祭の後で
『そうか、ふられたのか』
「身も蓋もない言い方はやめろ‼︎」
亮の黒歴史の新たな一頁が刻まれたその夜。直後に結果を知らされた大輝は、祭が幕を引いてから後日改めて、亮に電話をかけていた。
『まさか本当にやるとは。やるな、亮』
「おま……、ぶち殺す‼︎」
『冗談だよ、まぁ元気そうで安心した』
「部活でまともに黒田さんの顔見れねえよ…」
『まぁでも口聞いてない訳でもないんだろ?』
「それが何というかなぁ…」
文化祭から数日が経ち、文研部はいつもと変わらぬ風景に戻った。しかし、今までとは変わったところもある。それは、唯が亮に勉強を教えて欲しいと言い出したことだった。
本人曰く、家では趣味に没頭してろくに勉強して来なかったので、赤点もいくつか取っていたとの事。
もう唯とお喋りが出来ないと思っていた亮としては願ってもない話だったが、上手く彼女と距離感が掴めずにいた。
因みに、夏帆はすごく何か言いたそうな表情でこちらを見たが、むすっとしただけで彼に制裁を加えたりはしなかった。
「もう相手がなに考えてんのか分かんねぇよ…」
『なら今度は彼女を夢中にする10の方法を伝授してやろうか?』
いつもの如く始まった親友のお節介。
これに対する答えは決まっている。
『却下だよ!』
(終わり)
こんばんは、しばです。
まず、お詫びを。長らく間を空けてしまい申し訳ありませんでした。完結まで付き合って下さった方、本当にありがとうございます。
引き続き、続編『天使にあえたよ』を執筆して参りますので、よろしくおねがいします。




