エピローグ/確定した死
こんにちはー!ピーナッツです。ぜひ楽しんで読んでいってください!行ってらっしゃい!
空を焼くような業火が、視界の端で踊っていた。
僕の全身を支配する熱気と、肉が焼ける焦げ臭さ。だが、それは今この瞬間、僕の体には起きていない。
「……殺した」
僕が唇を動かした瞬間、世界が逆転した。
僕が喉を突いた覚えはない。剣を振るった記憶すらない。けれど、目の前で咆哮していた「竜」の首は、鮮やかな軌跡を描いて宙を舞い、頸動脈から噴水のような血を撒き散らしていた。
僕の行動(宣言)よりも先に、結果がそこに「存在」したのだ。
これこそが僕の能力、『因果の先出し』。
僕が「勝った」と定義した未来だけが、この現実に先行して上書きされる。
だが、安堵する間はなかった。
世界に先行した代償が、遅れて肉体を襲う。
「――っ、がっ!」
僕の右手首が、あらぬ方向にひしゃげた。竜の硬い鱗を貫いたという「結果」が、物理法則を無視して僕の骨を砕いたのだ。敵には傷一つ与えられず、僕だけが竜の防御力に屈して破壊される。
これが僕の戦い。先行確定した結果に体が引きずられ、その代償で自分を削りながら、敵の防御という「理不尽」を無理やり突き破るしかない、地獄の先出しジャンケン。
瓦礫の山に背を預け、震える指で泥を拭う。
数秒前、僕は竜に食い殺されていた。だが、僕はもう一度「僕は竜の心臓を射抜いた」と宣告する。
この能力は、敗北の記憶を何度でも塗り替えられる。
たとえ、そのたびに僕という人間が、すり潰されるように壊れていこうとも。
僕は虚空を見つめ、静かに、そして狂気的に囁く。
「――次は、君を殺す」
読んでいただきありがとうございました♪また帰ってきてください。それじゃあまた次の物語で!see you again!




