「ローマの休日」のスローリーディング その24
◎場面10 その2
ジョーのアパートを出てからアンは様々な店が立ち並ぶ一角を歩いて行き、トレビの泉にたどり着く。
ショーウインドーの写真に魅かれて泉のそばにある美容室に入っていく
(英語のセリフ)
〇美容師マリオ: What a wonderful hair you have.
〇アン: Just cut, thank you.
〇美容師マリオ: Just cut? Well then, cut, er, so?
〇アン: Higher.
〇美容師マリオ: Higher? Here?
〇アン: More.
〇美容師マリオ: Here?
〇アン: Even more.
〇美容師マリオ: Where?
〇アン: There.
〇美容師マリオ: There. Are you sure, Miss?
〇アン: I'm quite sure, thank you.
〇美容師マリオ: All off?
〇アン: All off.
〇美容師マリオ: Are you sure?
〇アン: Yes.
〇美容師マリオ: Yes. Off! Off!
(私訳)
〇美容師マリオ: 美しい髪をお持ちですね。どうします?
〇アン: カットだけお願いします
〇美容師マリオ: 切るだけ?ではこれぐらいですか?
〇アン: もっと上で
〇美容師マリオ:もっと上? これぐらい?
〇アン: もっと
〇美容師マリオ: ここ?
〇アン: もっとよ
〇美容師マリオ: どのあたり?
〇アン: このあたり
〇美容師マリオ:そこか。 いいんですか?
〇アン: いたって本気よ
〇美容師マリオ: これ全部?
〇アン: これ全部。
〇美容師マリオ: 本当にいいの?
〇アン: ええ
〇美容師マリオ: 仕方がないな。 カット.カットだ
(ちょっと一言)
さて、店のショーウインドーにかかげられたショートカットのモデルの写真にひかれたアンは美容室に入っていく。
アンの髪をカットする美容師マリオを演じたのは撮影当時30歳を過ぎたばかりのイタリア人俳優のパオロ・カルリーニ。アメリカ人がその容姿も含めて「イタリア男」に抱く典型的なタイプとしてマリオは登場する。
彼の手によってアンはヘプバーンカットと呼ばれて一世を風靡したショートカットにしてもらうのだが、パオロ・カルリーニの手さばきは元美容師だったのではないと思われるほど鮮やかだ。
この美容室、入り口の壁面にはイタリア語でBARBIERE(美容室)の表示があるが、トレビの泉に向かって右側に位置するこの場所は「ローマの休日」の撮影から70年以上たった今どうなっているのだろうか。
私はグーグルマップで調べてみた。
2014年7月のストリートビューではハンドバッグや財布を売る店になっており、店のガラスケースにはスクーターに乗ったグレゴリー・ペックとヘプバーンのポスターや写真が飾ってある。
ここがあの場所であると、観光客に誇らしくアピールしている。
しかし2016年7月のストリートビューではポスターが見当たらない。入り口にはCLOSEDと表示があり、これは「本日休み」の意味なのか「閉店」の意味なのか、なんとなく寂しさを感じさせる光景だった。




