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煩悶

夏帆が使っていたパソコンを借りて、亮は現行のホームページの内容を把握して、少しずつ手を加えることにした。ただ、気もそぞろな状態ではあったが。

というのも、亮の後ろで頭を抱える少女が原因だった。先程から、筆を動かしては消してを繰り返し、時折「ん〜」と唸っている。

夏帆に「少し休んだ方がいいんじゃない?」と声を掛けられて、筆をポトリと置いた唯は「はぁ…」と大きく息をついた。イラストが書かれた用紙を手に取ると、グチャグチャと丸め始める。

「何やってんの⁈上手くできてたじゃん!」

大輝などは驚いて大声を発しているが、唯はそれに苦笑いを返すばかり。

思いを寄せる少女が目の前で苦しんでいるというのに動けない自分の性分が、この時ばかりは恨めしかった。


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