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第1話 悪天の竜

これは、世界の運命を手中に収める組織

(誇り高き竜の眷族)に入会する前の

選ばれし者たちの日常、その一部である。


とある事件がきっかけで

自らの悠久潜在能力(オブリビオン)を使い、

街をを半壊させてしまったとある男がいた。

地球…こことは全く違うパラレルワールドの世界線。

7つの巨大な大陸は深い霧に閉ざされ

人間は一つの大陸だけで勢力を競う時代。


どこのどんな国でも起こりうるもの、

欲望に任せて押したボタンで大殺戮を行う

戦争という混沌と、それらに特異の立場から手を差す

とある誇り高き者達のお話。


「戦火は、いつも我らの手の中に」


竜の大陸、風の王国の辺境の村にて、

その村はここ最近でとてつもなく強力な大嵐に見舞われ

壊滅寸前だったが、嵐を起こした張本人によって

無事復興したのだった。


その危なっかしい男の名はストルム=エンキ。

自らの悠久潜在能力(オブリビオン)を駆使して低気圧を生み出し、

積乱雲の塊を自由自在に伸縮圧制できるのだ。

そしてそこから大雨、雷、暴風、雹、豪雪を生み出す

豪快な男である。


今日もストルムは復興作業のため

街の人にケラケラ笑われながら

大工作業と家屋の修繕に勤しんでいた。


「おーいストルムー!悪いけど角材のカット頼めるか?」

「ああ!?またかよ〜…追加注文は午前中までにしてくれよなー」

そう言ってノコギリを手に取って50本近くの角材をカットしていく。

プラズマを起こして電刃を作れたらそれは楽だが

そんな技術は持ち合わせていなかった。


しかしこれでも頭の切れる男。

ノコギリに微弱な電圧を流して切断するので

文明の利器で切断するぐらいのスピードで

仕事をこなしていくのだった。


定時になって上がるとストルムは自作の自宅に帰る。

庭が広いのでよく雲のベットを作っては夕焼け空に浸るのだ。

しかし、そんな強い力を持つが故に彼は平気で

サジを投げつけられる。


ブーン…という鈍い羽音が近づいてくる

手のひらサイズの昆虫が鳴らす羽音だが

次第に音は大きくなって正体があらわになった。

巨大なカブトムシが襲撃に来た。


ズシン!と大きな音を立てて着地する。

「…(ヤマトセイバー)がなんの用だ?」

持ち前のとても立派な兜の角でいきなり刺してきた。


ヤマトセイバー。

体色は茶色やダークブラウンが主だが

歴戦の猛者は黒い。特にツヤのある個体はとても強力な角を持つ。

知能も高く、ハチミツを好む習性があるが、

より多くの蜜を集めるためにその習性を持たない蜂にも、

蜜を作らせる技術を付与する汗を体から出す。


汗を含んだ蜂は排泄に伴って蜜が出てくるので

それを摂取するのだ。たとえそれが元々汚物でもお構いなし。


…そんなサバイバルのプロがいきなり殺意を持って

戦いを始めたのは、ストルムによって多くの蜜を

得る機会が失われてしまったためである。


「一般種より動きが速い。デカブツのくせにやるじゃねえか…」

蜂のように舞い、死神の如く刺す。

刺すだけではなく払い一つその刺々(とげとげ)しい先端は

獲物を喰らわんとしていた。ストルムは風圧を纏った

キックやディフェンスで凌ぎ切るので精一杯。


激しさを増す戦闘中、ストルムの瞳の奥で電磁波が渡る。

穏やかだった夕暮れ時に、とても無機質な木々のざわめきが走る。


嵐が来る。嵐が来る時、その周囲はいつも

恐怖を煽るような音がする。するのだ。


「悠久潜在能力(オブリビオン)を使うぞ

 喧嘩売る相手を間違えたみてえだな」

とてつもない力で積乱雲を起こし、

平和だった夕暮れを閉ざす。辺りには大粒の水滴が踊り、

豪雷がしたるは天罰が如し。それを笑うのが暴風で、

まるで表情がわかりそうなくらい音を立てて吹き抜ける。


ヤマトセイバーはこの時ようやく理解した。

と、同時に手遅れになったと命乞いに身を馳せる。

虫が相手にしたのは今まで自分を生かしておいた

森羅万象であって、それが牙を剥いた。もはや助からない。


「風獄(ふうごく)」

ストルムが気圧の魔玉を突き出すと、周囲の木々を

掃除機のように刈り取っては膨張し、それは逃げるヤマトセイバーも

無情に取り込んだ。取り込まれたら最後、風圧の檻が縮まれば、

あらゆる物がミキサー状にすりつぶされて

バラバラになるのをただ待つだけだった。


やがて嵐が去るとボトボトと音を立てて残骸が落ちて来る。

その中にはヤマトセイバーだったものも大量に混ざっていた。


時を同じくして人の大陸では

今日も科学の王国と魔導の王国で様々な人達が

自らの理念を追い求めて日々研究に励んでいた。

全ては文明の統一のために。


魔導の王国、通称魔国にて。

今日は戦争の真只中、兵士として駆り出された

青年のコドクは撤退する途中、戦争機獣(アニミスク)によって

脚を機関銃で撃たれて茂みに隠れたところ、超兵器獣(エリーチャー)に

見つかってしまった。

閲覧ありがとうございました。

この作品を投稿する前にも

別の作品を投稿したことがありますが…


スマホ、壊しちゃいまして⭐︎


なので別の端末から書いて新しくアカウントを作って投稿を始めました。

「おみゃー、あの作品の作者?」と思ったら一言ください。

犬のモノマネしながら泣いて喜びます。多分。

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