相容れないクラスメイト
《私立白鷺学園》の第一期生はたったの七人。
試験というよりは面接で入学が許可された生徒たち。
ーー全員が"障害者だった"。
教室に前から四、三で並べられた机。
七個しかないので教室がとても広く感じる。
そして机と机の間隔も開いていて、まるで生徒同士の心の距離に見えた。
入学式の日、今日と同じで自己紹介があった。
だが、障害については誰も語らなかった。
教師たちは障害というプライバシーを自己紹介と交えて言うのは生徒たちを傷つけるだろうと思ったため、当時も担任だった宮前も何も言わなかった。
そのせいで生徒たちの自己紹介はとても簡素なものだった。
名前と出身校、そして『よろしく』やら『頑張ります』やら気持ちのこもっていない言葉だった。
真面目に自己紹介をしたのは水瀬と西島ぐらいだ。
その後の授業も休み時間も放課後さえ生徒たちは互いに会話をしなかった。
七人しかいなければグループが出来てボッチになったり、スクールカーストで上下や、いじめが起こることもなかった。
だが、それ以上に相手の障害に興味がなく、そして自分の障害が蔑視されるのではと接触を避けていた。
「皆でお昼が食べたい」
そう言ったのは水瀬だった。




