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#48 式典

 今日は入学式。

 いつもの電車で登校した私たちは、とりあえず音楽室へ入った。

 平日の練習と同様の準備体操と発声練習をこなし、春休み中ほぼ毎日歌い続けてきた校歌の最後の練習を行った。




 すでに始まっている式典の邪魔をしないように、裏口から体育館へ入る。

 こういう厳かな場は、どの舞台よりも緊張する気がする。


「続きまして、合唱部による校歌紹介です」


 出番が来たので、昨日の準備兼リハーサルで決めていたように動く。

 まずピアノを運び、次に自分の分のマイクスタンドを持って、私たちは舞台に立った。




 緊張の校歌紹介を終え、私たちは一旦音楽室へ戻った。

 そして、少し時間を置いてから、今度はチラシを持って外廊下へと向かった。


「合唱部です」


 新入生たちに声をかけながらチラシを配る。

 愛佳が描いたキャラクターたちが歌っているイラストと、緑が描いた私たちのニックネームを連想させる植物の絵が賑やかなチラシだ。

 ちなみに、文字の部分は私が書いた。文字の部分以外はデータでやり取りしていたので、失敗しても資源の無駄になるだけだったのはありがたかった。


 他の部活の人たちも、私たちと同じようにチラシを配っている。

 ここでの働きかけが、今後の部活運営に響いてくるかもしれない。そのことを思えば、どの部も必死にならざるを得ない。

 かく言う私たち合唱部も新三年生ばかりで、しかも三人だけという崖っぷちに立たされている。

 どうにかして新入部員を勧誘したいところだ。


 さて、慌てすぎたせいか、私は配分を間違えて全てのクラスが通る前に自分の分のチラシを配り終えてしまった。

 ないものは仕方がないので、声だけでも上げておく。




 最後尾の新入生が教室棟へ入っていくのを見届けると、在校生たちはそれぞれ散っていった。

 私たちも音楽室へ再び帰ることにした。


 一応まだ春休みではあるので、昼までは練習をすることになった。

 ランチタイムコンサートが明後日に控えているのもあるが、こうして練習をしていれば興味を持った新入生が訪れるかもしれないという下心もある。


 それはさておき、通しで練習をしていると見学者が現れた。

 練習をしているところを見ているだけというのもあれなので、軽く参加してもらうことにした。




「明後日、水曜日のお昼休みにランチタイムコンサートをやるんですけど、よかったら見に来てください」


 最後に今後の予定を伝えると、見学者は帰っていった。




 こうしてせわしない半日が幕を閉じた。

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