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セカンドライフ〜インベントリって素晴らしい  作者: 清香


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54 夕食会(商談成立) 〜 夕食会(祝出産祝双子誕生)

 サリシン義父様は比較的良くいらしてますが、マジェンダ義兄様やキエランさんはそうでも有りません。特に公爵位をついでからのマジェンダ義兄様は初めてです。折角ヴェルムまで来て頂いたので、料理長に食材をいろいろと渡して、マジェンダ義兄様お疲れ様晩餐会?を開きました。


 テーブルには沢山のお料理が並びます。私の所為で普段、人を招いてパーティーをしないので、料理長が張り切ってしまいました。(笑) 何時ものオーク肉のカツや一角兎のシチュー、ドラゴン系の肉の唐揚げと言った鉄板メニューの他にも、ダンジョン産の材料から料理長が沢山調理してくれました。


 人気の高かったのは、シュリンプやホタテを使ったサラダ。ワイバーンの肉のステーキ。シーサーペントの唐揚げ。ファイアタートルの煮込み料理など。締めのゴールデンビーの蜜を使った冷たいデザートです。カヴィヨンも3歳なので、喜んで食べています。


 『マジェンダ様、この料理だけでどれだけレアな食材が使われている事でしょう!私は今後の人生全てをミスティーヌ様に捧げたくなりましたよ。許されるものなら此方に越して来たい……』


 『キエラン。ミスティーヌはね、そういう事を全く気にしないでもてなすのだよ。だからね、気にしたら負けだ。そうだね。次は何でもてなしてくれるかな?って前向きに考えると良いよ。

 それから、君はリストランテのギルマスだって事を忘れない様に。』


 『そうですね。普段から気にせずに食べております私は、常に感謝の気持ちだけですね。食材が珍しい物だったり、美味しい料理を食べると、ミスティーヌの愛情を感じて私はとても幸せになります。

 ねぇ、カヴィヨンだって母様に美味しい料理を作ってもらって幸せだよね。』


 『かあさまのかーらげはね、とっても美味しいの!リョーリチョーのより美味しいの!でね、フェンママとおベンキョしてて疲れると、こっそりと食べさせてくれりゅクッキーも、プリュンも、キャンディーも、とぉ っても美味しいの!美味しくてホッペがフリュンッてしちゃうの。

 あぁっ!モリーノったら。(笑) フェンママに甘いのねだってね、食べ過ぎて叱られてりゅの!』


 あらっ?ハリシエダ父様に話し掛けられて嬉しそうに話していたと思っていたのに、カヴィヨンったら。モリーノがこっそりと、蜜をかけたアイスのお代わりをねだりに来て、フェンリル母様に見つかって叱られているのに気付いたのね。モリーノは隠密行動をしていたはずなのに、カヴィヨンったら、気配に聡いなんてフェンリル母様の教育の賜物ね。


 キエランさんには、人化したフェンリル母様の事を侍女長として紹介されているので、多分、聖獣様とは気付いていないようですが、モリーノはまだ人化出来なくて、カーバンクルのままだから聖獣と分かったみたいです。カヴィヨンの指摘でモリーノが居る事に気がついて、目を丸くしてます。サリシン義父様が、


 『モリーノ様は、お身体の割には沢山召し上がりますね。』


 と笑って呼び寄せて、自分のアイスを食べさせています。サリシン義父様は可愛いモリーノがお気に入りらしいのです。ハリシエダ様にこっそりと話したら、『普通、聖獣様は敬うものでしょう?』と不思議がられました。でも相手は食いしん坊のモリーノですよ?…私の感覚の方が変なのかしら?


 カヴィヨンの発言で認識阻害が破れてしまったモリーノですが、余り気にしないで、サリシン義父様の膝に乗ってデザートを食べさせてもらってますね。


 今まではお料理を持ってパール様の処に行ってましたが、パール様が旅だってしまったから、人が集まる時には私の影に潜んでいる事が増えたのですよ。今夜も私の影からこっそりと食べていたのですが、デザートに釣られて出て来てしまったようです。(笑)


 『噂には聞いてましたし、ミスティーヌ様ですからね。何が起きても驚かないように身構えてはいましたが、まさか!カーバンクル様のお姿を拝見する事になるとは!

 あぁ!ですからカーバンクルの涙をお持ちなのですね!』


 あら?リーバスさんが珍しく動揺しています?私がモリーノの涙と呼んでいる宝石は、ここ数年、殆どが私の出品した物だけになっているのですよね。気付いた範囲で私が全て確保してしまいましたから。他国の事情はわかりませんが、モリーノとモリーノの両親が落とした宝石は、かなりの確率で私のインベントリに集まっていますね。


 『噂に依ると、カーバンクルの涙が見つからなくなったのは、聖獣様が消えたからで、新たなカーバンクルの涙が出て来ない為、下手に存在を明らかにすると盗賊に狙われる。と、所持している事を隠す方が増えたそうですよ。

 最近王都のギルドで聞いた噂ですと、数年前にカーバンクルの涙を扱った事の有る店が盗みに入られて、散々な目に遭ったそうですね。その盗品と思われる品がオークションに出たらしいのですが、カーバンクルの涙は出なかったので、在庫を持ってはいなかったようだ。という話を聞きましたよ。』


 キエランさんがモリーノを見ながらしみじみと話しています。


 『最近では王家以外には出してませんね。キエラン、必要な時は私を通しなさいね。直接ミスティーヌに頼まないで下さいよ。』


 『サリシン様、そんな無謀な事はしません。確かに依頼が来ない訳では有りませんが、塩漬けのままで無視出来る物しか来てませんから安心して下さい。

 あ、でも王都のギルドでは、グランダイン侯爵から依頼が来ていると此方にも打診が有りましたね。ヴェルムに聞いてもらえないかと言って来ましたが、直接リーバスに言えば良い。と思い放っておきました。』


 『あぁ、来ましたね〜私も取り扱った事は有りません。と、冒険者ギルドにお願いしてみたら?と返事しておきました。』


 王都の冒険者ギルドからの依頼は、サルカンドに居た頃から断ってますからね。モリーノの涙はヴェルムに来てからは表立っては出してませんし、私が相手を選んでいますから、見栄を張りたい。とか、顕示欲の見える物、誰かへの賄賂として使われそうな依頼には答えません。リーバスさんの苦笑いに、


 『正当な?理由なら私も依頼を受けるかどうか考えますよ。』


 とモリーノを見ながら答える私でした。…ふふっデザートを食べさせているサリシン義父様の手に、モリーノが何か落としてますねぇ(笑) モリーノが自らの意思で贈るのなら良いと思いますよ。(笑)


 因みに、王妃様の依頼で裏から手配したモリーノの涙を使ったティアラは、隣国の王妃様の節目のお祝いに贈られたそうです。隣国でも幻の宝石に喩えられているそうで、大変喜ばれたそうです。……周囲の目を配慮して、王家の宝物庫から出された事になってますけどね(笑)



 リーバスさんから届いた新しいマタニティーのお陰で、暑い季節もなんとかやり過ごし、爽やかな秋を過ごしています。お腹の膨れ具合からも、もう何時産まれてもおかしくない状況になっています。足元が見え難いなぁ。とゆったりと動く様にしているのですが…最近、ハリシエダ様の過保護も復活し掛けている様な気がして、少し面倒に思っています。回復の付与魔石を常時付けているお陰で、体力的な物は問題無いと思っていたのですが、見落としが有った様です!


 回復の付与魔石のお陰で、カヴィヨンを産んだ時の様な痛みが無かったので気付くのが遅れました。ツゥっと、脚に何か生温かい物が伝わっているのを感じて足元を覗くと、既に破水していたようで、水溜りがありました。


 そこで初めて痛みを感じ、座り込んでしまいました。一緒にいた侍女の悲鳴に気付いたフェンリル母が、素早く転移で来てくれて、予めフェンリル母が既に用意していた部屋に連れて行かれ、太い手すりの付いた出産用の椅子に座りました。フェンリル母が付いていて、私の代わりに?いろいろと指事を出しています。私も手すりを握り締めながら痛みを逃しつつ、医師が駆け付けるのを待っていたのですが、医師が来るよりも早く、第一子の頭は出ていたそうです。


 フェンリル父を通じて伝言を聞いたハリシエダ様が駆け付けた時には後産も終え、寝室に戻って双子に初乳を与えてました。先に出て来たのが女の子で、後から出て来たのが男の子でした。双子の場合、長くお腹に留まった子が上?だそうで、第二子が次男。第三子が長女になるそうです。


 『ミスティーヌ、お疲れ様。可愛い子供達をありがとう。出産に立ち会えなかったのは残念だったけど、ミスティーヌも赤ちゃん達も元気で良かった。』


 感極まった様な口調ですが、嬉しさが伝わって来ますね。医師に母体の安全と、双子の健康状態を聞いて安心したそうです。双子は二人とも丸々と太って産まれたので、健康に問題は無さそうです。私も疲れてはいますが、多少貧血気味以外は問題無いそうです。流石は回復の付与魔石の効果です。でも、痛みに鈍くなると言う欠点に気付いてしましました。出産間際の使用には注意喚起が必要かもしれませんね。


 モリーノと一緒に来たカヴィヨンは、さっそくベッドの双子に寄り添って、ニコニコと顔を眺めながら、


 『ワタシがニーさまですよ。たくさん遊びましょうねぇ。』


 と語りかけています。その姿を見ているだけで幸せな気持ちになります。三人の子供達を見て落ち着いたのか、ハリシエダ様も私のベッドに近づき、笑顔を見せてくれました。


 『ありがとう、ミスティーヌ。そしてお疲れ様でした。顔色は良さそうだけど体調はどうかな?』


 私よりもよっぽど顔色の悪かったハリシエダ様。倒れないか心配でしたよ。と内心思いながらも、


 『付与魔石のお陰で体調に問題は無さそうです。たぶん、出産の関係で貧血気味になるのは仕方ないから、余り気にしなくても大丈夫と言われました。処で、子供達の名前はどうなりましたか?』


 と聞くと、本当に自分一人で決めて良いものか…と悩んでいます。サリシン義父様やマジェンダ義兄様とも事前に相談して、子供達の名前は親が付ける。と決めた筈なのですが。取り敢えず、ハリシエダ様の決めた名前の候補を聞く事にしましょう。


 『幾つか考えては有るんだけど……次男には、クリスティ。長女には、ジャレットではどうだろう?』


 と双子の顔を覗き込みながら言います。私は響きの良い名前だと思うので、


 『素敵な名前です。私達からの最初の贈り物ですね。』


 と答えると、ハリシエダ様はホッとした顔になりました。医師を見送りに出たフェンリル母が戻って来て、私達の様子を伺ってましたが、私の顔色を観察すると、


 『ミスティーヌはそろそろお休み頂く時間ですね。お食事の時に起こしに参ります。皆様もミスティーヌを休ませてあげて下さいね。』


 と言うと、侍女に双子を抱かせて、カヴィヨンを抱き上げたハリシエダ様と一緒に部屋を出て行きました。静かになった部屋で私はウトウトと眠りにつきました。


 暖かな部屋の中には双子の寝ている移動式のベッドが置かれて、サイレントスパイダーの糸で織られた天幕が張られています。静寂の効果の有る天幕なので、周囲で話していても双子には聞こえず、眠りを妨げない仕組みになってます。


 同じ部屋の中には料理長が張り切って作った料理がテーブル一杯に並んでいます。薄い天幕越しに双子の様子が伺えるので、安心して語らいながら食事が出来るようになっているのです。


 用意が整ったと起こされ、支度して部屋に着いた私は、おめでとうの声で出迎えられました。モリーノがリストランテを往復して、サリシン義父様とマジェンダ義兄様の家族を呼んでくれていました。カヴィヨンは久し振りのレイチャイルド様と楽しそうに話していて、ユーリウス様とヴィクトリア様のお二人は双子のベッドの処で覗き込んでいます。


 ハリシエダ様の音頭で夕食会が始まりました。和やかに会食は進み、私はクリミアナ義姉様に呼ばれて近付くと、優しく抱きしめられて祝福されました。


 『レイチャイルドも大きくなり、私はもう出産の予定が無いから、良かったら、子供達のお下がりを使ってくれないかしら?

 この前リストランテに来た時に、カヴィヨンに玩具を何点か選んで貰ったでしょ?あの時の喜んだカヴィヨンを見たレイチャイルドがね、自分のお気に入りの物とか、カヴィヨンにあげたくて仕方ないらしいの。

 ユーリウスからもらった時の事を思い出して、お兄様振りたいらしいわ。』


 と笑っています。私もカヴィヨンの笑顔を思い出して、嬉しくなりました。


 『そうですね。クリスティとジャレットも生まれましたし、カヴィヨンが大切に遊んで、下の子達に繋げてくれたら私も嬉しいです。ハリシエダ様に相談してからですが、甘えても宜しいですか?』


 と答えると、


 『ええ、喜んで!』


 と笑顔が返って来ました。私達が盛り上がっているのに気付いて、ハリシエダ様達も話しに交わり、いろいろと頂く事が決まりました。


 夕食会が終わり、リストランテ組はモリーノに転移で送ってもらって、ユーリウス様はフェンリル父が王都に送って行きました。ついでにランティス様の顔を見に王宮にも顔を出して来るそうなので、お料理等も沢山持って行ってもらいました。


 皆様が帰られて、ホッと一息ついた時に、ハリシエダ様がポロッと…


 『ナイジェル兄様の処にカーチス達が生まれた時にも、マジェンダ兄様達は贈り物と一緒に、お下がりと称して、公爵家に伝わっている品を譲ろうとしたんだよ。由緒ある品は、それだけで価値が在ると思っているからね。ただ、ナイジェル兄様にはそれが伝わらなかったみたいでね。大切な長男に古着を着せる気か!って怒ってしまったんだ。

 母様もナイジェル兄様に味方して、新しい良い物を買い与えれば良いでしょう?お金に困っている訳でも無いのに、何故、そんな嫌がらせみたいな事を言い出すの?って、マジェンダ兄様を叱って…

 たぶん、ミスティーヌに言い出すのも、悩んだと思う。ナイジェル兄様みたいに、私を平民と見下して?って思われたらどうしよう。って。

 だから、ミスティーヌ。本当にありがとう。』


 『上からお下がりをもらうって、常識じゃ無かったの!?ましてや、価値の有る、お金では買えない物を貰えるのに?私は逆に、おねだりしてしまって、卑しいって蔑まれないかが不安だったのに……』


 目から鱗?これって、お貴族様アルアルなのかしら?

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― 新着の感想 ―
[一言] 次男にクリスティ(女性名)、長女にジャレット(男性名)と、男女逆の名付けなんですね。
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