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東方旧乱記  作者: オツリッサ
10/11

襲いかかる狂気(中編)

-紅魔館


真っ赤な空を背景にした真っ白な悪魔の前にぼろぼろになったレミリアが倒れていた。


レミリア「くっ…まだ終わっては…いない…」


遠退く意識の中でレミリアは幻月をにらみ続けた。 この私がこんな簡単にやられていいはずがない。吸血鬼の意地を見せてやるのよ…

レミリアはふらふらと立ち上がり翼を広げた。


幻月「哀れなもんね…」


幻月は一つの弾を手のひらの上に出現させた。それをレミリアに向ける。


レミリア「その程度で…私を…倒せるとでも?」


ひきつった笑いを見せるレミリアに幻月は無慈悲な目線を投げ掛けた。


幻月「これで充分よ。」


まさにレミリアが死を覚悟したとき、背後から荒々しく扉を開ける音と同時にフランの声が響いた。


フラン「お姉ちゃん!」


その声に二人は驚いてフランを見た。


幻月「よかったわね。援軍が来たわよ。」


レミリアははっとした顔をしてフランを見た。そしてしばらく間があった後、突然声を荒げて言った。


レミリア「来ないで!今すぐ戻りなさい!」


突然怒鳴られたフランはうろたえた。


フラン「え?…なんで?」


レミリア「いいから、戻りなさい!」


二人のやり取りを見て幻月は不思議に思った。折角助けが来たというのに何故断るのだろう?


幻月「ねぇ、あなた。今自分がどういう状況か…」


その時、幻月の頭にぴーんとくるものがあった。なるほどそういうことか…。


幻月「あなたもしかして、あの娘を傷つけられるのが嫌なんじゃない?」


我ながら名推理だ、と幻月は自分で思っていたがレミリアの答えは意外だった。


レミリア「違うわ。」


幻月「?」


レミリアは幻月に向き直って言った。


レミリア「私は妹なんかに、フランなんかに助けられるのが我慢できないの!」


幻月はますます不思議に思った。


幻月「何故?姉妹なんだったら助け合えばいいんじゃない?」


レミリア「妹と友達は違うの!」


レミリアは深く息を吸って続けた。


レミリア「妹に助けられるのがどれだけ悔しいことなのかわかる?」


幻月は少し考えた素振りを見せて答えた。


幻月「わからないわ。妹は頼りになるし、いざという時はお互い様だしね。」


その時レミリアは閃いたような顔をして聞いた。


レミリア「もしかして、あなたにも妹がいるのね!」


幻月はにこっと笑い、紅魔館を指差して言った。


幻月「居るも何も、さっき館に入っていったのがそうよ。」


レミリアは驚いた顔をして聞いた。


レミリア「あれが妹?確かに言われてみれば似てるけど…」


幻月「私たちは二人で一人前なのよ。」


レミリアは呆気にとられた。二人で一人前?


レミリア「それってどういうことなの?」


幻月「言った通りよ。私たちは一人では半人前だけど、二人揃えば一人前になれるのよ。」


それを聞いてレミリアはさらに困惑した。と、同時に悔しさと怒りがふつふつと沸いてきた。


レミリア「馬鹿にしてるの?」


幻月「え?」


レミリア「私をこんなに完封しておいて、自分を半人前だというの?」


幻月「ん?もしかして怒ってる?」


レミリアは目をギラギラと輝かせ、翼を広げて幻月に飛びかかった。


レミリア「半人前のあなたに手も足も出ない私は…」


レミリアは幻月に爪を降り下ろした。


レミリア「いったい何だっていうのよ!」


幻月は右手でレミリアの鋭い爪を受け止め、左手から弾を発射した。弾はレミリアの顎に直撃し、レミリアは空高く打ち上げられた。


幻月「はあー…折角仲良くなれるかと思ったんだけど…」


レミリアは幻月の前にドサッと鈍い音をたてて落ちた。倒れているレミリアを上から見下ろしながら幻月は言った。


幻月「今のあなたに勝ち目はない。」


そして今度は扉の前でおろおろしているフランのほうを見て言った。


幻月「妹に助けを求めるのが嫌なら…」


幻月は右手で弾を作り、フランに狙いを定めた。


レミリア「おい…何を企んでる…止めなさい!」


幻月はレミリアにかまわず弾を打った。


フラン「えっ!?」


フランは凄まじい速さの弾を諸に受けて吹き飛び、扉を突き破った。


レミリア「フラン!!!」


レミリアは絶叫したが、幻月はかまわず突き破られた扉の向こうを眺め続けた。しばらくすると、ふらふらとした足取りで、フランが戻ってきた。目に狂気を宿した不気味な笑みを浮かべて。

幻月は笑みを浮かべ、空に飛び上がった。


幻月「うふふ…これで嫌でも共闘しなければいけなくなったわ!さあ!全力でかかってきなさい!!」


フラン「私とも遊んでくれるの?じゃあ壊れるまでおもちゃにしてあげるよ!」


フランは全速力で空に居る幻月に突進した。しかし幻月はそれを直撃寸前でかわした。


フラン「禁忌『クランベリートラップ』!」


フランは自分と幻月の周りに魔方陣を出現させた。その魔方陣から幻月に向けて弾が放出される。


幻月「ふ~ん」


幻月は手を広げて円形に弾を放った。幻月の弾とフランの弾がぶつかり合い巨大な花火を作り出した。その時、その眩い光を背に幻月がレミリアに笑いかけた。


レミリア「くっ…」


レミリアはふらふらと立ち上がった。もう、やるしかないんだ…レミリアは再び覚悟を決め、幻月に向かって飛び上がった。








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