真の敵は邪神でも大魔王でもない
流輝がナンバーズの二人を簡単に倒して暫く呆けていると空から属性龍の二体が降りてきた。
相変わらず迫力あるなぁ~。
あんなの普通の人が見たら気絶するぞ。
「随分と呆気ない闘いだったな、流輝よ。
お主人間の中では最強かもしれんな。」
「確かにな、こいつは今までの勇者や英雄達とは格が違うと言ってもいいほどの力を保有している。」
属性龍達が俺を褒めている、のか?
確かに呆気ない闘いだったけど、貴方達の加護があったからですよ?
それに、人類最強ってあるわけ......あるかもしれない。
「そんな事ないですよ。
属性龍の二体の加護のお陰ですよ。」
「ふむ...まぁ儂等の加護の影響も多少はあるか...。」
やっぱりあるんだな。
でも、多少じゃないでしょ。
「ハハハ...加護は凄いですね。
あの魔人も普通に戦ったらほんの少し苦戦してたけど、加護のお陰で楽勝でした。」
「まっ、そうだな。
...それよりも流輝、お前に少し頼みが...儂からのお願いがあるんだが。
いいか?」
お願い?何だろう...まさか呪いが完全に解けてなかった?
それとも、この世界を征服しようとする邪神を滅ぼしてくれとか?
でも、邪神程度属性龍一体も居れば楽に勝てるか。
じゃあ、お願いってなんだろう。
「自分にできることならやりますよ。
何でもはしませんけど。」
俺がそう言うと属性龍は嬉しそうに口を開いた。
「おぉ、ありがたい。
それでのぉ、儂の...いいや、儂等の願いは
"この世界を破滅させようとする敵を殺してくれ"」
はいきましたー。破滅を止めてくれパターン。
邪神か?それとも、大魔王か?
一体誰から破滅を止めればいいんだ?
「破滅を止める...邪神からですか?大魔王からですか?」
「邪神や大魔王なら儂等が殺すわ、儂等が殺してほしいのは..."天使"と"神"じゃ。」
天使と神?何故?
天使と言えばこの世界に祝福を与え人々を幸せにする存在のはず。
神は世界の均衡を保つために常にこの世界を監視しバランスを保つ存在。
その天使と神を殺すだろ?
何かの冗談か?...いや、冗談を言ってはいなさそうだ。
「ああ、言い方が悪かった。
殺してほしいのは、堕ちた天使と堕ちた神だ。
彼奴らは世界を自分のものにしようとして神々達から天界をついほうされたのじゃ。」
堕ちた天使と堕ちた神......ゲームでは出てこなかった敵だな。
新たな敵...か。
でも待てよ?その堕ちた天使と神とかは属性龍達で殺せるんじゃないか?
「お前達が殺せばいいだろう?
何故俺に頼む?」
「ふむ...話してやろう。
それは昔の事じゃ。
儂等属性龍はこの世界を守るために堕天使も堕神を討伐しようと協力した。
最初は有利に闘いを進められていたが、堕神は残っていた神力を使い儂等を殺す一歩手前まで追い込んだ。
そして、彼奴らは二度と儂等が刃向かってこないように誓約の呪いを儂等に掛けた。
それは、一生解けない呪いだ、どんな解呪の魔法を使っても解けはしない。
だから、儂等は彼奴らに刃向かえない。
っとこんな感じじゃ。」
うぅむ......なるほどね、誓約の魔法か...聞いたことないな。
神は誓約の呪いを掛けた、何故だ?何故、そこで殺さなかった?
殺した方が良かっただろうに。
「なぁ、何故神はお前達を殺さなかったんだ?
殺した方が絶対にいいだろ?」
「まぁ、そりゃあ気になるか...。
教えてやる、儂等属性龍を...いや......お前には危険な事をお願いしておるし隠し事はなしにしよう。
いいか?よく聞け、儂等は属性龍じゃ。」
うん、知ってる。
それが何だ?
「知ってるぞ?
それがどうした?」
「最後まで聞け。
儂等は属性龍だが、ただの属性龍じゃない、"神龍"じゃ。
儂等は各魔法の属性の神じゃ。
儂の場合は炎の神じゃ。
クルザスは雷の神じゃな。」
なるほど神の龍ね...なるほどなるほど.........え?...え?まじ?
ふぅ...冷静に冷静に。
「な、なるほど...神龍か。
ビックリだよ。
正体はいいとして、俺は神龍の加護を貰ったのか。
そりゃ強いわけだ、それに、ただの属性龍が加護を与えるなんてできるのかと思っていたからな。
これでやっと謎が解けた。」
「ふむ...あまり驚かないな。
もっと、叫んだりするのかと思ったぞ。」
「ビックリはしましたよ。
でも、貴方達の強さを考えれば納得しました。
それに、加護を与えられるのは神かそれに近い者じゃないとできないって知ってますし。」
いや、今でも混乱してるけど話を進めたいから冷静になれ!俺!
「そうか...冷静じゃの。
おっと、話の続きを話すか。
儂等を殺さなかった理由は、儂等を殺せば彼奴らは呪いに掛かるからじゃ。
儂等を殺せば神を殺した代償としてそれ相応の罰が天界よりくだる。」
神を殺したら呪いが掛かるのか...。
初めて知ったな、どんな呪いが掛けられるんだ?
少し気になるな。
「ど、どんな呪いが掛けられるんだ?」
「ん?それは、一生死ぬことなく毎回コンマ数秒感覚で四肢を切られたり頭をグチャグチャにされる程の痛みがくる。
後は、精神を追いやるために目に見える物全てが肉片やモンスターに見えたりする。
他にも色々あるが...まぁ、良いだろう。」
その色々が物凄く気になる。
けど、凄く嫌な呪いだな。
堕ちた神が殺さなかった理由がよくわかったよ。
思ったんだけど、堕ちた神を殺したら呪いってかかるのか?
属性りゅ...神龍に尋ねてみる。
「ん?ああ、その心配はない。
何故ならその呪いは天界が下していると言っただろ?
彼奴らはもう天界に見離されてるから呪いは掛からん。
これで、聞きたいことは終わりか?
終わりなら儂等の願いを受けるか受けないか、選んでくれ、強制はしない。」
聞きたい事はない。
それに、受けるか受けないかは最初から決まっている。
この世界が滅んだら先輩と結婚することができなくなるんだ!
答えは一つ!
「受けます。
堕天使?堕神?そんな者に大好きな人が居るこの世界を滅ぼされたくない。」
「有難う、流輝よ。
儂等もできる限り動くが、一番大変なのは流輝になるだろう。
これは、一度闘った先輩として言っておく。
彼奴らは幻覚の魔法を得意としている。
精神状態を保つ魔法を訓練してた方がいいぞ。」
「アドバイス感謝する。
それよりもさ...他の神龍の加護って貰えたりする?
できれば万全の状態でいたいからさ。」
「ん?それならできるぞ、中には実力を測ってから与える奴もいるがな。
まぁ、流輝なら大丈夫だろう。」
「そうか、有難う。」
「儂等はもう行くが...他に聞いておくことはもう無いな?」
「ああ...ない。」
「そうか、次会うのが一年後か、十年後か知らんが楽しみにしておくとする。
...そうだ、一つ言い忘れていたことがある。」
なんだよ!今いい感じに別れるところだっただろうが!
「この世界はリセットされると言ったが、それはあまり気にするな。
今は話せんが次会った時に話してやる。」
ああ、そういえばそんなこと言ってたな。
「ああ。次会うのが楽しみになってきたよ。」
「それじゃあ、今度こそしようならじゃ。
さらばじゃ流輝。行くぞクルザス。」
「ああ......。」
相変わらず無口だったから空気だったクルザスさんが喋った。
「それじゃあな。」
俺は飛び立つ神龍達を見て決意した。
絶対に先輩の居るこの世界を命に替えても守ってみせると。




