぶかもしれない。」
圭輔がそう言って笑顔になり、道明も笑った。
「出来れば自然をなるべく残したいね。‥山の中にある秘湯、みたいな感じでさ。」
「‥たぶん湧水も出そうだしな‥庭に湧水池と川作るのもアリだね。」
そんな話でもちきりになり、山神様とも話しながらどうするかを考えることになった。
「まあそれと、鉱脈とまでは行かなくても金は出そうだね。‥川で砂金は取れるんじゃないかな?」
道明が地面に触れながら呟く。
「へえ‥そんなことまで分かるのか。」
「うん。たぶん川沿いを歩くとどこらへんが多そうか、たぶん分かると思う。‥泊まった山小屋よりも、もっと下流の方だね。」
圭輔は聞きながらノートにメモをしていく。やはり道明を連れて来て正解だったと喜んだ。
「よーし下山だ!!お疲れ!!」
ようやく駐車位置まで戻ったのは、昼をかなり過ぎた頃だった。
「さて、じゃあ車に乗ったら出発するぞ!!」
ようやく帰って来られてホッとしたのか、全員テンションが高い。どやどやと車に乗り込んだ。
「おつかれ。何かあったら連絡して。」
鷹也だけは車に乗らず、リュックを背負ったまま手を振った。
「えー鷹兄来ないのかよ」
「なんでー?」
「えええええ」
「ちぇー!」
4人は文句を言ったが、鷹也は手を振って去って行く。
「温泉一緒に入れると思ってたのに!」
「それな!!」
道明と遊馬も残念そうだ。
「鷹兄、付き合い悪くない?」
「そーだそーだ!」
七海と茜も残念そうに不平を漏らす。
「え、さくらちゃんは一緒だよね?」
七海と茜に聞かれ、さくらは笑顔で頷いた。女子二人はそれで満足したらしい。
まずは近くのファミレスに寄り、昼食とデザートを堪能する。バーベキューメシも美味かったが、これはこれでまた別の美味さだ。
「そういえば、甘いものって全然食べてなかったんだよね!」
「言われてみれば確かに!!でもさ、なくても不満じゃなかったよね!?」
七海と茜がパフェを食べながら盛り上がった。
「あー確かに。あれかなー自然の中にいると、味覚まで自然になるのか?」
遊馬が首を傾げながらこちらもパフェを食べている。
「ここでは食べられないって思うせいかね?‥禁断症状も出なかったなw」
道明も嬉しそうにパフェを口に運んでいる。4人ともスイーツは好きであり、茜のケーキ屋にも良く買いに行くほどだ。
「さて、軽く反省会をしようか。」
圭輔がにこやかに4人を見つめた。少しばかり緊張し始めたのを見て、圭輔は笑い出す。
「そうだな、今回参加してみて気づいたこととか、発見があったら聞きたくてさ。」
軽い言葉になったため、途端に表情が緩む。
「はーい!バーベキューがあんなに美味いと思わなかった!またやりたいでーす!あとは‥えっとね、今まで何かモヤっとやな感じだったのが、“穢れ”ってやつのせいだって分かって良かった。そういうの感じたら、とりま鷹兄に相談するー!」
最初に遊馬がそう述べた。
「うん、風系譜が一番敏感といわれているからね。‥そうか、ご両親は開眼されていない?」
遊馬は頷いて首を傾げる。
「だからさ、相談出来る相手がいなかったんだ。だから鷹兄に色々とねー!」
七海はその言葉に改めてハッとした。周囲に誰も開眼者がいない中、相談も出来ない状態というのが想像出来なかったのだ。
「鷹兄と仲いいのって、そういう相談もしてた、から?」
思わず七海が問いかけると、遊馬は頷いた。
「だってさ、親に聞けないから。身近で聞きやすいのって言ったら、やっぱ鷹兄じゃん?」
「そっかー!」
遊馬には兄もいるが、五十嵐家での開眼者は遊馬だけだ。そういえば誰に神楽を教わっているのだろうか?
「え?遊馬ってさ、誰に神楽を教わってるの?」
「え?七海んとこの霧江さんだよ?てかたまに、七海のお母さん?も来るし。」
七海は驚きの声を上げた。
「ええええ!?知らなかった!!あー遊馬の家、広いもんねえ‥」
敷地も家もかなり広いため、神楽を練習する場所には困らないのだろう。
「えーでもちょっと羨ましいな~!そうか、お母さんも霧江さんも風系譜だったんだっけ!」
「うん。わざわざ言う必要もないかなって思ってたけど、何か悪りい。」
遊馬が珍しく決まり悪そうに言ったので、七海は慌てて手を振った。
「いやいや!そうじゃなくって!‥気にしないでこれからもえっと、よろしく?」
七海が慌てたため、遊馬が笑い出し、つられて七海も笑った。
「あ!ええとね、俺はけっこう体力に自信あったんだけど、山道ってきついなーって思った。ロードワークに少しだけ山道も入れようかと考えてる。‥神楽の方もさ、空手が上達したら一緒に上達しそうな気がするんだよね。地道に頑張る!」
道明らしい言葉に、七海は笑顔になった。きちんと努力をして、きちんと結果を出す、そんな姿勢がすごいなと改めて思うのだ。
「じゃあ私!‥これまではね?間違えたらどうしようとか、失敗したらとか、悪い方にばっかり考えてたの。だから気にするのをやめて、間違えたときに考えようって実践してるとこ!それでもまだ考えちゃうんだけどね。実践が出来たの、私は良かったなって思ってます。圭輔さんもさくらちゃんも、すっごいカッコよかったし!私もああなりたい!」
茜は笑顔で言い、さくらと圭輔を見やった。二人とも笑顔で頷いてくれる。
「私はまだまだ迷ってる最中。どうすればいいのかなんて分からないけど、焦らずに少しずつ前に進めたらいいなって思ってます。‥それでもやっぱり落ち込んじゃうこと、あるかな。でもね、今回本当に思ったのは、圭輔さんもさくらちゃんも、道明も遊馬も、茜も‥みんなすっごい気を遣ってくれてるなって。嬉しくてでもちょっと悔しい。だからまた頑張ろうって思ってる。ありがとう、みんな!」
七海はそう言って改めて頭を下げた。全員が温かい眼差しで七海を見ている。
「ははは‥そんな風に気付きがあって、課題が持てたこと。本当に良かったなあと思っているよ。困ったことがあったらいつでも相談してな?‥さくらさんからも一言いいか?」
さくらは居住まいを正し、少し緊張した様子だ。
「ええと、お疲れ様でした。圭輔さんの指導、すごいなあって思ってました。それとみんな、初めての実習で不安もあったでしょうけど、本当に落ち着いていたことに驚きました。‥さいしょはね、怖くて動けなくなってしまう人もいて‥私が同じように体験実習したときは、出来なかったの。だから落ち着いて舞えたこと、出来た自分を認めてあげて?‥困ったら相談してね?」
さくらの告白に4人は驚いた。あれほどの技量があるなら、きっと最初から凄かったのだろうと勝手に考えていたせいだ。
「ははは、意外だろう?‥けれど浄化に関していえば、既に俺以上の技量があると思っているよ。」
「いえいえ‥祓いがどうにも苦手で。祓いの時は演奏専門です。」
さくらは謙虚に言い、微かに笑う。
「みんなに褒めてもらえて嬉しかったけど、私もまだまだ課題があるの。神楽での祓いは苦手だけれど、演奏は得意なので出来ることから伸ばしている所。だからね?出来ないことよりも、出来ることを理解して、それを伸ばす方法もあるんだって。そう考えて欲しいかな?」
さくらが自分に言ってくれているように感じ、七海は微笑んだ。
(そうか‥さくらちゃん、本当に私のお姉ちゃんになるんだ!)
改めてそう実感して喜びが湧き上がってくる。こんなに優しい姉が出来ることが、ただただ嬉しかった。
その後は温泉へと行き、髪と身体を洗って湯船に浸かる。
「ふあーーー」
湯船に浸かった七海が余りの気持ちよさに声を上げると、茜が笑い出した。
「気持ちは分かるけど!!オッサンじゃないんだから!」
二人が笑っていると、さくらも湯船に浸かって足を伸ばした。常にばさりとかかっている前髪が、ない。
「「さ、さくらちゃん!?」」
七海と茜がフリーズした。余りにきれいだったためだ。
「あ!!」
慌てて前髪を垂らしたが、既に遅い。
「あー‥やっちゃいました。‥ごめんなさい、気味が悪いでしょう?」
さくらが困ったように呟く。
「は!?何が!?」
「え!?どこが!?」
本気で分からずに七海と茜が聞き返すと、さくらは再び前髪を上げた。
「私、左右で瞳の色が違いすぎて‥昔からよくからかわれてたんですよ‥」
右目が黒く、左目が薄い金色だ。
「めっちゃ‥かっこいい‥」
「きれいすぎてヤバイ‥」
二人に言われ、さくらは顔を真っ赤にして前髪を下ろした。
「もう!からかわないでください‥」
本気で困っている様子のさくらに、七海と茜は本気で言葉をかける。
「からかってないよ!神秘的ですっごい素敵だもの。隠してるの、もったいない!」
「うん、本気で素敵だと思う。‥さくらちゃん、余りにきれいな人でびっくりしてる。」
さくらは顔を赤くしたまま「ありがとう」と呟いた。
「あの、さくらちゃん?鷹兄は知って、るの?」
さくらはこくりと頷いた。
「鷹也さんは、そういう‥からかうようなこと、言う人ではないので。」
はにかみながら言うさくらに、七海は嬉しくなる。茜は恥ずかしそうに赤くなった。
「ええと‥さくらちゃんと鷹兄って‥その‥どういう関係?」
茜が尋ねると、さくらは微かに首を傾げる。
「こんど婚約することになりまして。」
さらりと言われ、茜が目をぱちくりしている。
「えーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」
ようやく聞いた内容を理解したらしい。思わず大声を上げてしまい、注目を浴びる。
「ちょちょちょ!茜!」
「ごめん!!‥けどだって!!‥え!?いつの間に付き合ってたの?」
茜の言葉にさくらは首を傾げる。
「お付き合いしているわけではないのですが。‥祖父同士の約束?みたいなもので。」
再びさらりと言われ、茜の理解が追い付かなくなっている。七海は笑いながら何とか茜を宥めすかした。
「うん、今度ゆっくり話聞こ?私もつい先日聞いたばっかりで、ようやく落ち着いた所だから、ね?」
ようやく茜は落ち着きを取り戻し、三人は気を取り直して露店風呂へと向かった。
一方、男湯では遊馬と道明、圭輔が併設されているサウナに入っていた。
「ふーー」
「くーーー」
「はーーー」
12分計を睨みつつ、汗だくになりながら細く長い息を吐く。
「やっぱりサウナはいいな‥」
「暑いけどな‥」
「それがいいんだろうが」
顔を汗が流れ落ちる。呼吸をしていると鼻の粘膜が焼かれるような感覚に陥った。
「‥12分‥いやもう少しいけるだろこれ‥」
「ほら、出るぞ。水分補給もしないとな!」
圭輔に言われ、渋々サウナを出る。かけ湯をして水風呂に入った瞬間、三人は思わず声をあげた。
「「「だーーーーー」」」
余りの気持ちよさに、魂が抜けそうな気さえする。その後は外のデッキで外気浴だ。
「やっべーーー」
「ととのうー」
「やべえなこれ…」
三人はデッキベッドの上に寝転がり、脱力した。
「二人は神楽祭出るんだったな?‥今回俺は行けないけど応援しているよ。」
圭輔がそう言って笑うと、二人も笑顔になった。
「初めてだから緊張すんだよなー」
「いやお前、緊張とかしないだろ、絶対!」
これまで遊馬が緊張している場面を見たことなど、殆どない。
「そんなことねえってー‥あー七海ほど固くなったりはしないかー」
緊張するとガッチガチに固まってしまう癖が七海にはあった。
「ああ‥なんであいつ、あんなに緊張するんだろうな‥」
道明も緊張はする。しかし言われてみると七海の緊張の仕方は、相当なものだ。再び三人はサウナに向かい、時計をチェックした。
「‥失敗してはいけない。じゃないかな?あの子は、自分を追い込む癖がありそうだ。」
圭輔はぽつりと呟いた。
「あ~‥でもさ、それで七海の価値が下がるわけじゃないだろ?」
「俺らはそう思ってるけど、完璧主義なとこ、あるじゃんか。」
遊馬と道明の言葉に、圭輔も頷く。
「‥でもな、茜ちゃんやさくらさん、お前らがそうやって気にかけているだろう?」
「「そりゃ、友達だしな!!」」
遊馬と道明はきっぱりと言い切り、笑い合った。
「ははは。そういう仲間がいれば、きっと大丈夫だよ。いいカルテットじゃないか、お前たち。」
「カルタ?」
お約束のボケを遊馬がかまし、道明が笑う。
「4人組のことをカルテットっていうんだよ。‥まあ、高校になったらバラけちまうんだなあ。」
道明が感慨深げに呟く。
「俺と七海は東京、茜が関西だっけか。けど、会いたけりゃいつだって会えるぞ?」
遊馬はそう言って笑い、早々に出て行った。
「‥あいつのああいうとこ。やっぱいいな!」
自由で縛られず、思い立ったら行動する、そんな遊馬の身軽さが好きだった。
「よし!12分だ!行くぞ!」
圭輔に促されてサウナを出、水風呂と外気浴へ向かう。
温泉を終えた後、全員が車に乗り込んだ。
「よし!帰ってゆっくり休んでな?」
「「「「ありがとうございました」」」」
こうして無事に山での修行を終えた4人は、家まで送ってもらい帰宅した。それぞれが自分の課題を見つける、良いきっかけになる経験になったのだった。
ついにさくらの顔が明らかに!
※画像はAIによるイメージです。




