SS14.01_異界化する街
もしも――。
もしも私が、天の衣をもっていたのなら。
黄金と星屑の光で織った、
青く薄墨の色をした、ほのかに暗い衣。
そんな、薄明かりの衣があったなら、
あなたの足元に広げるのに。
そっと、あなたに足元に、灯りを。
しかし、貧しい私には、夢しか無かったのです。
暗い夜。私は、夢を見るしかなかった。
だから、あなたの足下に、私の夢を。
――そっと踏んでほしい。
たったひとつだけ。
私の大切な夢だから‥‥。
◆
アンドロイドの犯罪者に、銃口が突き付けられる。
巨悪サウザントに属する、チューズデイ。
彼は、詩を読んでいた。
荒れた教会で、詩を。
革手袋をした手で文字を支え、フェルトハットの奥に見える瞳で詩を読む。
銃口を向けられてやっと、詩集から目を離す。
眼前の、金髪碧眼の女性へ、顔を上げる。
人間の女性に、ひとつ聞いてみる。
先達の知見を。
「心を持つこと。
それが、罪を生むとは思わんかね?」
チューズデイの問いに、女性は指先で答えた。
拳銃の引き金を引く。
青い魔法の矢が銃から放たれ、アンドロイドの眉間を撃ち抜いた。
長椅子の背もたれを破壊して、チューズデイが活動を停止する。
彼が倒れるのに遅れて、詩集が床に落ちる。
背表紙から落ちて、床を叩く音が、目を引くほどに自己主張した。
金髪の女性――、ハルは、落ちた本を拾う。
拳銃をしまい、装丁の埃を払う。
本の、栞がされているページを開いた。
~
Aedh Wishes for the Cloths of Heaven.
Had I the heavens’ embroidered cloths,
Enwrought with golden and silver light,
The blue and the dim and the dark cloths
Of night and light and the half light,
I would spread the cloths under your feet:
But I, being poor, have only my dreams;
I have spread my dreams under your feet;
Tread softly because you tread on my dreams.
~
チューズデイ、彼が読んでいたのは、イエーツの詩だった。
イエーツの「彼は天の衣を望む」という詩。
ハルの視界に、詩の訳文が表示される。
英文を読むのには苦労しないハルであっても、訳文の存在は有難い。
詩のような文学作品の文章は、読むのではなく、感じることが求められる。
感受性を発揮するのであれば、やはり日本語の方がやりやすい。
使えるのと、使いこなすのとでは話が違ってくる。
パタンと、空調子な音が、背の高い天井に反響する。
この詩を、ハルは知っている。
彼女に縁があるというか、彼女のアバターに関係する詩。
ハルのアバターは、レトロゲームに登場するキャラクター、ノエル = ヴァレンタインをイメージして作られている。
この詩は、ノエルに関わる詩。
~
そっと踏んでほしい。
私の大切な夢だから。
~
ここのフレーズが、妙に頭に残る。
詩集をインベントリにしまう。
ブーツが床を鳴らしながら、外に向かっていく。
青い日差しが差す、屋外へと出た。
教会の周囲には、無数‥‥と呼ぶには少々多い、機械の残骸。
掃いて集めれば、スクラップヤードができるほどの残骸が、一面に広がっている。
全部、ハルがそうした。
セントラルでの冒険。
表舞台に姿を現したサウザントと一戦を交え、結果、セントラルには異界が広がった。
サウザントにより誘い出された赤龍は、夢戻りのエージェントに討たれた。
討たれた結果、白龍となって甦った。
白龍は、破壊の赤龍と異なり、創造の力を持っていた。
創造の力は、セントラル南西の海域に、森を創った。
海洋樹林は、地球の生物が生きていけぬ環境となった。
白龍のもたらした創造。
世界が塗り替えられる現象を、セントラルでは異界化と呼んでいる。
地球が、魔法界の理、あるいはそれに準じる理に浸食される現象。
それが異界化。
異界化は、海洋樹林だけに留まらなかった。
龍の放った青いオルギンは、セントラル本土にも直撃した。
複数、少なくない量の青い星が降り注いだ。
ハルは現在、セントラル西部に降り注いだオルギンの調査をしている。
セントラル西部、都市部のほど近く、そこに創造の厄災が落ちた。
そこでは、魔力の結晶化が起こっていた。
教会を見上げれば、壁や屋根の至るところに、透き通った水晶が生えている。
ハルがスクラップに変えた機械たちにも、小さな結晶が生え始めている。
この場所では、生物・非生物を問わず、結晶に食われる。
放っておけば、この街は結晶によって死ぬ。
唯一、龍の力を持つ、夢戻りたちだけは、異界化の影響を受けない。
白龍のもたらす創造の厄災を、身体に取り込んだ龍の力で相殺しているのだ。
結晶化の影響を受けた人々は、病院に運ばれて隔離されている。
科学者のソフィアが言うには、結晶化の進行を遅らせることは可能らしい。
しかし、異界化の根源を叩かぬ限り、治癒は難しいという。
ハルは、進行する異界化を食い止めるために、この地へ赴いた。
オペレーターが言うには、異界化には「落とし子」が付き物らしい。
異界化の核となる、有り体に言えばボスのような存在だ。
その落とし子を倒せば、異界化は収束に向かう‥‥らしい。
とは言え、落とし子の捜索は難航中。
異界では、計器での測定が満足にできない。
辺り一帯に特殊な魔力が充満していて、落とし子の反応を隠している。
挙句の果てには、サウザントまでちょっかいを掛けてきた。
死んでも死なない機械兵をけしかけて、調査の邪魔をしてくる始末。
猫の手も借りたいほど、CCCはてんてこ舞いである。
胸いっぱいに息を吸い込んで、吐き出す。
調査を再開しようと歩き出して、止まる。
‥‥ブーツの靴底。
僅かに感じる。
地面が、揺れている。
揺れが、大きくなる。
背を向けた教会が、大きな音を立てる。
建物の土台から、建物の中心に向かって、教会が崩れ去った。
破片から身を守るように、銃剣を召喚し地面に突き刺す。
粉塵が目に入らぬよう、顔を腕で覆う。
粉塵が落ち着き、視界が開けてくる。
青い日差しが、教会の土地から高くそびえた、巨大な水晶を照らす。
見上げる水晶は、太陽の光を反射して眩しい。
粉塵がまだ少し舞っているというのに、目がくらむ。
透き通った水晶から、のっぺりと影が伸び、ハルを薄暗がりで包む。
水晶の傍から、地面が薄く凍っていく。
地面が水晶の柱に覆われて、街が侵蝕されていく。
広がる氷から逃げるように、ハルは後ろに下がる。
水晶を見上げ、地面を観察し、視線を上下に振りながら。
‥‥‥‥。
氷が、ハルに襲い掛かった。
水晶の侵蝕が加速する。
意思を持つかのように、ハルに向かって伸び始める。
靴で踏める程度だった水晶の侵蝕。
それは瞬く間に、ハルを易々貫けるほどの高さまで伸び、迫り来る。
水晶の巨岩に背を向ける。
背を向けて、走り出す。
彼女の後を、細く鋭い水晶が追う。
巨岩は、太陽を吸っている。
太陽の力を体に集め、より眩く輝く。
そして、体に集めた太陽を結晶化し――、撃ちだす。
巨岩から、結晶の閃光が放たれた。
小指ほどの細さまで収縮させた太陽光から、結晶が生える。
光が、ハルに向かって伸びていく。
光速を躱すなど、人間には不可能。
しかし、攻撃の直前に発生した、魔力の起こりによって、かろうじて直撃だけは免れる。
太陽光が、ハルの左腕に当たった。
ハルの二の腕から、結晶が生える。
体内から、皮膚を裂くように。
伸びた結晶が、頬を貫く。
胸を貫通し、肺に穴を開ける。
足が止まり、足元から針の筵にされる。
地面を凍てつかせる水晶に追いつかれて、足元から何本も身体を串刺しにされた。
「こん‥‥の――!!」
現実世界ならば、確実に死んでいるであろう重症。
電脳の身体は、問題なく動く。
右手で水晶の槍を破壊する。
巨岩から放たれる太陽光を、テレポートで回避。
二の腕から生えた結晶を、引き抜いて取り除く。
両手の人差し指と中指を立てて、両手を合わせる。
ウェポンシフト。
妖精、ジャックオーランタンを召喚。
『ハッピーハロウィン!
それと――、あけおめ~~~☆』
ジャックオーランタンを蹴り飛ばす。
大きさ30cmくらいの妖精が、空に向かって飛んで行く。
『ことよろ~~~☆』
ハルは地面を蹴る。
カボチャを追いかけるように、跳躍。
足元で水晶のつららが生えて、それを太陽光の水晶が破壊する。
インベントリから、スマートデバイスを取り出す。
側面のボタンを押す。
『センチュリオン、オーバードライブ。』
ハルはカボチャの頭を踏んづける。
踏んづけて、さらに跳躍。
カボチャは、太陽光の餌食となる。
『うっひょ~、キラキラ~~☆ 目立ってるぅ~↑↑』
水晶でカチコチにされても、気にしていない様子のジャックオーランタン。
空には、魔法陣が描かれている。
黒い稲妻が走り、魔法陣に開いた穴から、咆哮と黒雲が落ちる。
「来なさい、グレイドラグーン!」
三悪魔CE、グレイドラグーンがフォール。
ハルの呼びかけに応え、厄災の幼体が吠える。
そして、ハルの呼びかけを無視し、彼女に背を向ける。
グレイドラグーンは、闘争の権化。
パイロットの言うことなど、聞きやしない。
‥‥しかし、ハルはそれも織り込み済み。
空中ジャンプをひとつして、そこからスキルを発動。
ホルスターに触れ、双銃を引き抜き ≪リボルビングスピン≫ 。
地面へ頭を向け、回転しながらのフルオート射撃。
回転と射撃の力で、身体が上に上昇する。
≪リボルビングスピン≫ を、疑似的な空中ジャンプとして利用。
頭を地面に向けたまま、マジックワイヤーを射出。
ワイヤーの先が、グレイドラグーンの尻尾に刺さる。
地上から跳んで、空中ジャンプ。
ジャックオーランタンを踏み台に、ジャンプ&空中ジャンプ。
そこからさらに、 ≪リボルビングスピン≫ で高度を確保。
そこからのマジックワイヤー。
これにより、命令を無視するグレイドラグーンを捕まえる。
フォール後、地上に足を付けずに敵の方へ向かってしまう戦闘狂の、尻尾を掴む。
まったく、手の掛かるCEである。
だが、そこが面白く、可愛くもある。
‥‥ダメ男に引っかかってしまいそうな性格の、ハルである。
そして、ダメ男とは、いっつも予想の下を行く。
グレイドラグーンが、尻尾を動かす。
翼を広げて、巨岩に向かいながら、大きく、尻尾を、後ろに。
邪魔な、口うるさいパイロットを、捨てようとしている。
「――!? ちょっと――!」
グレイドラグーンが太陽光を躱し――、尻尾を大きく、前に振った。
尻尾にワイヤーで掴まっているハルも、尻尾と一緒に前へ行く。
前へ行って、ワイヤーが切れる。
ベクトル反転。
ワイヤーの巻き取る力が、吹っ飛ぶ力に変換されてしまう。
機械の目が、この上ないくらいニヤついている。
表情の変化こそないが、雰囲気で分かる。
邪魔くさい、口うるさい姉みたいなパイロットを排除できて、ご満悦のようだ。
「いぃ――!?」
ハルは、生身で経験したことのある、最高速度の記録を更新。
自分の身体が、自分の声を追い抜くという奇妙な経験をしながら、巨岩に激突した。
スキル発動 ≪ブレイズキック≫ 。
苦し紛れに発動させたスキルで、巨岩に向けて着地。
身体が、骨が、衝撃で振動する。
足の爪先から、頭のてっぺんまで。
ピアノの一番高い音と、一番低い音を混ぜたような不協和音が、骨と内臓を突き抜ける。
「くぅ~~――‥‥!」
両腕をギュッとすくめて、未体験の衝撃を噛みしめる。
まるで、女の子みたいなポーズをして、女の子みたいな声を出して。
甘くも美味しくもない、ただただ辛い衝撃を噛みしめる。
グレイドラグーンは、自分のパイロットことなど露ほども気にせず、太陽光を固めた結晶をバリバリと食べている。
食欲旺盛な竜機を狙い、太陽光が放たれる。
食事の邪魔をされ、堪忍袋の緒が切れて、食事を中断。
両翼で、太陽光を受け止める。
‥‥翼は、鏡面のように輝く水晶で覆われている。
三悪魔の持つ不協和の力、ゼナス。
グレイドラグーンの持つ力は、捕食。
この生きているCEは、捕食によりエネルギーを取り込むことで、その力を我が物として扱える。
グレイドラグーンは、捕食した水晶の力により、太陽光を反射したのだ。
反射させた光は、そっくりそのまま、巨岩の方へ。
巨岩の――、女の子している、ハルの方へ。
テレポートで太陽光を避ける。
避けて、巨岩から足を離す。
反射された太陽光が作った、水晶の橋の上に着地。
この橋は、グレイドラグーンの方へと繋がっている。
AGを1本消費。
アサルトダッシュ。
水晶の上を、闘志で整地しながら猛進。
道に伸びた棘を、突進で砕きながら、ハルはグレイドラグーンの元へ。
速度の乗ったまま、跳躍。
スキル ≪ブレイザー≫ 。
拳に炎を纏い、拳骨を振り下ろす。
拳骨は竜機の脳天をカチ割る。
頭のてっぺんから、足の爪先まで、衝撃が流れる。
教育的指導。
グレイドラグーンを叩き落とす。
水晶の橋に着地。
パルクールスキルのウォールランで、橋の裏に回り込む。
回り込み、頭を地上へ向けて、燃える足で踏み切り、急降下。
ハルに対し殺気を向けるグレイドラグーンに、おしおきキックが炸裂する。
グレイドラグーンは高度を落とし、ハルは反動で宙を舞う。
2人のあいだを、太陽光が通り過ぎていく。
‥‥‥‥。
本来ならば、パイロットとCEが力を合わせ、2対1となるはずの盤面。
しかし、悪魔の幼体に、そんな道理など通用しない。
1対1対1。
それが、いまの状況。
ハルは、太陽光が架けた橋に着地。
自分とドラグーンを狙っていた光の橋に足をつける。
再びAGを消費して、アサルトダッシュ。
もう、あのボケナスには頼らん!
呼び出しておいてあれだが、頼らん!
巨岩だろうが何だろうが、生身で破壊してやる!!
巨岩に、やつあたり。
燃える鉄拳をお見舞い。
その下では、ドラグーンが水晶に覆われた拳を、巨岩に打ち付けている。
ドラグーンが、巨岩に爪を立てる。
岩の表面を削りながら、ハルの向けて加速。
ハルは、両手を組む。
ウェポンシフト、双銃剣を召喚。
刃渡り3メートルの、対CE試作型兵器で、グレイドラグーンを黙らせようとする。
ドラグーンは、爪を岩に深く食い込ませ、腕を振るう。
巨岩がめくれ、岩の塊がハルに向かって飛来する。
視界が、岩で覆われる。
敵を見失う。
ドラグーンは加速する。
自分が放った岩に追いつき、岩を巨岩に向けて叩きつける。
岩で視界を奪い、視界を奪った岩で、ハルをペシャンコにする攻撃。
生意気なCEとのケンカは、命がけ。
ハルは、岩をテレポートで避けていた。
グレイドラグーンの、下を取るように。
魔力の流れを読まれ、移動地点に尻尾が振るわれている。
ブレイブゲージを消費。
ブレイブアーマーを発動。
勇気が、身体に不退転の力を与える。
矛先のように砥がれている尻尾を、身体と体力で受け、その場に踏みとどまる。
‥‥ハルの反撃。
時間差で、ドラグーンの頭を銃剣が殴りつける。
ハルは、テレポートの前に、スキルを発動していた。
銃剣版 ≪飛燕衝≫ 。
二振りの銃剣を、大上段に振り下ろす攻撃。
テレポートにより、制御可能範囲から離れてしまう前に入力されていた命令。
銃剣がそれを履行、ハルに気を取られたグレイドラグーンを殴りつけた。
銃剣は、重力に従って、ハルの元へ。
ブレイブアーマーの不退転の力で、尻尾を掴んでいるハルの元へ。
スキル発動 ≪銃剣のブレイザー≫ 。
二振りの切っ先が、巨岩に突き刺さる。
岩の表面をカチ割り、炎が噴き上がる。
炎が岩を穿ち、噴き上がった炎がグレイドラグーンを炙る。
ドラグーンの出力が落ちる。
体が重力で落下するも、それを不退転のハルが尻尾を掴んでいることで、落ちることを許さない。
さっきの攻撃を、もう一度。
スキル ≪銃剣のブレイザー≫ 。
巨岩とドラグーンに、同時攻撃。
巨岩にヒビが入る。
岩の足元から、先端にかけて、全体に。
表面が眩く輝く。
太陽光を全体に薄く放射。
体に張り付いて好き勝手している、ハルとドラグーンを振り払う。
パイロットとCE、仲良く光の風で吹き飛ばされる。
1人と1機を、地面に広がるつららがお出迎え。
ハルは主力火器の、二点バースト式ショットガンで、つららを割る。
ドラグーンに関しては、そもそもつららが鋼の体を通らない。
巨岩は、なおも輝く。
光を増す。
辺りが、白と黒の世界になっていく。
光と影、それ以外の光が認識できぬほどに、明るくなる。
光が、ハルの体力を奪う。
ポーションを飲みながら、光の当たらぬ、影に隠れる。
地面に寝ている、グレイドラグーンの後ろ。
光が収まるのを待つ。
‥‥‥‥。
‥‥。
そうやっていると、ハルの隠れた影が、小さくなっていく。
光が差す強さ、角度は変わらぬのに。
影は、どんどん小さくなっていく。
小さくなっているのだ。
グレイドラグーンの体が。
「うそ!? どうなって――!?」
いっそう眩く、巨岩が輝いた。
視界は、ついに真っ白に。
目を閉じていても、真っ白だ。
だから、足元に出現した魔法陣にも気付けない。
足元の、強制転移の魔法陣に、気付けない。
‥‥‥‥。
光が、嘘のように静まり返る。
そこに、ハルの姿は無かった。
グレイドラグーンの姿も、無かった。
◆
薄暗いトンネルの中を落ちていく。
強制転移によって、別の場所へと移動させられる。
長く短いトンネルを、抜けたその先は――。
「ちょっと! あたし以外を使うなんて!
どういう要件よ!」
「うっさいなぁ!?
オレの勝手だろ、そんなの!」
「いいから! それを置きなさい!
よこしなさ、いぃ!」
「いぃ!? い・や・だ!」
長いトンネルを抜けた先は、空の上だった。
「‥‥‥‥うべっ!?!?」
床に、腹から着地する。
セーフハウス「ブルーホエール」。
空飛ぶ船は、セツナのセーフハウス。
ハルが顔を上げると、そこには兄と――。
兄に組み付く、金髪碧眼の見知らぬ女性の姿があった。
期間限定イベント「ワン・マン・アーミー」、開始。




