■第12話「一点突破」
静かな部屋。
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北川は画面を見ていた。
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振り分け可能ポイント:73
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(使うか)
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迷いはない。
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“集中力”
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一点。
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全てを注ぐ。
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+73
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(確定)
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# ■主人公専用ステータスUI
【ステータス】
名前:北川 聡
年齢:22
役職:フリーランス
性別:男
振り分け可能ポイント:0
判断力 328(+300):S:[+](0)[-](0)[確定]
交渉力 439(+420):S:[+](0)[-](0)[確定]
集中力 354(+323):S:[+](0)[-](0)[確定]
処理力 330(+316):S:[+](0)[-](0)[確定]
資産:966000円
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(……いいな)
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思考が、さらに研ぎ澄まされる。
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ノイズが消える。
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必要な情報だけが残る。
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(無駄がない)
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その数日後。
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一通のメッセージ。
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「北川様」
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企業名。
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見覚えはない。
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「ぜひ一度、お話させていただけませんか」
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(……来たか)
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評価。
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実績。
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それが繋がった結果。
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北川は短く返信する。
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「可能です」
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当日。
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会場。
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複数企業が集まるコンペ形式。
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(懐かしいな)
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だが――
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立場は違う。
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“作る側”ではなく
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“出る側”
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そして。
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視界に入る。
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「……え?」
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神谷。
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白石。
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中村。
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高橋。
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そして――
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主任・山口。
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(いるか)
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元の会社。
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だが様子がおかしい。
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表情が硬い。
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余裕がない。
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(当然だな)
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すでに回収されている。
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本来の実力しかない。
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プレゼン開始。
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元会社。
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発表者は神谷。
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声が揺れる。
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構成が弱い。
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説得力がない。
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(……薄いな)
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結果は明白。
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空気が冷える。
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そして。
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「次、北川様」
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北川は立ち上がる。
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静かに前へ。
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視線が集まる。
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(問題ない)
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集中力。
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思考。
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構成。
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すべてが噛み合う。
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プレゼン開始。
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無駄がない。
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一言一言が刺さる。
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資料と話が完全に一致する。
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理解が“強制される”。
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会場の空気が変わる。
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(通るな)
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確信。
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質疑応答。
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質問の意図を瞬時に理解。
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最適解で返す。
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詰まらない。
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ブレない。
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終了。
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沈黙。
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そして――
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「……素晴らしい」
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その一言。
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勝敗は決まった。
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結果発表。
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「本件は、北川様にお願いしたいと思います」
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圧勝。
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視線が刺さる。
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元会社。
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神谷が、呆然と見ている。
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白石も。
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中村も。
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高橋も。
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山口も。
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(やっと理解したか)
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誰が作っていたのか。
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誰に頼っていたのか。
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北川は何も言わない。
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ただ。
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静かにその場を後にする。
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振り返らない。
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もう関係ない。
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(次だな)
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一つ上のステージへ。
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確実に進んでいる。
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# ■第12話 終




